今週の主な予定、イベント
11/11(月)日本9月国際収支、中国三中全会(~12日)、米国ベテランズデ―休場(為替・債券のみ休場)
12(火)米ルー財務長官来日、英10月消費者・生産者・小売物価、地区連銀総裁講演(ダラス、アトランタ、ミネアポリス)
13(水)英10月失業率、英中銀四半期金融報告、バーナンキ議長講演、米議会超党派委員会で財政協議
14(木)日本Q3GDP、欧州Q3GDP(ユーロ圏、独、仏、伊、ギリシャ)、ユーロ圏財務相会合、米9月貿易収支、フィラデルフィア連銀総裁講演、上院銀行委員会、イエレン次期FRB議長指名承認公聴会
15(金)ユーロ圏10月CPI、米10月鉱工業生産、米11月NY連銀製造業景況指数、EU財務相理事会
マーケットの焦点
キーワード:米財政協議―超党派―(11/13)、中国三中全会(11/9-12)、イエレン次期FRB議長指名承認公聴会、米量的緩和縮小の行方、日本Q3GDP
先週はECB理事会、米国10月雇用統計が予想外の展開で相場は激しくUPS & DOWNS しました。
株価はNYダウが15、760ドル台と史上高値圏まで上伸しましたが、その他市場では伸び悩みでした。
為替市場では総じて米ドルが買い戻され、ユーロが下落しました。
木曜日のECB理事会では一部に事前予想があったとはいえ、サプライジングな利下げ(0.5%→0.25%)があり、ユーロは一時大幅に下落しました(1.35台前半→1.32台後半)。
ドラギ総裁は「原則的には更なる利下げもありうる」と発言しています。
低インフレ局面の長期化が欧州経済発展を阻害するとの見解です。
一方発表された米Q3GDPは事前予想+1.8%を大きく上回る+2.8%となり、注目の10月雇用統計は非農業部門就業者数が+120千人予想に対して+204千人と大幅増加し、しかも前2月分も合計で60千人上昇修正されました。
この強い米指標を受けてドル円は99円台前半を再び回復して越週しています。
先週の米雇用統計を受けて来年3月までTapering(量的緩和縮小)が遠退いたとの見方から、再び年内Tapering開始観測が浮上しています。
ではドル円は一気に100円を目指すかと言えばそういう状況でもありません。
まず雇用統計の内容では、NFPRは文句なしに強い(前2カ月分も上方修正)ですが、労働参加率が62.8%と1978年3月以来の低水準であるとか、バーナンキ議長も「労働市場には恐ろしく多くの”緩み”があり、失業率は実態を過小表示している」との声明を出しています。
更に今週は13日に米議会超党派の財政協議が行われますが先延ばしされた米暫定予算と債務上限引き上げを巡る話し合い期限(12/13)までに決着がつくのか危ぶまれています。
14日にはイエレン次期FRB議長候補の承認公聴会が開かれ、上院100議席中60議席の賛成票は得る見込みです。
イエレン氏はハト派として有名であり、フォーワードガイダンスにおける失業率目標6.5%を引き下げる可能性が指摘されます。
また14日には日本Q3GDP(一次速報値)が発表されますが前期の3.8%から1.6%程度への落ち込みが予想され、再び株安円高シナリオを読む向きもいます。
ただし、Q4は緊急経済対策における公共投資と消費増税前の駆け込み需要でかなりの伸びが予想されますが。
市場の最大関心事は依然として米国のTaperingの時期となりますが、上記のようにドル安材料も依然として存在しており、ドル円も利食い売りに押されて100円達成は容易ではないでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9352-0.9543 AUDYEN 92.34-94.16
今週の予想レンジAUDUSD 0.9250-0.9550 AUDYEN 91.50-94.50
今週の豪ドルは押し目買いにサポートされる展開でしょう
先週の豪ドルはRBA理事会の金利据え置きを受け、<声明>における「豪ドルは不快なほど高水準」の文言にもかかわらず週央まで堅調推移し95セント台、94円台の週中高値をつけたあと、週末に向けて大幅反落しました。
木曜日の10月雇用統計では失業率は予想通りの5.7%でしたが、就業者数は+1.1千人と予想値(+10千人)に達せず豪ドル売り戻しが活発化。
同日のECB理事会で意外な利下げが行われたことから豪ドルもユーロに連れ安して94セント台半ばに反落。
更に金曜日に発表されたRBA四半期金融報告書では「必要なら更なる利下げを排除しない」、「輸出は豪ドル高により抑制される」と述べて豪ドル売り圧力となりました。
また同金曜日の非常に強い米10月雇用統計を受けてドルが全面高となる中、93セント台半ばまで続落しました。
一方豪ドル円はドル円の99円台への反発を受けて93円台で堅調推移しています。
中国景気回復期待(週末の10月諸経済指標も良好でした)や利下げサイクル終了観測がある一方、RBAは引き続き”追加緩和”、”豪ドル高けん制”を行っており、加えて米国の年内Tapering観測が再浮上しているために、豪ドルの95セントを上回る上昇余地は限られると思われます。
一方ドル円は再び底値を切り上げつつあるため、豪ドル円の大きな崩れはないものと思われます。
今週は大きな豪州国内指標の発表やイベントは予定されていません。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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