「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
23 September 2024 ◎<ポイント> ―先週のFOMC、BOJ会合終わって、ドル安・円安の様相― ・今週の予想レンジ:142-146 ―…
20 February 2023
◎<ポイント> 米ドルは今後もアップ&ダウン、一方日本は巨額貿易赤字と北朝鮮のEEZ内へのミサイル落下の恒常化が恐ろしい
・先週は米ドルが上昇した。ドル円は一時135円台前半を付け、ユーロ1.06台前半、ポンド1.19台前半まで、豪ドルは68セント台前半まで下落した。
・まず前週末政府が次期総裁に起用を決定した植田氏が「緩和の継続が必要」と述べて、雨宮副総裁の総裁辞退後一時円高に振れていた相場が植田氏のハト派的姿勢で再度円が売り戻された。
・先週発表された米1月CPIは前年比、コア共に12月の伸びを下回ったが、予想を上回りインフレの高止まりを印象付けた。またその後発表された米1月の小売売上高やPPIも共に事前予想を上回った。これらの強い指標を受けて、FRB当局発言も軒並みタカ派色が目立った。ウイリアムズNY連銀総裁は「インフレはなお高過ぎる、今年年末時点のFF金利は5.00-5.25%が適切だと思われる(つまり今年中利下げはない?)」と発言し、タカ派のメスター・クリーブランド連銀総裁は「前回のFOMCで利上げ幅を50bpとする説得力のある経済的根拠があった」と発言。
またタカ派のブラード・セントルイス連銀総裁は「次回3月のFOMCで50bp利上げを支持する可能性を排除しない」と述べており、米インフレ沈静化・ターミナルレート接近観測が遠のいた。
・昨年末に向けて金利先高観で上昇した米ドルは、今年になりインフレ緩和期待でドルの売り戻しが活発化したが、ここに来て“しつこいインフレ高止まり懸念”が強まり、FRBの姿勢も現在はややタカ派色が強い状況だ。
・繰り返しになるが主要国(除く日本)のターミナルレートに大きな差異はないはずであるが、その時々の米国対欧州の景気やインフレ動向の強弱により為替相場がアップダウンする状況が暫く続きそうだ。
・つまりドル対その他通貨の綱引きであり、筆者が以前から主張している「円売り材料による円の下落」はまだ顕現化していない。ただ先週発表された過去最大の1月貿易赤字(-3.93兆円)や週末の北朝鮮のICBMが日本のEEZ内に落下のニュースなど、円を取り巻く不安材料の多さが半ば恒常化しており、早晩「気付いた時には後戻りできない円の下落」に直面するように思う。
◎<豪ドル相場>
↓68セント台前半まで、結構よいレベルまで売られたが、対円では堅調
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6811-0.7029 AUDYEN 90.74-93.05
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.7050 AUDYEN 90.00-94.00
先週豪ドルは米ドル堅調地合の中68セント台前半まで続落したが、対円ではドル円の134円台への反発を受けて92円台へと値を上げた。
RBAのロウ総裁の半期に一度の議会証言(上院・下院)が行われたが、同総裁は「引き続きインフレ抑制に注力し、今後数カ月にわたり更なる利上げが必要だ」と述べた。また同総裁は「インフレを私だけの責任にするのは不公平」と述べて自己弁護したが、国民の怒りを買っているのは、主要国のインフレ懸念が高まった2021年末の段階で「利上げは2024年までない」という自身の発言に固執してインフレ動向の読み違いをし、同総裁の言動を信じた多くの国民が変動金利での住宅借入を行った点である。現在同総裁は依然タカ派姿勢であるが同時に「現在のインフレは一時的なものに過ぎないと予想する」とも述べており、発言に矛盾が生じている。この後手・後手に回る総裁発言は、スティーブンス前総裁がリーマンショック後、米国はじめ主要国がゼロ金利政策を維持する中、唯一2009年の政策金利3.0%から連続で4.75%まで利上げし、景気後退→急きょ利下げに転じたドタバタ劇を彷彿とさせる。
先週発表された1月雇用統計は異例の2カ月連続で就業者数が減少であり、果たしてロウ総裁はタカ派姿勢をいつまで続けるのか?
今週発表されるQ4の賃金指数と民間設備投資はいずれも金利感応度が強く、今後のRBAの金融政策にも影響を与えるものであり注目したい。
依然として「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、米ドル動向が足元の豪ドルの行方を決すると考える。
―読者各位―
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◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」(https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121)に15年近く投稿しています。
月報(毎月第三月曜日にアップ)ですが斬新な相場観をご披露します!!
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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