今週の主な予定、イベント
12/2(月)黒田日銀総裁講演、米11月ISM製造業景況指数、バーナンキFRB議長挨拶
3(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、中国11月非製造業PMI、ユーロ圏10月生産者物価、米11月自動車販売台数
4(水)豪州Q3GDP、中国11月サービス業PMI、米9月/10月新築住宅販売件数、米11月ADP雇用者数、米11月ISM非製造業景況指数、FEDベージュブック、オバマ大統領講演、OPEC総会
5(木)ECB政策金利、BOE政策金利、米Q3GDP(改定値)、米新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(ダラス、アトランタ)
6(金)日本臨時国会会期末、BOEインフレ期待調査報告、米11月雇用統計、米12月ミシガン大学消費者信頼感、グリーンスパン前FRB議長講演、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、シカゴ)
マーケットの焦点
キーワード:米量的緩和縮小の行方、株高円安、日米金利差拡大観測、米11月雇用統計(12/6)、米FOMC(12/17-18)、中国防空識別圏設定
市場ではバーナンキ議長やイエレン次期議長候補の緩和継続発言にもかかわらず、好調な米経済指標を背景として12月緩和縮小(テーパリング)観測が絶えません。
最近の市場の特色は米国のテーパリング観測にもかかわらずNYKダウは史上高値圏を維持しており、”緩和縮小は景気が回復している証拠”とポジティブにとらえている点です。
市場ではリスク選好の動きが活発化しドル円は5月以来の高値102円台に上昇し、またユーロやポンドなど欧州通貨の円クロスは大幅上昇し、ユーロ円は139円台、ポンド円は168円台など、2008年のリーマンショック以来の水準に上伸しています。
引き続き米国のテーパリングが市場の焦点ですが、その意味でも今週金曜日に発表される米国11月の雇用統計が注目されます。
予想は失業率が7.2%(前回7.3%)、非農業部門就業者数が+18.3万人(前回+20.4万人)ですが、予想を上回る強い数字が出れば12月テーパリング観測が更に高まり、一方失望する内容となればテーパリング開始は来年の3月以降という見方が再び台頭するでしょう。
ただ基本的黒田総裁が異次元緩和継続を明言し、来年4月の消費増税に向けて追加緩和が予想される日本と出口に向かいつつある米国の日米金利差拡大観測がドル円をサポートする展開が予想されます。
この金利差以外にも12月は通常12月決算の米系企業の本国送金のためのドル買い需要が高まります。
米ヘッジファンドはそれを見越してドルコール/円プットオプション(ドル円を買う権利)を行使価格が現レベルより有利な98-99円に設定して仕込んでいると言われますが、有利な行使価格のオプションはプレミアム(購入価格)が高いため、それを軽減するために102-103円に権利消滅条件(ノックアウト条件)を付けているケースが多いのが事実です。
従って102-103円では権利消滅を避けるべくドル円防戦売りが活発化しますが、一方ドル買い需要が勝ってそれらのレベルに到達すれば、それらの防戦売りを背景にしたドル売りポジションやノックアウトヒットに伴う大量のドル円ストップロスの買いが出る構造となています。
更に先週中国は尖閣列島を含むエリアに防空識別圏を設定しましたが、極東における地政学的リスクの増大も円売り圧力となる可能性があり要注意です。
一方ドル円売り材料としては12月13日に期限が来る米国議会超党派議員による財政改革協議への警戒感やドル円買いポジションの積み上が指摘され、こちらにも留意する必要がありそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9055-0.9204 AUDYEN 92.25-93.58
今週の予想レンジAUDUSD 0.9050-0.9350 AUDYEN 92.00-95.00
今週の豪ドルはセンチメントやや好転で底堅い展開でしょう
先週の豪ドルは週央に向けて90セント台半ば、92円近辺まで続落後、91セント台、93円台にやや戻す展開となりました。
先々週はデべレRBA総裁補が「豪ドル下落が望ましい」と述べ、またスティーブンスRBA総裁は「介入にはオープン」とかなり過激な発言をし、また商品相場の軟調も手伝って豪ドルは下値テストしました。
しかし先週ロウRBA副総裁は「介入への敷居は相当高い」と発言し、また木曜日に発表されたQ3の民間設備投資(CAPEX)が+3.6%(予想-1.2%、前回+1.6%)と予想を上回ったこともあり、週末に向けて豪ドルはやや回復しています。
今週は明日のRBA理事会はじめ、Q3GDP、10月小売売上高、10月貿易収支と豪州関連の指標が多く出ます。
住宅市場の過熱感からRBAは12月も金利を据え置きするものと思われますが、引き続き豪ドル高けん制は続けるでしょう。
また12月のクリスマス商戦を前に10月の小売はやや買い控えの可能性もあります。
ただ先週発表されたQ3の民間設備投資は予想より強いもので、豪州経済の最大懸念である資源投資ブームピークアウト観測はやや後退した可能性があります。
豪ドルは市場で活発化するリスク選好の動きや、年末に向けた資源会社の来年度の資源輸出予約に係る豪ドル買い需要もあり、徐々に底値を確認する動きとなることが予想されます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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