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「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9 December 2024

9 December 2024

<ポイント>
―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新―

・今週の予想レンジ:148.00-153.50
先週のレンジ:148.64-151.22 (先週の予想レンジ:148.50-153.50)
・先週はドルが週初強含む展開であったが、結局金曜日のそこそこ堅調な米雇用統計にもかかわらずドル円は一時149ドル台前半に反落。ただ米株は先週NYダウ、S&P、ナスダックともに史上高値を更新。特にS&Pとナスダックは金曜日高値引けとなった。
・金曜日の米雇用統計はnfpr、平均時給共に予想を上回ったものの、失業率が前回の4.1%から予想通りの4.2%に悪化したことが嫌気され、FRBによる12月利下げ観測は85%まで上昇。
・一方日銀による12月利上げ観測は11月末の66%から37%まで低下しているものの、依然として根強い利上げ観測がくすぶっている。
・停戦合意後も衝突が続く中東情勢や韓国政局の混乱から“リスク回避の円買い”が活発化する局面もあった。
・ただ米景気は雇用統計はじめ若干の軟化は見られるものの想定内であり、依然ソフトランディング・シナリオを変更するには至っていない。
・一方12月の日銀利上げについては12/13発表のQ4日銀短観もやや軟化予想であり、韓国での政局不安定など考慮すると、日銀が利上げを見送る可能性があると考える。
・先週一時148円台まで深堀したドル円である、その後の150円台への戻しを見るにつけ、やはり150円以下はoversoldの領域であるように感じ、今週はドル円戻り高を予想する。

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6372-0.6511   AUDYEN  95.52-98.02
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6600  AUDYEN  96.50-99.50)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6300-0.6500    AUDYEN  95.098.00


先週豪ドルは発表されたQ3GDP1.1%予想に対して0.8%(前年比)と不冴えであったことから明日のRBA理事会での利下げ観測強まり、63セント台に大幅下落した。対円でもドル円の軟調との相乗効果で、95円台に続落した。
・豪州経済は、予想されたこととはいえ、高止まりするコアインフレがRBAの懸念事項である一方、1年以上にわたる高金利が景気にダメージを与えつつあるのが現状。
・最近もRBAのブロック総裁は利下げの時期を来年以降としているが、市場の“利下げ催促相場”が続くであろう。
・明日のRBA理事会が注目されるが、大半のエコノミは(筆者も含めて)依然高止まりするコアCPIを理由に据え置き予想値となっている。
・また輸出先として3位にランクされる韓国での政局不安も豪ドル安要因であろう。
・暫く豪ドルは頭の重い展開が予想されるが、63セント台、95円台はさすがにoversoldの領域と考えられ、徐々に底入れすることが予想される。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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