「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)2...
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26 June 2023
◎<ポイント> ドル円は昨年11月以来の高値143円台
・先週は株反落、円安―ドル円は昨年11月以来の143円台後半まで上昇した。
・先週もBOEやスイスナショナル銀行は予想通りに利上げをし、主要国のインフレ懸念の高さを印象付けた。スイス円は160円台と変動相場制移行後の新高値を付けた。一方新体制となったトルコ中銀の大幅利上げ予想(8.5%→20.0%)に対して利上げは15%に留まり、リラは最安値を更新している。
・BOEやスイスナショナル銀行の利上げを受けてドルが一時軟化する局面もあったが、半期に一度のパウエル議長の議会証言では「インフレ抑制のためにまだ利上げが必要」とのタカ派イメージが強調され、前週のFOMCスタッフ予想での「後2回の利上げ」と相まって、結局ドルも週末にかけて反発した。
・その結果「一人利上げの蚊帳の外」である円が下落したのは極めて論理的な動きと言えるだろう。
・今週はECBフォーラムでの各国中銀総裁発言(植田総裁、パウエル議長、ベイリー総裁、ラガルド総裁等)が予定されるが、植田日銀との彼我の差が更に際立つ結果となれば、ドル円は145円台に向けて上値をテストすることが予想される。
・ただ足元の円安は“あくまで主要国間の金利差相場の延長”であり、今後到来するであろう「日本からの資金逃避による本格的な日本売り=円売り」の序曲に過ぎないとの判断は未だ変更していない―おそらくこの逃避型円安が顕現化するのは来年以降であろう。
・足元FRBの5.25%に対してBOEは5.0%とかなり追い付いてきたが、ECBはまだ4.0%とwell behindの状態であり、ECBの利上げ継続が予想される。しかし米国が“利下げ”(1年以上先と考えられる)に転換しない限り、米国VS主要国の金利格差の反転は予想しがたく、ドル優位な状態が継続するだろう。
◎<豪ドル相場>――中国景気懸念が重石
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6662-0.6882 AUDYEN 95.25-97.67
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6900 AUDYEN 94.00-98.00
・先週豪ドルは対ドルではドル安・円安地合が下値をサポートする一方、中国の景気減速懸念が上値を削る展開となった。
・RBAの利上げ継続の可能性が浮上しているが、むしろ中国景気減速懸念と相まって豪州経済への影響が懸念される。
・一方ウクライナ情勢では、ワグネルの対ロ反乱は取り敢えず収まりつつあるが、新たな展開には注意を払う必要があるだろう。欧州経済への影響即ち中国経済への影響と捉えるべきだろう→世界経済の減速懸念。
・またウクライナ情勢に絡めて主要国の株価調整が顕著となれば、リスク回避の動きが豪ドルの重石となることも想定される。
・今週も対ドルでは軟調、対円では一気に100円台を狙うというよりは、むしろドル円の上昇と豪ドル軟調が相殺しつつ、暫く95円台中心のミックス地合となりそうだ。
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◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」(https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121)に15年近く投稿しています。
月報(毎月第三月曜日にアップ)ですが斬新な相場観をご披露します!!
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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