今週の主な予定、イベント
12/9(月)日本Q3GDP、日本10月国際収支、中国11月CPI、PPI、カーニーBOE総裁講演、ユーロ圏財務相会合、地区連銀総裁講演(ダラス・セントルイス・リッチモンド)
10(火)中国11月小売売上高・鉱工業生産、EU財務相理事会、ドラギECB総裁講演、世銀総裁講演
11(水)NZ中銀理事会、ルー財務長官、IMFについて議会証言
12(木)豪州11月雇用統計、ECB月報、米11月小売売上高、米新規失業保険申請件数
13(金)米11月PPI、米議会超党派議員による財政改革協議
マーケットの焦点
キーワード:米量的緩和縮小の行方、米系ファンドと米企業決算、米財政改革協議、極東の地政学的リスク、米FOMC(12/17-18)
先週は金曜日の米11月雇用統計を控えて株高、円安地合にもまとまった調整が入りました。
ダウは16,170ドルの史上高値圏から15,800台に、また日経平均も15,700台の今年の高値圏から15,100台に反落し、半年ぶりに103円台まで上昇したドル円も一時101円台まで値を崩し、ユーロ円やポンド円などの円クロスも利食いに押されました。
米国のQ3GDP(改定値)は+2.8%から+3.6%に大幅に上方修正されましたが、ドル売り調整は収まりませんでした。
しかし注目の11月米雇用統計は失業率が前月の7.3%から7.0%に大幅低下し、非農業部門就業者数は+183千人の事前予想に対して+203千人と10月に続いて20万人の大台を維持し、市場を再び驚かせました。
その結果市場のリスク選好の動きが再度活発化し、NYKダウは再び16,000ドル台を回復。
ドル円は103円台に反発し、円クロスもユーロ円が141円台、ポンド円が168円台に上昇するなど円が全面安になっています。
米国のQ3GDPが上方修正され、10月に続いて11月も非常に強い雇用統計であったことから、市場では12/17-18のFOMCにおいて量的緩和縮小(テーパリング)が決定されるのではないかとの思惑が高まっています。
また12月末は米ヘッジファンドや米企業決算となりますが、米系ヘッジファンドは依然として行使価格(ストライクプライス)98-99円台、そして権利消滅条件(ノックアウト)103-106円とするドル買いオプションを設定していると言われます。やはり彼らは12月テーパリング開始や、米企業の本国送金(リパトリ)に係るドル買い需要の高まりを予想しているのでしょう。
ただ102-103円台がそうであったように、引き続き103-106円当たりではオプション防衛のドル売り圧力が高まり、一旦そのレベルまでドルが上昇すると今度はストップロスオーダーを絡めたドル買い圧力が高まる展開が予想されます。
また今週13日には米議会超党派議員による財政改革協議が予定されますが、さすがに10月の財政協議混乱に懲りてか、合意に近付いているとの見方もあり、その場合には政府機関の閉鎖が回避され、債務上限引き上げが可能となることから、米株式市場や米ドルにとっては好材料となります。
また本日北朝鮮は穏健派のNO2張成沢氏の失脚を発表しましたが、強固派の台頭を懸念する見方もあり、加えて中国の防空識別圏設定問題と併せて極東の地政学リスクが高まる可能性があり、その場合には東京株式市場の下落・円売り要因となるでしょう。
年末に向けて全般的にはドル買い材料が目立ちますが、一方シカゴのIMM通貨先物円ポジションは売りの133,383コントラクト(12/3付)と更に売りが増加しており、先週見られたような大規模の調整が入る可能性もあり、その点は要注意でしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8989-0.9168 AUDYEN 91.78-94.02
今週の予想レンジAUDUSD 0.8950-0.9250 AUDYEN 92.50-95.50
今週の豪ドルはベアセンチメントやや後退でしょう
先週の豪ドルは堅調予想に反して週央に向けて90セントを一時割るレベル、また豪ドル円も92円を割るレベまで下落し、週末にかけて反発地合となりました。
週前半の豪ドル軟調の原因は火曜日のRBA理事会で、金利は据え置きとなったもののRBAの<声明>において再び「豪ドルは不快な程高水準」、「トレンドを下回る成長が目先続く見通し」と指摘されたためです。
また水曜日に発表されたQ3GDPは前年比で+2.3%(予想+2.5%、前回+2.6%)と軟調な結果となり売りに拍車がかかりました。
ただ先週末や今週発表される中国の11月諸指標への期待感や、強い米雇用統計後のリスク選好の動きにサポートされて、今週は91セント台、93円台後半にやや反発して始まっています。
今週は木曜日に11月の豪州雇用統計が発表されますが、10月は就業者数が+1.1千人(失業率は5.7%と横ばい)と不冴えであったことから、来年に向けて雇用悪化トレンドが継続するのか懸念されるところです。
10月に97セント台、95円台まで大幅反発した豪ドルですが、その後はRBAの豪ドル高けん制や不冴えな国内指標の影響を受けてかなり調整反落しました。
ただ年末に向けては資源会社の来年度資源輸出に係る豪ドル買い需要が予想され、また豪州国債に対する投資家の根強い買い意欲を勘案すると、年末にかけては再び堅調地合を取り戻す可能性が指摘されます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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