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シドニー発豪ドル見通し (2013年6月3日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

6/1(土)中国5月製造業PMI 50.89(予想50.0、前回50.6)

6/3(月)中国5月非製造業PMI、豪州4月小売売上高、5月ANZ求人広告、豪州Q1企業収益、ユーロ圏5月PMI、米5月ISM製造業景気指数、FRB副議長・SF連銀総裁講演

4(火)RBA理事会、豪州Q1経常収支、ユーロ圏4月PPI、連銀総裁講演(カンザスシティー、ダラス)

5(水)豪Q1GDP、ユーロ圏Q1GDP確報値、米5月ADP雇用者数、米5月ISM非製造業景気指数、米地区連銀経済報告書(ベイジュブック)

6(木)豪4月貿易収支、BOE理事会、ECB理事会、米新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀総裁講演

7(金)日本5月上中旬貿易収支、米5月雇用統計

 

 

マーケットの焦点

キーワード:日本株高・円安局面の調整、米5月雇用統計、アベノミクス成長戦略第三弾、中銀会合(RBA、BOE、ECB)

この1週間は世界的に株価の調整局面が継続し、商品相場も軟調地合で全体的にリスク回避色が強い展開となりました。

発表された米指標(Q1GDP改定値、失業保険)は不冴えであり、欧州では失業率などの弱さが目立ち、今週のECB理事会での利下げ観測も聞かれました。

またインドの成長率は5%に鈍化し、週末に発表された5月の中国製造業PMは50.8とまあまあでしたが、依然として中国株も軟調です。

またFRBによるQE縮小観測がやや後退し、米ドル全面高にも修正が入りました。

ドル円は103円台から100円台前半に下落し、ユーロ円も130円台、ポンド円152円台、豪ドル円96円台、NZ円79円台など円クロスも軒並み反落しています。

ただドルは対ポンドやユーロや円ではやや軟調、豪ドルなど対資源通貨では堅調と、ドル自身もマチマチの動きとなりました。

今週から来週にかけてはRBA・BOE・ECB理事会などの中銀会議における金融政策の行方と5月米雇用統計をはじめ多くの指標が発表され注目されます。

5月前半はECBの利下げと弱い欧州指標、日本のアベノミクスを好感した日経平均の大幅上昇、更には米景気回復期待とNYダウの史上高値更新などが市場の焦点で、特に日米の株高とリスク選好の円安・ドル高が顕著となりましたが、5月後半にかけては大きな調整局面となりました。

6月に入って再び日欧米3極のファンダメンタルズと金融政策に注目したいところです。

この中で日本は安倍政権の成長戦略を見極める展開となります。第一弾女性の活用、第二弾農業・産業の競争力強化と来ましたが第三弾としてインフラ投資に民間資金活用(PFI)や規制緩和措置が打ち出されるか?あるいはサプライズとして法人減税実施などに言及されるか?

米国サイドではやはり7日(金)の雇用統計の改善が継続するかが注目されます。

日本株買い・円売りの流れはかなり修正されましたが、基本的な日本の貿易赤字拡大基調(エネルギー輸入の増加)や日銀による金融緩和姿勢の堅持という背景があり大きな円安トレンドは変わらないでしょう。

ただ足元、再び円安地合に戻るには米雇用統計の改善(ドル高)や東京株式市場の堅調回復が必要でしょう。

 

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9528-0.9697 AUDYEN 96.06-99.08

今週の予想レンジAUDUSD 0.9550-0.9750 AUDYEN 95.50-98.50

今週豪ドルは徐々に底入れでしょう

先 週豪ドルは軟調地合が継続しました。

対ドルや円のみならず、対ユーロでは2011年11月以来の0.73台まで下落し、対NZドルでは2009年1月来の1.18台まで下落しました。

ただ対NZドルではNZ準備銀行からの「介入拡大の用意」発言を受けて1.21台まで反発しています。

豪ドル軟調の背景は資源ブームピークアウト観測と、それに伴うRBAの更なる継続利下げ観測です。

先週発表された注目のQ1民間設備投資(CAPEX)は前期比-4.7%(予想+0.8%、前回-2.1%)と予想を上回る悪い数字でした。

ただ内容的には2013-14の予想投資額が$156bioと3か月前より3.4%増加しており、資源ブームの落ち込みはやや悲観的過ぎとの見方も散見され、豪ドルはその後やや反発しました。

今週は何と言っても明日のRBA理事会が注目されますが、このCAPEXの数字を受けて利下げ予想は30%から18%に落ちました。

個人的にはRBAは据え置きして暫く様子見に回るように思います。

今週はこのほかにもQ1経常収支、GDP(前回は前期比+0.6%、前年比+3.1%)、4月貿易収支などが発表されます。

因みに本日発表された4月小売売上高は前月比+0.2%(予想+0.3%、前回-0.4%)とまずまずでしたが、5月ANZ求人広告は-2.4%(予想-1.7%、前回-1.35)と相変わらず軟調、また企業収益は+3.0%(予想+1.5%、前回-0.5%)でした。

豪ドルは国内要因のみならず、主要国の株価や商品相場、そして中国諸指標にも大きく影響されます。

5月初からかなり厳しく調整下落した豪ドルですが、そろそろ底値確認も近いように思います。

 

それでは Have a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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