今週の主な予定、イベント
3/10(月)日本Q4GDP(2次速報値)、日本1月国際収支、ユーロ圏財務相会合、米予算教書
11(火)日銀会合(黒田総裁記者会見)、EU財務相理事会
12(水)日銀月報、NZ準備銀行理事会(ウイラー総裁会見)
13(木)豪州2月雇用統計、中国2月小売売上高/鉱工業生産、ECB月報、フィッシャーFRB副議長・パウエル理事・ブレイナード理事指名公聴会(上院銀行委員会)、新規失業保険申請件数
14(金)日銀議事録、米2月PPI、米3月ミシガン大学消費者信頼感、フィッシャー時期FRB副議長講演
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢、日銀会合、フィッシャーFRB副議長指名公聴会、リパトリ
ご無沙汰しました。休刊の間にウクライナ情勢緊迫化や中国民族運動テロなどの事件も発生し、世の中騒々しくなったようです。
2週間前の週末と比較して商品相場は総じて堅調、一方株式市場では日米、オセアニアやインドが上げている一方、不動産規制などの思惑がある中国や、ウクライナと地続きの欧州株、更には同じ欧州のくくりで英国株も下げています。
ウクライナにロシア軍が進行して一時軍事衝突懸念が高まり、リスク回避の動きが活発化してドル円は101円台前半に、またユーロも1.36台に下落しました。
しかしその後当面ロシアの軍事介入回避の見通しが強まったことから一転してリスク回避の巻き戻しが活発化し、ユーロは1.39台まで急伸しました。
注目の米2月雇用統計で非農業部門就業者数が予想の15万人を上回る17万5千人となったこともあり、ドル円は一時103円台後半まで上伸しましたが、やはりウクライナ情勢もあり103円台前半に小緩んで越週しています。
今週の市場の焦点はウクライナ情勢の成り行きや4月の消費増税前の日銀会合となります。
ドル円は現在103円台前半ですが、再び1月の高値105円台を目指すのか、あるいは反落かの踊り場にあると言えます。
ドル円サポート要因としては:
1.今朝発表の日本のQ4GDP(2次速報)は前期比年率で+0.7%(予想+0.9%、前回+1.0%)とややスローダウンし、1月経常収支は-1兆5,890億円(予想値-1兆3,893億、前回-6,386億)と悪化しており、4月の消費増税を控えて今日明日開催される日銀会合で”異次元追加緩和”の可能性が指摘されます。
2.16日にはクリミア自治共和国の住民投票が予定され、ロシアへの編入や、ウクライナ帰属を定めた憲法の是非が問われるが、ウクライナ情勢への警戒感がこのまま低下すればリスク選好的な動きが更に活発化するでしょう。
3.今週はフィッシャーFRB新副議長の公聴会が開かれますが、同氏はフォワードガイダンスに対して否定的な見解持つタカ派と言われ、今後テーパリングや利上げ時期の前倒し観測が高まる可能性があります。
一方ドル円売り材料としては:
1.ウクライナ情勢で、上記クリミア自治共和国の住民投票でロシアへの編入が支持される見込みであり、今後のIMFやEUからの金融支援が滞り、デフォルトに発展する可能性があること。
2.3月期末を控えて外貨資産の円転(リパトリ)の活発化の可能性。
3.ウクライナや中国情勢悪化から再びリスク回避の動きが活発化する局面。
なお中国全人代閉幕後に中国が人民元の許容変動幅を従来の1%から2%に拡大する可能性が浮上しており注目されます。変動幅の拡大は世界経済にとっては好材料と理解されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8891-0.9133 AUDYEN 90.06-94.47
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8950-0.9250 AUDYEN 92.00-95.00
今週の豪ドルは利食いの売りをこなしつつ堅調推移でしょう
3月初旬ウクライナ情勢や中国雲南省の無差別テロ・不動産規制などの悪材料を背景に88セント台後半、90円近辺まで下落した豪ドルですが、1月の安値86セント台や88円台の下値を見ずに再び一時91セント台、94円台まで反発しました。
ウクライナ情勢一服感や、中国全人代で今年の成長率下限目標を昨年同様に7.5%に据え置いたことから、市場にやや安心感が戻っています。
国内では先週のRBA理事会(予想通りの据え置き)で豪ドルレベルについて「歴史的基準より依然として高い」と述べる一方、「金融政策の安定が必要」として暫くはニュートラルスタンスで行くことが示唆されました。
また国内指標ではQ4GDPが前期比+0.8%(予想+0.7%、前回+0.6%)、前年比で+2.8%(予想+2.5%、前回+2.3%)と堅調を示し、1月小売売上高が前月比で+1.2%(予想+0.4%、前回+0.7%)と非常に強かったこと、更には1月の貿易収支が+1.433bioとこれまた予想(+100mio)を大きく上回るなど、総じて堅調な指標も豪ドルをサポートしました。
依然としてウクライナや中国懸念も払拭できず、豪ドルがこのまま上昇トレンドを継続することは困難でしょうが、1月の頃に比べて悪材料に対する”耐性”ができつつあるようです。
今週木曜日には2月の雇用統計が発表されます。
12月、1月と2月続けて就業者数が減少し、失業率は1月に6%まで悪化しました。雇用指数は景気に対する遅行指数として知られ、昨年来の景気スローダウンの影響が今現在現れているということですが、3月連続の就業者数減少や失業率のジャンプアップは現下の景気回復期待を冷やす可能性があり要注意です。
逆に就業者数が再びプラスを取り戻せば市場に安ど感が戻るでしょう。
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
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