今週の主な予定、イベント
6/17(月)安倍首相欧州歴訪、米6月NY連銀景気指数、北アイルランドG8(~6/18)
18(火)RBA議事録、日本4月鉱工業生産、英5月CPI、独6月ZEW景況感指数、米5月住宅着工・建設許可、ドラギECB総裁講演、オバマ大統領独訪問
19(水)NZQ1経常収支、安倍首相経済について講演、日本5月通関ベース貿易収支、英中銀議事録、米独首脳会談、FOMC(結果発表は20日(木)早朝)
20(木)中国6月HSBC製造業PMI(速報値)、NZQ1GDP、英5月小売売上高、米5月中古住宅販売、米5月景気先行指数、新規失業保険申請件数、ユーロ圏財務相会合
21(金)NZQ1GDP、黒田日銀総裁講演、EU財務相理事会
マーケットの焦点
キーワード:日本株高・円安局面の継続?or 調整一服?北アイルランドG8、FOMC、年金基金の投資動向
先週も基本的には世界的に株価の調整が継続し、為替市場ではドル安・円高が進行しました。
木曜日にNYダウが大幅上昇して今回の株下げ、ドル円下げも一巡か?と思われましたが、予想は甘かったようで金曜日には全般的に米経済指標が冴えず、加えて今週の多くのイベント(G8、FOMCなど)を控えて、再びドル円が94円近辺、豪ドル円が90.00近辺、ユーロ円が125.20まで売られ、今回の“リスク回避の円買い”の根の深さを見た気がします。
本日まで開催される予定の北アイルランドG8の声明文は既に発表されていますが日本には構造改革や中期的な財政政策の明示という宿題は課されたものの、アベノミクスには一定の理解が示されたようです。
市場は18-19日の米FOMCを注目しており、ポイントは資産購入プログラムの縮小が協議されるか否かにあります。
ただFRBのウオッチャーでバーナンキ議長のスポークスマンとも言われるヒルゼンラス氏は最近のレポートで「FRBがQE縮小を始める際に過剰反応しないように投資家を説得してきており、購入プログラムの調整がたとえ行われても債券購入を一気に終了するという言う意味ではない」旨を強調しており、市場を混乱に陥れるような発言はバーナンキ議長の口からは出ないでしょう。
ただ米長期金利は今年4月くらいから上昇基調にあり、市場のQE縮小を織り込む動きは止まらないでしょう。
たとえ資産購入プログラム縮小の決定がされなくても、バーナンキ議長が出口戦略への工程表を説明するだけでも、市場は再び金利上昇方向に反応する可能性があります。
一方QE堅持の姿勢が示される場合は、長期金利の上昇は抑制され米ドル軟化要因となりますが、一方株価上昇材料となりこれは米ドルのサポート要因となるため、ドル相場は複雑な動きとなる可能性があります。
また今回はFOMCメンバーによる経済予測が発表されます。最近の米経済指標が堅調であるため、ある程度楽観的な内容となる可能性があります。
ドル円は93円台をつけるなど相変わらず上値の重い展開ですが、G8を無事通過し、FOMCによって何らかのQE縮小シグナルが出されれば、センチメントは再び円安方向に戻る可能性があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9326-0.9666 AUDYEN 88.93-93.54
今週の予想レンジAUDUSD 0.9400-0.9700 AUDYEN 89.00-93.00
引き続きベアセンチメント残るものの徐々に底入れでしょう
先週豪ドルは各種国内指標(NAB企業信頼感、WESTPAC消費者信頼感、5月雇用統計など)がまずまずの結果であったにもかかわらず、世界的な株価の軟調によるリスク回避の動きや、資源ブーム終了や金利先安観などの悪材料をを嫌気して軟調地合が継続し、0.93台前半、88円台まで下落したあと、今週は一時0.96台、91円台にやや反発しています。
特に豪ドル円は本邦個人投資家の買い意欲が90円割れで見られますが、
ただ彼らにとっても“できるだけ安く買いたい”訳で、底値を確認するまではまだ本格的に買い出動とはならないでしょう。
本日発表された6月のRBA議事録では「当面は現行の金融政策が適切」としながらも「インフレが落ち着いていることから更なる利下げ余地」、「豪ドルは著しく下落したが、交易条件を勘案すると依然割高」と述べています。また今回新たに「日本の外債投資比率の増加は豪ドルレートや金利水準に影響を与える可能性」を指摘している点が注目されます。
豪ドルは今年の高値1.05台、105円台から0.93台、88円台まで既に大幅に調整反落しており、中期的には底値圏を形成していると思われます。
ただ中国景況の不透明感はぬぐえず、したがって資源価格の軟調が続いているために豪ドルが反転するのはもう少し先となりそうです。
またポジション的にはシカゴIMMの通貨先物豪ドル売りポジションが6万3千枚に増えており、市場の短気筋の売りポジションの大きさを感じます。
今週豪州サイドでは大きな指標の発表がありませんが、日米の株価が底打ちするようであれば、むしろ豪ドル売りポジションの買い戻しが出る可能性には留意したところです。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/