8 January 2024

◎＜ポイント＞年初は140-145円台で振幅
・年初は「ドル高・円安」が進行した。（昨年末終値は141.05）→ただ金曜日の雇用後の急上昇はその後の”Sell on Fact”とISMの弱い数字でドル円は約2円反落。
・上昇理由
①日米金融政策格差の再拡大―元旦に起きた大型の能登半島地震により、日銀の早期マイナス金利解除観測が後退。一方発表されたFOMC議事録では「金利は予想されたより長くピークに留まる」との記述があり、12月FOMCでのハト派姿勢は後退か？
②中東情勢ではガザ地区を巡るイスラエルの攻撃が激しさを増し、加えて紅海でのイランの活動もあり、原油価格が73ドル台まで上昇し不安定化。
③米労働関連指標がリークしたのでは？？―以前米政府関係者が「当然、関係当局は事前に重要指標を知っている」と発言していたが、年初からの米債利回り急上昇と強い雇用3連発―ADP雇用者、新規失業保険そして金曜日の雇用統計―の結果から、当局の誰かが（？！）「今週発表される全雇用指数は強い」とリークした、と勘繰る―過去においてもこの手の“リーク事件”は枚挙にいとまがないが、米国は決して公明正大な国ではない！（過去の経験から言えること！
・果たしてこのまま再び150円か？？
それにしても、東日本大震災など過去においては日本の地震＝海外資金の引き揚げ＝安全通貨円↑の公式が成り立ったが、月曜朝一（1/2）は「30銭円高でオープンしてその後円は棒下げ」→今更ながら安全通貨円神話はとっくに崩壊したと思い知らされる。
・果たして昨年末のドルベア・センチメントから一変してのドル高・円安は本物か？ー年初からの畳みかけるような円安要因オンパレードでドル円は5円上げたが、140円台lowへの円高リターンは難しそうだ。
・今週は1/11(木)に12月米CPI発表されるが、予想は前月比+0.3%(前回+0.2%)、前年同月比+3.2%(前回+3.1%)とやや反発予想で、米インフレの底打ちとなれば日米金利差縮小も先送りされた気がする。

◎＜豪ドル相場＞――ドル反発する中、反落

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6640-0.6839  AUDYEN  95.84-97.39
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6850  AUDYEN  95.00-98.00

・先週豪ドルは、米ドルが上述のように上昇（ドルインデックスは101lowから102highに反発）する中68セント台から一時66セント台に下落。一方対円ではドル円の急反発を受けて97円台に上昇した。
・今週も「豪ドルは米ドルの受け皿」でドル相場の動向が鍵だが、国内指標では水曜日に発表される11月CPI(予想4.5%、前回4.9%)が注目材料。市場はQ1に最後の利上げと読んでいるが、CPIの低下トレンドが続くならRBA再利上げの可能性は遠のくと見る。
・豪中関係は相変わらず改善を見ず、むしろトランプ再選の可能性が高まれば更に悪化する可能性があるだろう。一方今年の世界経済の減速傾向を勘案し、高金利の国内経済への影響を考えれば、豪ドルが歴史的なニュートラルゾーン（と筆者は考えている）である70セントを回復するには“ドルの下落”が必要と言わざるを得ない。
・一方対円では先週1週間でドル円は5円レンジの動きを見せており、依然としてアップダウンが免れない。中期的にはドル円再上昇で豪ドル円100円回復を見ているが、年初のタイミングではないと考える。

―読者各位―
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