今週の主な予定、イベント
6/10(月)日本Q1GDP(第二次速報)、日本4月国際収支、セントルイス連銀総裁講演、上海市場端午節で12日まで休場
11(火)日銀金融政策決定会合、英4月鉱工業生産
12(水)日本4月機械受注、英5月失業率、ユーロ圏4月鉱工業生産、香港市場端午節で休場
13(木)NZ中銀理事会、豪5月雇用統計、ECB月報、米5月小売売上高、新規失業保険申請件数
14(金)日銀議事録、成長戦略が閣議決定される見通し、ユーロ圏5月CPI、米5月PPI、鉱工業生産、設備稼働率
マーケットの焦点
キーワード:日本株高・円安局面の継続?調整一服?日本の景況(国際収支、GDP)と日銀会合、年金基金の投資動向
この1週間は株式市場、為替相場ともに激しい乱高下となりました。
というか株式市場では結果的にNYダウは上げに転じて越週しましたが、その他日欧、中国など総じて値を下げて終わりました。
NYダウは金曜日の5月雇用統計後に200ポイント戻しましたが、前日には5月後半の史上高値15,542.40ドルから一時14,900ドル割れに下落、日経平均も5月後半の高値15,942.60円から先週は一時13,000円割れまで3000ポイント調整反落しました。
通貨市場では最近の軟調な米経済指標からFRBによる早期QE縮小観測が後退して米ドルが下落。
一方アベノミクス第三弾.への失望感もあり日本の株価下落が主要国中一番厳しく、リスク回避の円買いも出回りました。
ドル円は金曜日の米雇用統計発表(失業率が7.6%に悪化)直後95円割れまで下落し、円クロスも豪ドル円90円台半ば、ユーロ円126円台前半、ポンド円148円台半ば、NZドル円75円台後半など円全面高となりました。
しかし米雇用統計通過後はむしろ非農業部門就業者数(NFPR)の予想を上回る伸びが着目されて円も売り戻され、今週はドル円98円台半ば、豪ドル円92円台後半、ユーロ円130円近辺などにあげるなど、今週も相変わらず不安定な相場展開のようです。
日米を中心にはたして株価調整が一服したのか?これが今週の市場の焦点となります。その意味で日本の経済指標と11日の日銀会合が注目されます。
今朝発表されたQ1GDP(二次速報値)は前期比年率で前回の+3.5%から+4.1%に上方修正され、また注目のデフレーター(インフレ指数)は予想・前回の-1.2%から-1.1%にやや上昇し、デフレ脱却に希望を持たせました。
また4月の貿易収支は-8,188億円と予想を-7,299億円を上回り、前回の-2,199億円から大幅に赤字幅が拡大しました。経常収支は+7,500億円と所得収支の増加を反映して予想の+3,500億円を上回りましたが、前回の12,512億円からは大幅に黒字が減少しています。
いずれにしてもファンダメンタルズ・円需給面からは円安トレンドに変わりはありません。
また11日の日銀会合では黒田金融政策第二弾として長期資金供給オペ(LTRO)の導入か否かを見極めることになりますが、導入となれば国債市場安定化要因として円売り材料視され、一方導入が見遅られる場合には、再度円の”失望買い”を誘う可能性があります。
金曜日には年金積立金管理独立行政法人(GRIF)の資産運用弾力化計画が発表されましたが、外貨資産へ最大投資される場には10兆円規模の増額となる点今後もその動向を注視する必要があります。
米景気指標の軟調から早期量的緩和縮小観測は後退していますが、今回のNFPRの増加(+175千人)は予想を上回り、今年になってからの伸びは平均200千人を上回るなど、雇用改善の方向に向かっていることは確かです。また、懸案事項であった米住宅産業が回復基調にあり、更にはシェールガス革命などを考えると、やはり米国のファンダメンタルズは他の主要国に勝っており、早晩米ドル堅調地合に戻るものと考えます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9429-0.9791 AUDYEN 90.55-97.36
今週の予想レンジAUDUSD 0.9350-0.9650 AUDYEN 91.0-94.00
依然ベアセンチメント残るものの徐々に底入れでしょう
先 週豪ドルは依然として売り圧力強く、まだ底値確認とはいきませんでした。
RBA理事会では大方の予想通りに金利据え置きとなりましたが、<声明文>では依然として豪ドル高に言及し、「インフレが落ち着いた状況であり、必要とあれば更なる金融緩和の余地」と述べたことから金利先安感が払拭できないことも豪ドルにとっての重石となりました。
また世界的に株価が不安定であったことからリスク回避の円買いが強まったことも豪ドル円を大幅に押し下げました。
先週末に発表された中国5月の貿易収支(輸入が0.3%減)や鉱工業生産が冴えない内容であったこと事から今朝豪ドルは一時0.94台、92円台を割っていますが、その後は0.94台半ば、92円台後半にやや反発しています。
今週の豪州サイドの主なイベントは木曜日の5月雇用統計です。前回は失業率は予想値5.6%に対して5.5%、就業者集は+11千人に対して+50.1千人と非常に強い数字でしたが、本来”ブレ”の大きな数字であり、5月分は反動が危ぶまれます。
5月初の利下げ(→2.75%)以来、資源投資ブームのピークアウト観測と金利先安感で大幅に下落(今年に高値1.05台後半→0.94台前半、105円台半ば→90円台半ば)した豪ドルで、いまだベアセンチメントに著変ありませんが、資源ブームについても豪州の一人勝ち状態は今後無理にしても、世界経済の動向がむしろ欧州危機の痛手から回復過程にあることから今後資源需要が一方的に落ちこむことは考え難く、更には豪州の景気格差・金利格差は依然として先進国中最高水準であることなどから、過度の豪ドル悲観論も徐々に修正されるものと考えます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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