今週の主な予定、イベント
1/13(月)日本祝日(成人の日振替)、ラウテンシュレーガー独言銀副総裁のECB理事指名公聴会、アトランタ連銀総裁講演、オバマ・ラホイ(スペイン首相)会談
14(火)日本11月国際収支、英11月CPI・PPI・小売物価、米12月小売売上高、世銀世界成長見通し、地区連銀総裁講演(ダラス、フィラデルフィア)
15(水)独2013年GDP速報値、米12月PPI、1月NY連銀製造業景気指数、米ベージュブック、地区連銀総裁講演(シカゴ、アトランタ)
16(木)豪州12月雇用統計、日本1月地域経済報告書、黒田日銀総裁挨拶、ECB月報、ユーロ圏12月CPI、米12月CPI、米1月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、バーナンキFRB議長講演
17(金)英12月小売売上高、米12月住宅着工件数/建設許可件数、リッチモンド連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:米12月雇用統計の解釈(失業率の大幅改善と、NFPRの弱い伸び)、日本の11月国際収支、中国景況感、FEDベージュブック、黒田日銀総裁挨拶
新年になってからも日米欧の金融政策並びに中国の景況が市場の焦点となっています。
ECB理事会は先週終わりましたが、1/21-22には日銀会合が、また1/28-29には米FOMCが予定されます。
先週のECB理事会後のドラギ総裁会見でも、かなりハト派色が強い印象を受けましたが、やはり先進国の懸念はどこも低インフレにあるようです。
注目の米12月雇用統計は失業率が6.7%(前回、予想値ともに7.0%)と2008年10月以来の低水準に大幅改善する一方、非農業部門就業者数(NFPR)は+74千人(予想+197千人、前回+241千人)とこちらは2011年6月以来の低い伸びとなるなど、非常に判断に悩む結果となりました。
失業率大幅改善の背景は、失業者の減少もあるが、16歳以上の労働可能人口の増加よりも、労働人口の減少の方が大きく、労働参加率が低下したことが一因です。また労働参加率の低下の背景はベビーブーマー世代(1946-1964生まれ)の退職期入りや大学進学率の上昇も影響しているようです。
一方NFPRの伸びが鈍かった原因として米労働調査局は悪天候の影響が大きく27.3万人の雇用を減少させたためとしています。
従って結果を総合すれば大して悲観的な内容ではありませんが、やはり早期利上げ観測が後退したのは確かのようです。市場はドル売りで反応してドル円は105円台から103円台後半にアップダウンして結局安値引けとなり、米国10年債利回りは2.862%まで低下しました。
またNYKダウは結局オープニングレベルで終わっています(終値16,437ドル)。
今週は日米金融政策を見る上では1/15のFEDベージュブック、1/16の黒田日銀総裁挨拶や1/16のバーナンキFRB議長講演が注目されます。
特にFEDベージュブックの内容は1/28-29のFOMCの判断材料になりますし、また4月の消費増税(5%→8%)を前に日銀の異次元緩和第二弾を期待する声も強まっており、黒田総裁挨拶から目が離せません。
その他では1/14発表の日本の11月経常収支が10月の-1,279億円に続いて-3,689億円くらいの赤字が予想され、貿易収支のみならず経常収支の赤字傾向が定着すればこれは円売り材料視されるでしょう。
また年初に発表された中国の12月製造業・非製造業PMIは冴えませんでしたが、加えてシャドーバンキングで揺れる地方政府の債務残高急増が中央政府のリスクとの見方が高まっており、中国の景況/財政にも留意する必要があります。
米国の景況感、金利格差、更には格差が開きつつある日米の国際収支から中期的なドル円堅調地合を予想しますが、先週金曜日の”チグハグ”な米雇用統計の影響もあり、今週のドル円は方向性の定まらない不安定な展開が予想されます。
豪ドルマーケット
先週のの相場レンジ AUDUSD 0.8865-0.9005 AUDYEN 92.93-94.07
今週の予想レンジAUDUSD 0.8850-0.9150 AUDYEN 92.50-95.50
今週の豪ドルも引き続きUP & DOWNでしょう
先週の豪ドルは年初の中国PMIの弱い数字や、商品相場の軟調の影響から週央に向けて軟調推移しましたが、下値88セント台半ば、93円割れはサポートされ、むしろ11月小売売上高の強い数字や米国の12月雇用統計後のドル下落を受けて90セント近辺の高値圏で越週。
一方豪ドル円はドル円の反落と豪ドルの堅調が相殺し合いながら93円台中心の揉み合いとなりました。
ただ年末からの動きで見れば、やはり資源会社の豪ドル買い需要もあり、88セント台、92円台からやや底離れしつつあるようです。
特に資源産業大手のリオ・ティントやBHPは資源投資ブームのピークアウトを指定されながらも、昨年も新規投資や鉱区拡大投資を計っており、それらのプロジェクトが完成しつつあるため今後資源輸出増加に繋がることが期待されます。
不安要因はやはりPMIの不冴えやシャドーバンキング問題が指摘される中国関連の材料で、こちらは今後も要注意でしょう。
またRBAのスティーブンス総裁は「90セントより上の豪ドルは経済にふさわしくない」と昨年末に発言していおり、現在90セント近辺まで戻ってきた豪ドルに対する新たなコメントも注目されます。
今週は12月の豪州雇用統計が発表されますが11月は+21千人と予想外に増加した後であり、その反動にも要注意です。
なお、”今年の豪ドル見通し”については下記セントラル短資FXブログ(26 December付)をご参照ください。
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。