今週の主な予定、イベント
9/16(月)日本”敬老の日”祝日、ユーロ圏8月CPI、米8月鉱工業生産、米9月N連銀製造業景気指数、ドラギECB総裁講演
17(火)独9月ZEW景況感指数、米8月CPI、米9月住宅価格指数
18(水)英中銀議事録、米8月住宅着工件数、米FOMC(バーナンキ議長経済予測発表)
19(木)黒田日銀総裁全国証券大会で挨拶、日本8月貿易収支、中国20日まで中秋節で休場、米8月中古住宅販売件数、米8月景気先行指数、米新規失業保険申請件数
20(金)中国休場、黒田日銀総裁講演、地区連銀総裁講演(セントルイス、ミネアポリス、カンザスシティー)、APEC財務相会合
21(土)独連邦議会選挙
マーケットの焦点
キーワード:米国FOMC(9/17-18)での量的緩和縮小の有無、FRB議長後任候補サマーズ氏辞退、シリア情勢、日本の消費増税問題、新興国市場不安(資金流出)
先週はシリア軍事介入懸念が弱まったことや、前週の弱い米8月雇用統計を受けて米国の量的緩和縮小観測が後退したことから主要国の株価は上昇し、今週初も株価堅調でNYKダウ平均(オフショア)は15,540ドルまで上昇し、本日休場の日経平均(オフショア)も14,500円台に値を上げています。
一方中東リスク後退から原油価格は107ドル台に反落し、安全資産として1,420ドルまで買われた金価格も1330ドル台に反落しています。
為替相場ではドルが全般的に軟調推移しました。
週初は2020年東京オリンピック決定をはやしてドル円も100円台半ばまで反発しましたが長続きしませんでした。
前週の弱い8月米雇用統計に加えて、8月小売売上高や9月ミシガン大学消費者信頼感など軒並み不冴えでQE縮小観測が後退していたところに、昨日米国タイムにバーナンキFRB議長の有力後任候補とされたラリー・サマーズ氏が議長候補辞退を申し入れたことから、今朝早朝ドル円は一時98円台半ばに急落し、ユーロは1.33台後半、ポンドは1.59台半ば、豪ドルは0.93台後半などドル全面安となっています。
日本サイドはオリンピック決定に加えて発表されたQ2GDPが前期比年率+3.8%に上方修正され、また安倍首相が経済政策パッケージ・成長戦略第二弾の策定を指示したことも好感されましたが、今後は10月上旬に骨子が固まる消費増税問題に焦点が移ります。
また米国は17/18のFOMCにおける量的緩和縮小開始の有無や、10/18に期日が到来する米連邦債務上限引き上げ協議が焦点です。
雇用はじめ最近精彩を欠く米経済指標ですが、来年1月に任期満了となるバーナンキ議長がFOMCで政策説明できるのはこの9月と12月のみであり、退任直前よりは9月に資金購入プログラムの縮小(毎月の買い入れ額850億ドルを50-200ドル縮小?)の道筋をつけるのではないでしょうか?
また、そろそろ米国債務上限引き上げ論議が高まりますが、財政赤字削減はほぼ予定通りに進んでおり、今回の上限引き上げも最終的には承認されるでしょう。
シリア問題は今週にも国連のシリア化学兵器調査報告がなされる予定ですが、果たして使用したのはアサド政権側か、あるいはアサド政権やロシアが主張するように反体制派が使用したのか?
一般的にはアサド政権側との見方が優勢ですが、もし逆の結果となればイラク大量破壊兵器ミスに続いて米英政府の大失点となりかねません。
バーナンキ議長後任人事については、サマーズ氏は指名されても米上院の反発必至(自ら承認手続きで上院側から厳しい批判を受けると予想)として辞退し、ハト派のイエレン副総裁がフロントに出てきた感がありますが、オバマ政権としてもタカ派候補に代わって真逆のハト派候補指名というのはやや違和感があります。
今週も上記のように材料多く、相場の反応も複雑なものとなり予測が難しのも事実です。
ただ敢えて言えば、多少の凸凹はありますが米景気の回復基調は変わらず、FOMCではQE縮小開始が表明されるように思います。
また”早晩縮小開始”は市場織り込み済みであり株価の大きな下落には至らないように思います。
ドルはやや売られ過ぎの感があり、むしろ現レベルから底堅い動きを予想します。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9167-0.9354 AUDYEN 91.32-93.57
今週の予想レンジAUDUSD 0.9150-0.9450 AUDYEN 91.00-94.00
今週の豪ドルは先週同様利食いをこなしつつ堅調推移でしょう
先週の豪ドルは対米ドルで上昇しましたが、対円ではドル円軟調を受けて揉み合いとなりました。
先週末の総選挙では久しぶりに保守自由連合が下院で安定過半数を確保したことが好感され91セント台、91円でオープン後堅調裡に推移しました。
発表された国内指標では8月NAB企業信頼感や9月WESTPAC消費者信頼感などのいわゆるセンチメント系は政権交代や低金利を好感して上昇しましたが、前週の冴えない7月小売売上高に続いて8月雇用統計も失業率が5.7%から5.8%に悪化し、就業者数は+10千人の予想に対して-10.81千人と弱い結果になりました。
ただ政権交代への期待感や米ドル軟調を受けて対ドルでは93セント台に上昇し、今朝のサマーズ候補辞退の報で一時94セント近辺まで上昇。
一方豪ドル円はドル円の反落と相殺し合って92円台前半での揉み合いとなっています。
今週は国内では大きなイベントがなく、やはり米FOMCとシリア情勢が焦点ですが、米国量的緩和縮小が打ち出される場合には、豪ドルドルの上値は抑えられますが、最近の中国景況の改善などセンチメントがいいだけに下値も限定的でしょう。
その分豪ドル円は上げ余地があるように思われます。
またアボット政権の主要政策も徐々に公表されますので注視したいところです。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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