今週の相場の焦点by Joe Tsuda(津田　穣）8 May 2023

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2023.05.08

マネー

AT Money Service

8 May 2023

◎＜ポイント＞ 　先週はリスク回避の円買いも見られたが（137円台→133円台）、強い4月の米雇用統計でリバース！

・先週は5/1にJPモルガンがファーストリパブリックの買収を発表したが、その他米地銀の経営不安も報じられ米株を圧迫。米株は金曜日の4月雇用統計後に反発するまで軟調推移し、ドル円も一時133円台に下落した（リスク回避の動き）。
・FOMCでは予想通りに25bpの利上げとなり、今後の利上げ停止が示唆されたが明言はされず。ECB理事会でも25bp利上げとなったが一部には50bp利上げを推す意見もあった―FRB5.25%、ECB3.75%で依然1.5%の開きがあり、当然ECBは今後も利上げスタンスだろう―驚きはRBAの「利上げ再開」。
・週初ドル円は137円台後半まで反発（予想当たり！）、その後133円台まで反落するが、（理由はともあれ？！）週末は135円台まで反発（予想当たり！）
・先週の結論―①ドル円には投機的な「円買い仕掛け」が入りやすいが、結局投機的円買いは調整・売り戻しされる。
②主要国（除く日本）の最大関心事は依然として「インフレ抑制」。今週の米4月CPI(予想5.0%、前回5.0%)→下げ止まり？？に注目（簡単には下がらない？）。
RBAの再利上げを見ても米国はじめ主要国の高金利は当初予想より長引き、「利下げ観測」は当面“空振り”に終わる可能性がある。
・一方植田日銀は政策見直し期間を1年～1年半としており、その間緩和継続の可能性。広がった日米金利格差は簡単には収縮せず、予想されたより“長期間”に及ぶ可能性がある→円安材料。
・暫くは市場の「投機的な円買い」とその巻き戻し（実需の円売り）の攻防となりそうだ。
・筆者の言うドル円大幅上昇は日米金利差縮小、日銀の出口をスペキュレートした“投機的円買い”の後に訪れるわけで、足元の日米金利格差を囃したドル円上昇はいずれフェードアウトすると見ている。

◎＜豪ドル相場＞――予想外のRBAの再利上げで買い材料出尽くしか？

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6609-0.6757 AUDYEN 89.16-92.44
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6800 AUDYEN 90.00-93.00

・先週の豪ドルはRBAの予期せぬ再利上げを受けて波乱含みの展開―火曜日には67セント台に上昇、対円ではドル円の137円台との相乗効果で一時92円台半ばまでジャンプアップ。
・週後半は米銀不安によるリスク回避の動きも後退し、米雇用統計後の米株反発や商品相場の上昇に連れて67セント台半ば、対円でも92円付近を回復して越週した。
・RBAは先週金曜日の四半期金融政策報告書でも「インフレを抑制するために更なる利上げが必要になる可能性がある」と改めて指摘。
・ただ“昨年のインフレ高騰前に、執拗に低金利を強調し、昨年5月から手の平を翻すように10回連続利上げし、4月に休止後今月再び利上げした”ロウ総裁の言動に対する不信感は強く、今回の利上げはむしろロウ総裁の「逆切れ？」のような気もする。
・6月も利上げ継続する場合には、むしろ豪州経済や消費者信頼感を毀損することになり、利上げ＝豪ドル上昇とはならないだろう。
・対円では90円の大台を固めれば、更に続伸する可能性があるだろう。

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