今週の主な予定、イベント
7/15(月)日本祝日(海の日)、中国Q2GDP、中国6月鉱工業生産/小売売上高、米6月小売売上高、米7月NY連銀製造業景気指数、FRBタルーロ理事講演
16(火)独7月ZEW景況感指数、ユーロ圏6月CPI、英6月CPI/PPI、米6月CPI/鉱工業生産/設備稼働率、カンザスシティー連銀総裁講演
17(水)日銀議事録、英6月失業率、英中銀議事録、FEDベージュブック、米6月住宅着工/建設許可、ラスキンFRB理事講演、バーナンキ議長議会証言(下院)
18(木)米新規失業保険申請件数、米6月景気先行指数、バーナンキ議長議会証言(上院)
19(金)モスクワG20
マーケットの焦点
キーワード:中国景気減速(Q2GDP)、バーナンキ議長のQE縮小観測牽制、バーナンキ議長の議会証言、G20
先週は水曜日のFOMC議事録発表とバーナンキ議長講演が市場の焦点となり相場は大きく動きました。
7月に入り米国の量的緩和縮小観測が高まっていましたが、FOMC議事録では早期QE縮小について意見が分かれており、続いて実施されたバーナンキ議長の講演では、今週の議会証言を控えて”驚きの発言はないであろう”との市場予想を覆し、同議長は5月、6月に見られたタカ派的とも取れる
”量的緩和縮小示唆”から一変し「予見できる将来の景気刺激策維持を支持」と述べました。
この発言を受けてNYKダウは15464ドルに史上高値を更新するなど世界的に株価は上昇しました。
一方為替相場ではQE縮小を織り込みながら進んでいたドル高の流れが一変し、ドルは対主要通貨で大幅反落しました。
ドル円は一時98円台前半、ユーロは1.32近辺、ポンドは1.52近辺、豪ドルは0.93近辺まで、主要通貨が対米ドルで買い戻されました。
ただドル売り戻し一巡後は、さすがにその他通貨も買い安心感ある訳ではなく、ポジション調整後は再びドル円99円台、ユーロ1.30台、ポンド1.51台、豪ドル0.90台などに反落しています。
今週も注目イベントが盛りだくさんです。
今朝発表された中国のQ2GDPは+7.5%(前年比、予想+7.5%、前回+7.7%)、’6月小売売上高+13.3%(前回+12.9)、/鉱工業生産8.9%(前回+9.2)でした。先週末中国の桜財政相は「今年後半の成長は7%を大きく下回る可能性、また前半も7.7%を若干下回るだろう」と景気減速予想を表明し、Q2も6.5-6.7%に大幅減速するとの悲観的な見方もありましたが、まあ7.5%予想程度に落ち着いた感じです。
桜財政相は景気が大きく目標より減速しても容認する構えで、バブル退治の姿勢を強調しており、政府からの財政出動が期待薄であるいじょう中国の景気減速懸念は長引きそうです。
また米国サイドでは本日6月の小売売上高が発表されますが、注目は7/17-18のバーナンキ議長の半期に一度の金融政策についての議会証言です。
はたして先週に続くバーナンキショック第二弾となるか?
米国の量的緩和縮小観測については新興国からも懸念の声が出ており、今週金曜日のモスクワG20を控えて、バーナンキ議長としても1)新興国市場からの急激な資本逃避を阻止し、2)インフレが抑制されている現段階で米10年債利回りが早々に3%台に乗ることを避けたいとの思惑があるのでしょう。
ですから今週はもう一段のドル高修正を読む見方がある一方、基本的なドル高シナリオは変わらず、先週ドル高調整がかなり進んだことから、再度ドルリバウンドを読む見方もあり、相場観が交錯しています。
猶19日のモスクワG20においてはFRBの出口戦略に対する新興国の懸念表明が予想され、また中国の金融市場の混乱や、中東の地政学的懸念からの原油高などが議題となる予定です。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8998-0.9305 AUDYEN 89.69-93.07
今週の予想レンジAUDUSD 0.8950-0.9250 AUDYEN 89.00-92.00
再び軟調地合ですが、底値割れが阻止されるか?
先週はバーナンキショックがあり豪ドル相場も不安定な展開となりました。
発表された国内指標では6月のNAB企業信頼感が前回の-1から0に改善する一方、企業景況感は前回の-4から-8に悪化しています。
金融緩和や豪ドル下落にもかかわらず景況感は改善していません。
また6月の雇用統計では就業者数は±ゼロ予想に対して+10.3千人と予想を上回りましたが、一方失業率は5.7%と2009年9月以来の高水準となりました。
先週は米ドル急落により一時0.9300近辺まで買い戻された豪ドルですが、中国懸念に加えて企業景況感の悪さや4年ぶりの失業率の高さから再び8月利下げ観測が高まり、目先は頭の重い展開が予想されます。
またドル円が100円を維持できておらず、豪ドル安と相まって豪ドル円は再び90円を割る水準まで下げています。
一旦底入れが確認されればボーナスシーズンの本邦投資家や、海外中銀の豪ドル投資が再度活発化するのでしょうが、”底入れ確認”は容易ではないようです。
今週もバーナンキ議長の議会証言という波乱要因がありますが、豪ドルは新安値テストとの利食い買い戻しの動きが交錯して不安定な相場展開となりそうです。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/