今週の主な予定、イベント
9/9(月)日本Q2GDP二次速報値、日本7月国際収支、中国8月CPI・PPI、サンフランシスコ連銀総裁講演
10(火)日銀議事録、中国8月小売売上高・鉱工業生産、シリア問題でオバマ大統領国民向け演説
11(水)NZ中銀理事会、英8月失業率、世界経済フォーラム夏季ダボス会議(~13日、中国大連)
12(木)豪州8月雇用統計、ECB月報、ドラギECB総裁講演、米新規失業保険申請件数
13(金)日本7月鉱工業生産、米8月小売売上高・PPI、ユーロ圏財務相会合
14(土)EC財務相理事会
マーケットの焦点
キーワード:シリア情勢、豪州政権交代、オリンピック開催地東京に決定、米国量的緩和縮小観測、日本の消費増税問題、新興国市場不安(資金流出)、次期FRB議長人事
先週はシリア問題はくすぶり続けましたが、中国景況期待や米国景気(特に金曜日の雇用統計)に対する楽観的な見方から世界的に株価は堅調に推移し、為替相場ではドル高/円安の動きが顕著となりました。
またこの週末にかけては大イベントが続きました。
まず金曜日の米8月雇用統計は失業率こそ予想よりやや良い7.3%に改善しましたが、非農業部門就業者数は予想ほど伸びず、加えて6月・7月分が下方修正されるなど冴えない内容となり、ドル円は100円近辺から99円割れまで急落しました。
また土曜日に実施された豪州総選挙では保守自由連合が大勝して6年ぶりに労働党から政権交代となりました。
更に2020年オリンピック開催地が東京に決定し、日本経済に新たな希望を与える結果となりました。
金曜日の米雇用統計は冴えなかったものの、日本のオリンピック開催決定や更には豪州における政権交代を受けて月曜日早朝にドル円は一時100円越え(金曜日NY引け値は99.11)まで上昇し、豪ドル円も先週のニューヨーク終値目91円近辺から一時92円近辺まで上昇しました。
ただその後は大幅上昇した日経平均が反落したこともありドル円、円クロス共にやや伸び悩んでいます。
日本のオリンピック開催決定はやはりインフラ整備やサービス業に大きな活力を与える、アベノミクスのデフレ払拭政策第二弾として期待されます。
また今朝発表の日本のQ2GDP(第二次速報値)は速報値の+2.6%(前期比年率)から+3.8%に上方修正され、加えてオリンピック決定による景気浮揚効果により消費増税(予定では来年4月に8%に増税)へ弾みがつくものでしょう。
ただシドニーやアテネ五輪の後で両国とも経済がスローダウンしているのも事実であり、一時的なカンフル剤効果に留まらないように留意すべきであり、また放射能問題など国際社会へのコミットメントを今後遵守する義務が生じた点も軽視できません。
週末のイベントを消化し今週は引き続き米経済動向が焦点となります。
雇用統計を受けて9月QE縮小観測は後退していますが、一方バーナンキ議長の後任人事もそろそろ固まる可能性があり注目されます。
ハト派のイエレン副議長かタカ派のサマーズ元財務長官かによってFRBの出口戦略も大きく異なってきます。
シリア情勢では先週のG20では米国とロシアがシリアのアサド政権による化学兵器の使用に対して意見が真っ向から対立したまま物別れとなりました。今週はオバマ大統領の国民向け演説や米議会の軍事介入の承認の有無、更には国連の調査結果発表などが予想され目が離せません。
いずれにしてもシリア問題の長期化・泥沼化は市場にとって悪材料と判断すべきです。
その他今週は中国の諸経済指標(8月CPI、PPI、鉱工業生産、小売売上高)が発表になりますが、良化した景況感(PMI)が出た後の実態経済指標が注目されます。
市場センチメントは改善しつつありますがシリア問題はじめ、まだ不安材料も混在している状態です。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8925-0.9216 AUDYEN 87.77-91.58
今週の予想レンジAUDUSD 0.9000-0.9300 AUDYEN 90.00-93.00
今週の豪ドルは利食いをこなしつつ堅調推移でしょう
先週の豪ドルは反発・上昇しました。
発表された中国の8月製造業・非製造業PMIが軒並み50を上回って拡大基調に戻ってきたことが支援材料となり、また政権交代への期待感も豪ドルを支えました。
豪ドルは前週の安値88セント台、86円台から92セント台、91円台まで大幅上昇しました。
また豪ドルは対ユーロでも最近の安値0.66台から一時0.70台、豪ドルNZドルが1.12台から1.16台まで反発するなど全面的に回復基調となりました。
国内指標では7月の小売売上高(+0.1%)や貿易収支(-765mio)が冴えない一方、7月住宅建設許可件数は+10.8%と14カ月ぶりの高さとなり、Q2GDPは前年比+2.6%(予想+2.4%、前回+2.5%)と予想を上回りました。
また週末の総選挙では保守自由連合の圧勝となりましたが、これは市場かなり織り込んでいたか豪ドル相場に大きな変化はありません。(現在0.9200、91.50近辺)
引き続き今週発表される中国諸指標が注目されますが、一方アボット新政権の政策発表にも注意を払いたいところです。
また国内指標では12日(木)発表予定の8月雇用統計が注目されます。(先月は失業率5.7%、就業者数-10.2千人)
豪ドルは徐々に底入れから反発地合を予想しますが、足元既に買いポジションも溜まりつつあり、92~93セント台、92円~93円台では利食い売りの動きも活発化するでしょう。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/