今週の主な予定、イベント
5/27(月)日銀議事録、英国休場(バンクホリデー)、米国休場(メモリアルデー)
28(火)米3月S&Pケースシラ∸住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数
29(水)2013年国際カンファレンス(黒田日銀総裁挨拶)
日銀市場参加者との意見交換会、独5月失業率・失業者数、カナダ中銀政策金利、欧州委員会年次政策提言
30(木)豪州Q1民間設備投資(CAPEX)、日本5月上旬貿易収支、米Q1GDP(改定値)、米4月中古住宅販売、米新規失業保険申請件数
31(金)日本4月雇用統計・消費者物価・鉱工業生産、ユーロ圏4月失業率、ユーロ圏5月CPI、米4月PCEデフレーター・個人所得支出、米5月ミシガン大学消費者信頼感(確報値)、OPEC総会
マーケットの焦点
キーワード:日本株価調整・円相場調整、米国QE縮小観測、米国5月雇用関連指数、日本5月上旬貿易収支
この1週間は日本の株価やドル円が激しい調整に見舞われました。
注目の水曜日のバーナンキ議長の議会証言では予想通りに同議長のハト派色堅持姿勢が確認されましたが、市場に大きな影響はなく、むしろ23日(木)も日経平均は16,000円一歩手前まで続伸し、ドル円も103円台半ばで堅調を維持しました。
しかし同日発表された中国の5月HSBC製造業PM(速報値)が7カ月ぶりに49.6と50を割って景気の縮小を示したのが直接のトリガーとなり、割高感のあった日本株に売りが殺到。インデックスもストップロスを巻き込みながら結局瞬間的に1,400円安、終値ベースでも1,143円安という、2000年4月のITバブル崩壊時の暴落以来の下げとなりました。
日経平均は直近の高値15,942.60から続落して、本日は一時14,000近辺まで続落しています。
5月は過去の前例から”Sell in May”とか"5月の嵐”とか言われて株価の調整観測が以前からありましたが、結局月後半になって調整が牙をむいた感があります。
ただ今のところ世界同時株安の様相はなく、むしろ昨年末以来最も上げのきつかった日本株(日経平均は80%上昇)やドル円に調整が入ったというところです。
因みにドル円及び円クロスの直近の高値からの下げ幅は:
ドル円 103円台後半→100円台半ば
ユーロ円 133円台後半→130円近辺
ポンド円 156円台後半→151円台後半
豪ドル円 105円台半ば→97円近辺
NZドル円 86円台半ば→81円台前半
カナダドル円 101円近辺→97円円台前半と資源通貨の下げ幅が大きいようです。
5月の為替相場の特徴として円安と共にドル高がありましたが、その主因は米国の量的緩和(QE)の縮小観測にありました。ただバーナンキ議長の議会証言で同議長は慎重なスタンスを継続しており、ここに来て他のハト派理事や地区連銀総裁のハト派発言もあり、QE縮小観測はやや後退した感があります。
米国景況が日米を上回っていることは確かですが今後の米国指標、中でも5月の雇用関連指数が重要視されます。
28日発表の消費者信頼感の中の雇用関連指数や31日の5月シカゴ購買部協会景気指数の雇用指数の内容、新規失業保険申請件数、更には30日の米Q1GDP(改定値)に注目です。
また日本サイドでは30日に発表される5月上旬貿易収支(依然として大幅赤字予想)が注目されますが、一方ドル円相場では97.00-104.00の”ダブルノータッチオプション”の存在も指摘されており、両サイドではオプション防衛のためのドル買いとドル売りが出るとの観測もあります。
日経平均は高値警戒感で一旦値崩れしており、暫くは買い警戒感が残るでしょう。
したがってドル円もまだ底値を確認したとは言えませんが、日米金利・景気格差の存在は動かし難い事実であり、いずれ再び上昇トレンドに戻るものと思われます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9711-0.9842 AUDYEN 97.13-100.94
今週の予想レンジAUDUSD 0.9500-0.9800 AUDYEN 96.00-99.00
今週豪ドルは対米ドル依然軟調、対円で弱保合でしょう
先 週豪ドルは軟調推移しました。
火曜日に発表されたRBA理事会議事録にける文言「5月の理事会で緩和余地の一部を活用すべきと判断」が更なる利下げの憶測を呼びました。
5月に入ってからRBAの利下げがあり、14日には緊縮型の連邦予算案が発表されました。
資源投資ブームのピークアウト観測が絶えず、加えて豪ドル高が企業収益を圧迫していることが金融当局からも指摘されました。
加えて米ドル全面高地合いが継続しており引き続き豪ドルは対米ドルで軟調地合が継続するでしょう。
また対ドルのみならず、対ユーロ、NZドル、円などその他通貨に対しても足元豪ドル軟調地合が続くものと予想します。
今週木曜日発表予定のQ1民間設備投資(CAPEX)が前期に続いてマイナス(前期は-1.2%)となる場合には、更に資源投資への悲観的な見方が強まるでしょう。
ただ筆者が中期的には豪ドルが再び堅調地合を取り戻すと予測する理由は、
・世界経済は今年から来年にかけて回復基調となると予想されること。
・豪州の異常とも言える資源ブームは終わっても、世界的な資源需要が大きく後退するとは考えられないこと。
・欧州ソブリンリスクが後退し、市場のリスク許容度が増加傾向にあること。
・中国経済は巡航速度に落ち着いた後も、潜在的な資源需要は高いと予想されること。
・一次産品輸出国でありかつ経常赤字国豪州は潜在的にインフレ上昇懸念を孕んでおり、RBAとしても過度の金融緩和は回避するものと思われること。
などです。
ムードで動く豪ドルは未だ下値確認をした訳ではありませんが、徐々に底入れを予想します。
下値ターゲットは 豪ドルドル 0.9500、豪ドル円 95.00当たりでしょうか。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/