今週の主な予定、イベント
3/24(月)中国3月HSBC製造業PMI速報、独3月ユーロ圏PMI、岩田日銀副総裁講演、G7首脳ウクライナ問題で協議
25(火)日米韓首脳会議、独3月ifo景況感指数、英2月CPI・PPI・小売物価指数、米3月消費者信頼感、米2月新築住宅販売、ECBドラギ総裁講演、地区連銀総裁講演(アトランタ、フィラデルフィア)
26(水)米2月耐久財受注、地区連銀総裁講演(セントルイス)
27(木)英2月小売売上高、米Q4GDP、米2月中古住宅販売成約指数、新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(セントルイス、クリーブランド)
28(金)日本2月雇用統計・CPI、英Q4GDP確報値、ユーロ圏3月景況感、独3月CPI、米2月個人消費支出、米3月ミシガン大学消費者信頼感、地区連銀総裁講演(シカゴ、カンザスシティー)
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢(ロシヤ―欧米の制裁合戦)、人民元の許容変動幅拡大と人民元下落、日本の3月貿易収支、3月末リパトリ
先週はイエレン新議長下では初のFOMCとクリミア情勢が市場の焦点でした。
不確定要因が多い中株式市場はむしろ全般的に前週の下げから反発に転じました。ただ追加緩和の発表のなかった日本や金融不安が言われる中国の株価は依然として軟調でした。
注目のFOMCでは予想通りに100億ドルの緩和縮小が発表されると同時に、一部予想されたフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)変更があり、「失業率6.5%」の文言が削除されました。これは「たとえ失業率が6.5%を下回っても利上げはしません」ということで、従来であればドル売り材料でしょうが今回はドル売りの反応は見られませんでした。
むしろFOMCの経済予測がやや上方修正されたことや、イエレン新議長が「緩和縮小は今年後半に終了し、その後6カ月で利上げが始まる可能性」と”うっかり発言した”ことから、市場では”利上げの前倒しか?”との憶測を呼び、米長期債利回りが上昇、ドルが上昇、そして株価が下落することになりました。
結局ドル円は週初の101円台前半からから102円台半ばに上昇し、ユーロは週初の1.39台から1.37台に急落しました。
ウクライナ情勢ではロシアが’18日にクリミア自治共和国のロシアへの編入を正式に表明して欧米諸国との対立は一層深まり、双方からの制裁措置とその報復措置の応酬となっています。
特に今後米国はオバマ大統領がOFAC規制(大統領が安全保障を脅かすと指定した国や法人のリストを公表し、それら保有する資産を凍結する規定)を発動する場合には、ロシアは米債を売却するなどと警告しており、今後とも予断を許しません。
ただ金融市場がある程度平静を保っているのはロシア対西側諸国の直接武力衝突などの最悪事態には至らないとの市場判断があるのでしょう。
前週末に中国は人民元の許容変動幅を1%から2%に拡大し、人民元は先週レッドラインと見られる6.20を越えて6.22まで下落しました。
中国当局は理財商品などのデフォルト(債務不履行)を一部容認する姿勢を見せており、約5000億ドル相当とも言われる投機筋の人民元買いポジションの手仕舞いの憶測もあり、相場のかく乱要因として要注意でしょう。
今週金曜日には日本の3月上旬の貿易収支が発表されますが、過去20カ月連続の赤字であり、3月も赤字は免れず、潜在的な円売り需要は継続しそうです。
エネルギー輸入増大の主因である原発停止について、その再稼働の是非を巡る論議も今後激しさを増すものと思われます。
また同日日本の2月CPIが発表になり予想値は前月と同じく前年比で1.3%程度です。
日本の株価低迷の背景は4月の消費増税を控えて日銀の追加緩和策が出ないことにもあります。黒田総裁は「日銀はインフレ目標(2%)達成のために何でもする」と発言していますが、消費増税と前後して日銀が追加措置を講じるかどうかも、今後の大きなポイントでしょう。
また今週は3月期末となりますが、本邦企業の海外からの利益送金や投資家の外貨資産の円転であるいわゆるリパトリ玉が最終局面で出る可能性も否定できません。
今週は期末を控えて、相変わらず不確定要因に支配され波乱含みの展開も予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8995-0.9138 AUDYEN 91.34-93.09
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8950-0.9250 AUDYEN 91.00-94.00
今週の豪ドルは揉み合いでしょう
先週の豪ドルは軟調を予想しましたが、むしろ前半はウクライナ情勢織り込みの反動で反発する一方、FOMC後の米ドル急上昇を受けて対ドルでは一時90セントを割り込んだ後、再び91セント台に反発するという”行って来い”の展開でした。
対円ではFOMC後のドル円急反発を受けて91円台前半から93円近辺に値を上げました。
引き続きウクライナ情勢や中国懸念等のリスク要因はあるものの、これらを徐々に織り込みつつある状況です。
またRBAの金融政策が従来の緩和バイアスからニュートラルに変更されたのも一定の豪ドルサポート要因となっています。
ただリスクの根本原因が除去された訳ではなく、事態に急変があれば再び”リスク回避の豪ドル売り”が顕現化する可能性も否定できません。
今週は国内で重要指標の発表はなく、暫くはウクライナや中国などの外的要因で上下動する展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
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