今週の主な予定、イベント
10/21(月)日本9月通関ベース貿易収支、米9月中古住宅販売、黒田日銀総裁挨拶
22(火)米9月雇用統計、独連邦議会招集
23(水)豪Q3CPI、英中銀議事録M、米8月住宅価格指数
24(木)政府月例経済報告公表、中国10月HSBC製造業PMI、米9月新築住宅販売件数、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議(~25日)
25(金)日本9月全国CPI、独10月ifo景況感指数、米9月耐久財受注、米10月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:米政府機関閉鎖の影響、米9月雇用統計、日本9月貿易収支、日本9月コアCPI、イエレン次期FRB議長、米量的緩和縮小観測の行方
先週は米連邦債務上限引き上げ期限や暫定予算を巡る財政協議の行方が市場の焦点でしたが、債務上限問題は現地時間16日深夜に債務上限引き上げ法が成立し、米国のデフォルトは直前で回避されました。
週を通して楽観的な見方が優勢となり、株式市場は高値圏を維持し、リスク選好の動きにドル円は一時99.00まで上昇し、円クロスも堅調推移しました。
しかし財政協議で合意を見た後はむしろ”SELL ON FACT”の動きが加速し、ドル円は一時97円台半ばに下落し、ユーロは1.37台、ポンドは1.62台、豪ドルは0.97手前とドル全面安となりました。
ドル安の理由は"SELL ON FACT"もさることながら以下の3つが原因と考えられます。
①財政リスク軽減と共に米債利回りが低下した。
②今回の財政合意は暫定措置であり、根本解決には至っておらず年末には再び混乱が繰り返される可能性がある。
③今回の政府機関一部閉鎖は16日間に上り、米経済への影響が懸念され、また量的緩和縮小が先送りされたという観測。
などです。
いずれにしても米財政問題を巡る政治的混乱には一応終止符が打たれた訳で、今後は再び米実体経済に目が移ります。
早速明日は政府機関閉鎖に伴い発表が延期されていた9月の雇用統計が発表予定です。
失業率は前回と同じ7.3%、非農業部門就業者数は前回の16.9万人から18万人への増加予想となっていますが、政府機関閉鎖の影響もあり10月の雇用統計(11月発表)は悪化するとの思惑が高まっています。
このような見方がある以上、10/29-30のFOMCにおける量的緩和縮小の可能性はかなり減少していると言えます。
一方日本サイドでは先週の臨時国会で成長戦略の確認がされましたが、今朝発表された9月通関ベース貿易収支は-9,321億円(予想-9,186億円、前回-9,629億円)と相変わらずの巨額の赤字であり、2013年度上期の貿易赤字は4兆9,892億円と過去最大です。
また25日(金)には日本の9月CPIが発表になりますが、前年比で8月の+0.8%から+0.7%にやや低下予想とはいえ、デフレからの脱却基調にあるかぎり、これまた円安基調をサポートするでしょう。
米経済は財政問題など不安材料はあるものの、依然として拡大基調にあり、再び量的緩和の縮小観測が出てくることが予想されるため、中長期的にはドル堅調を予想します。
一方視線を足元に落とすと、上記の三つのドル安要因もあり、目先はドルの上値が重い展開となることが予想されます。
また10月後半に米国の財務省半期為替報告書が発表になり、アベノミクスの結果としての円安に対する見解が聞かれるものとして注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9433-0.9678 AUDYEN 92.66-94.66
今週の予想レンジAUDUSD 0.9400-0.9700 AUDYEN 93.00-96.00
今週の豪ドルはやや利食いに押される展開でしょう
先週の豪ドル堅調予想は概ね正解でした。
まず米財政協議がらみでは、デフォルト懸念が高い状況では米ドル安の裏返しとしての対米ドルでの豪ドル高が顕著となり、楽観ムードが強くなると今度がリスク選好の豪ドル買いが活発化し、最終的に米ドルが反落した局面で再び米ドル安の受け皿として豪ドル堅調となりました。
円クロスも豪ドル上昇に比して、ドル円の下値が限定的であったことから総じて94円台で堅調を維持しました。
このように米財政協議に絡んだ豪ドル堅調の背後に、やはりRBAの金融緩和サイクル終了観測かあります。
気の早い向きは”次の一手は利上げ”などと述べています。
先週発表された10月のRBA議事録では「かなりの程度の刺激策を既に実施し、結果を見極める必要」と述べ、また今年になってからの慣用句であった「豪ドル下落が経済をサポート」の文言が消えました。
豪州国内では今年8月までの利上げの結果住宅価格の上昇が顕著で、このペースで価格が上昇すれば来年には住宅バブルが発生することを懸念する声が高まっており、これも金融緩和終了観測の一因です。
ただ先週も豪州トヨタが100人の希望退職を募るなど、豪ドル債上昇などが豪州製造業/輸出業を圧迫しているのは確かであり、RBAも早々に金融引き締めに転じる状況にはないと思います。
今週23日(水)にはQ3CPIが発表されますがこれらを含めて、RBAは年内経済指標を分析しながら”WAIT AND SEE”の姿勢を取って次の一手を決定することになるでしょう。
豪ドルは米ドル安の影響もあり97セント台の手前まで上昇していますが、やや行き過ぎの感もあり足元は調整が入る可能性があります。
一方豪ドル円はについては米財政問題通過後のリスク選好の流れもあり、堅調地合いを継続して心理的なレベルである95円をブレークする可能性があります。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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