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シドニー発豪ドル見通し (2013年7月29日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

7/29(月)黒田日銀総裁講演、米6月中古住宅販売成約件数

30(火)日本6月雇用統計・鉱工業生産、RBA総裁講演、スペインQ2GDP速報値、米5月ケースシラ∸住宅価格、米FOMC

31(水)独7月雇用統計、ユーロ圏7月CPI、米7月ADP雇用者数、米Q2GDP、米FOMC

8/1(木)中国7月製造業PMI、ECB理事会、BOE理事会、米7月ISM製造業景況指数、米7自動車販売台数、米新規失業保険申請件数

2(金)臨時国会召集見通し、ユーロ圏6月PPI、米7月雇用統計、米6月製造業受注・個人所得支出、セントルイス連銀総裁講演

 

マーケットの焦点

キーワード:米国FOMC(フォーワードガイダンス)、米国Q2GDP、米国7月雇用統計、ポストバーナンキ、ECB/BOE理事会、欧州危機再燃(?)―ギリシャ・スペイン・ポルトガル

先週は前週のバーナンキ議長の議会証言、モスクワG20、週末の日本の参院選などのイベントが終わり、今週の米国の重要イベントを控えて市場は調整色の強い商いとなりました。

株価はNYKダウこそ15,500ドルの史上高値圏を維持していますが、日経平均は14,100円台に反落し、今週は13,800円を割り、欧州株も軟調です。

中国株は景気減速懸念から大幅に下落していましたが、先週は逆に小幅反発です。

為替市場ではバーナンキ議長議会証言後のドル高調整の動きが継続しドル円は97円台に下落し、ユーロは1.32台後半、ポンド1.54台前半、豪ドル0.92台後半などいずれも米ドル軟調です。

またドル円の大幅下落を反映して円クロスは総じて軟調となっています。

今週は上記のように”米国week”です。

・FOMCではフォーワードガイダンス(将来の金融政策指針)が改善されるとの憶測を呼んでいます。つまり出口戦略の指針となる失業率を従来の6.5%から6.0%に、またインフレ率目標を2.5%から1.5%に引き下げ、より長期間緩和政策を継続する姿勢が示されるとの思惑で、これが米ドル軟調の背景にあります。

・31日に発表される米Q2GDPは前回の前期比年率+1.8%から+1.0%に減速予想であり、+1.0%を割り込むようであればネガティブサプライズで米ドルが売られるでしょう。

・8/2日には7月雇用統計が発表されますが、予想は失業率7.5%(前回7.6%)、NFPR+184千人(前回+195千人)です。改善傾向を予想していますが、その前に開催されるFOMCで出口戦略の基準値を6.5%から6.0%に改善するようであれば、7%台の失業率は”まだまだ高い”との認識であり、QE縮小観測が遠のく可能性があります。

また世界経済の回復がはかばかしくない中、欧州債務危機の再燃を懸念する声が大きくなりつつあります。

特に最近のブラジル経済は高インフレと景気減速の影響を受けており、そのブラジルへの銀行融資残高が主要国中最大規模であるスペインの金融機関に対する不安が再び頭をもたげてきている兆候があります。

このように今週は米国週間で多くのイベントがありますが、どちらかと言いますと年央にかけて高まった米景気回復期待・量的緩和縮小観測が後退して、むしろ米景気や世界経済に対して慎重な見方が増えつつあり、いわゆる”リスク回避の動き”が高まるようであれば再びドル円の上値が重くなる展開も予想されます。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9128-0.9318  AUDYEN 90.57-92.73

今週の予想レンジAUDUSD 0.9150-0.9350  AUDYEN 89.50-92.50

今週の豪ドルは対米ドル堅調、対円軟調でしょう

バーナンキ議長の議会証言後も”早期量的緩和縮小観測”が後退して米ドル軟調の流れとなり、豪ドルは一時93セント台まで上昇しましたが、ドル円の下落から豪ドル円は90円台で軟調推移しています。

先週発表された国内指標ではQ2CPIが注目されました。

結果はヘッドラインインフレーション(全項目)がRBAのインフレターゲット2-3%に対して前年比2.4%(予想2.5%、前回2.5%)、RBAが重視するアンダーライイングインフレーション(刈り込み平均値と加重中央値の平均)は2.4%(予想2.25%、前回2.4%)とほぼ予想範囲でした。

最近の豪ドル安やガソリン・エネルギー価格の急上昇にもかかわず意外と落ち着いた数字で、再び8月利下げ観測が高まっており(市場は75%利下げを織り込み済み)、豪ドルの上値をチェックしています。

また発表された7月の中国HSBC製造業PMは47.7(予想48.2)と11カ月ぶりの低水準となり、これも豪ドルの上値を重くしています。

ラッド政権による炭素税廃止の発表や、最近の豪ドル安から8月利下げ観測が一旦後退しましたが、再び追加利下げ観測が高まっています。

日欧米それぞれが再び金融緩和継続に傾きつつある中にあって、インフレ懸念がほとんどない豪州も世界的な緩和の流れに乗って行く政策なのかもしれません。

いずれにしても豪ドルが堅調地合を回復するには中国をはじめとした世界経済が回復基調となることが前提条件となります

個人的には中国はじめ世界経済見通しはやや悲観的過ぎと思っており、豪ドル先安観も行き過ぎであると思いますが、市場が悲観シナリオを描く以上、足元はなかなか豪ドルの買い手が現れないのも事実と言えます。

 

それでは Have a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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