今週の主な予定、イベント
7/1(月)日銀6月短観、中国6月製造業PMI、HSBC6月製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数、英中銀カーニー総裁就任、香港市場休場
2(火)RBA理事会、ユーロ圏5月PPI、米5月製造業新規受注、米6月自動車販売台数
3(水)豪5月小売売上高、中国6月非製造業PMI、ユーロ圏5月小売売上高、米新規失業保険申請件数、米株式/債券市場は短縮取引
4(木)参議院選公示見通し、黒田日銀総裁挨拶要旨公開、BOE政策会議、ECB政策会議、米独立記念日で休場
5(金)米6月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:米国のQE縮小観測、中国金融市場の混乱、米6月雇用統計、欧州(英国、ユーロ圏)利下げか?
先週は前週のFOMCでQE(量的緩和)縮小観測が高まったことや中国金融市場の流動性懸念などからリスク回避の動きが強まり、上海総合指数は一時4年ぶりに1900を割り、日経平均が12,500円台、NYKダウが14,500ドルなど下落しました。
またこのリスク回避の動きは商品相場にも影響して金属相場中心に大幅し、特に金貨価格はストップロスの売りオーダーを巻き込みながら一時1200ドル割れまで下落しました。
しかしその後FRB当局が事態の収拾を狙って出口戦略に対して慎重な姿勢を繰り返したことや、中国人民銀行が流動性危機を否定するとともに市場に流動性を供給したことから、市場も徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。
為 替市場ではリスク回避の動きが先週強まり、ドル高・円高の流れが一時顕著となってユーロ、豪ドル、ポンドなどのリスク通貨が下落し、ドル円及び円クロスが 軟調となりましたが、週後半は市場が落ち着きを取り戻すとともいに”ドル高・円安”地合となり、ドル円は週の安値97円割れから99円台を回復して越週し ています。
今週もやはり市場の焦点は米国の金融政策(量的緩和縮小観測)と中国の金融市場動向にあります。
QE縮小観測は米経済の回復に 伴い起こるべくして起こってきた現象であり、たとえFRBが「QE縮小と利上げは別問題」とくぎを刺したところで、QE縮小が軌道に乗れば、当然のことな がら市場の実勢金利は利上げを待たずに上昇するでしょう。米国量的緩和(QE)の行方を占う上でも、金曜日の6月米雇用統計が注目されます。
中国人民銀行の流動性規制とも言える操作の背景には中国の不動産バブル懸念、過剰流動性、シャドウバンキング(帳簿に載らない融資)、地方債務や汚職など多くの病根があるのは確かです。
習近平主席体制になり中国政治経済の暗部にメスを入れようとしている訳で、方向性は正しいのでしょうが足元中国経済減速が更に悪化する可能性も否定できません。
また中国政府は数週間以内に鉄鋼や造船など生産能力が過剰になっている業界の再編に向けた新たな規律を打ち出す見込みと言われ、こちらも短期的には景気に影響を与えそうです。
今週は他の材料としても4日にはBOEとECB理事会が開催されます。先週のドラギECB総裁のハト派的発言や、カーニーBOE総裁就任に伴い欧州では再び金融緩和観測が高まっています。
今 朝発表されたQ2の日銀短観は市場予想をやや上回り大企業製造業・業況判断指数(DI)は予想+3、前回-8に比べて+4と久しぶりにプラスとなり、また 企業設備投資も予想+2.9%、前回-2.0%から+5.5%に改善しています。片や5日に発表される日本の6月上中旬貿易収支はLNGや原油などエネル ギー輸入の増大を背景に12カ月連続で赤字となり、しかも赤字幅は拡大ししそうです。
日本の経済政策(アベノミクス)、異次元の金融緩和に加えて、拡大する貿易赤字、更にはドル高トレンドから再びドル円が上昇する可能性があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9113-0.9339 AUDYEN 89.57-91.69
今週の予想レンジAUDUSD 0.9050-0.9350 AUDYEN 89.50-92.50
ベアセンチメント根強いが、徐々に底入れでしょう
先週の豪ドルは目立った国内指標などのイベントはなく、米ドルのアップダウンやリスク回避とその巻き戻しに翻弄される展開でした。
中国不安にもかかわらず、悪材料織り込み済みからか、週央に向けて0.93台前半、91円台後半を回復する局面もありましたが、結局金曜日には期末の持ち高調整の動きも見られて0.91台前半、90円台半ばまで反落しました。
ただ中国人民銀行の流動性供給以来、中国株価が下げ止まりから反発に転じていることや、主要国の株価堅調からリスク回避の動きにも一服感が見られ、週初は0.92台、ドル円の99円台後半への上昇を受けて91円台後半まで反発しています。
今週は上記のように米金融政策や雇用統計、及び中国情勢がキーポイントであり豪ドルは、主に株価動向や資源価格をにらみながら、底値圏で神経質な取引となるでしょう。
国内では明日のRBA理事会と3日の5月小売売上高がありますが、RBAは5月の利下げ以来暫くは様子見でしょう。
ラッド首相が労働党党首に返り咲きましたが、ギラードさんの弱いイメージが豪ドル安に拍車をかけていた面は否めず、その意味ではラッド政権誕生はある程度豪ドルサポート要因となるでしょう。
米ドル堅調地合が豪ドル米ドルの上値を押さえますが、反面豪ドル円が底入れすれば、再び本邦中心の個人投資家/機関投資家の買い需要が増加する可能性があります。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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