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シドニー発豪ドル見通し (2014年3月31日)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

3/31(月)IMF国際金融安定報告書、ユーロ圏3月消費者信頼感、イエレンFRB議長講演、日朝政府間協議、中国―EU首脳会議

4/1(火)日本消費税増税5%→8%、RBA理事会(金利据え置き見通し)、中国3月製造業PMI、中国3月HSBC製造業PMI、ユーロ圏・独2月失業率、米3月ISM製造業景気指数、中国国家主席講演、クリミアウクライナ通貨を廃止してロシアルーブルに全面移行

2(水)米3月ADP雇用者数、米2月製造業新規受注、アトランタ連銀総裁講演

3(木)豪2月小売売上高、中国3月非製造業PMI、中国3月HSBCサービス業PMI、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米3月ISM非製造業景気指数、新規失業保険申請件数

4(金)米3月雇用統計

 

マーケットの焦点

キーワード:ウクライナ情勢(ロシア―欧米の制裁合戦)、日本の消費増税、日銀短観、人民元の許容変動幅拡大と人民元下落、3月31日期末決算→期明けの新規外債投資?米3月雇用統計

先週はオランダのハーグで開催されたG7緊急首脳会合でロシアのG8資格停止が決定されるなど、相変わらずロシアのクリミア併合後、ロシアと西側との対立が深刻化していますが、その割には世界的に株価も堅調を維持しています。

また中国情勢も景気後退、デフォルト懸念、人民元の続落などの不安要素が多いですが、その割には中国の株価下落も限定的ですし、むしろ商品相場も上昇し資源通貨は堅調です。

つまり差し迫った戦争の危機がある訳ではなく、市場はリスク材料をかなり織り込んでいると言えます。

とはいえウクライナ問題や中国不安の根本原因が解決している訳ではなく、引き続きリスク回避とその巻き戻しの綱引き相場が継続する見込みです。

米国がロシア国家及び金融機関の資産を凍結すればロシアは米国債売却をすると警告しており、その成り行きは要注意です。

また3月期末にからんだ外貨資産円転の動き(リパトリ)は終わり、むしろ4月の新年度に向けた期間投資家の新規外債投資の動きが出るとの観測もあります。

特に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本国債での運用を減らし、株式や外貨建て資産運用を増やす意向を示しており興味が持たれます。

明日から日本では消費増税(5%→8%)が実施されます。過去の2回1989年の3%導入後と1997年の5%への引き上げ後はドル円が上昇した経緯があります。(1989年時は133円→160円台)、1997年は120円台から翌年147円まで)今回も日銀が異次元の追加緩和に出れば円安材料となるでしょう。

ただ足元株が下落となれば”リスク回避の円買い圧力”が強まる可能性もあり、消費増税の影響を予想するのは簡単ではありません。

また先週のFOMCではフォワードがダンスにおける失業率目安の6.5%が撤廃されました。3月の予想失業率は6.6%(前回)、予想NFPRは+19万人(前回+17.5万人)と改善が予想されますが、フォワードガイダンスを撤廃した以上いくら改善が見られても直ぐさま「利上げ?」という思惑は働かないでしょうが、市場の”利上げ催促相場”がくすぶることになるでしょう。

このように市場では国際情勢・米国金融政策・日本の消費増税を含めて”不透明感が強く、市場のリスク許容度の増減が激いため、為替相場も上下の振幅が予想されます。

基本的にはクリミアや中国などのリスク材料を織り込みつつありますが、サプライズな悪材料にはやはり反応せざるを得ません。

ドル円は再び節目の103円近辺まで上昇していますが、上記リスク要因や日本の消費増税を考えるとこのまま続伸とはいかないように思います。

またユーロは3月に一時1.40近くまで上昇しましたが今現在は1.37台に反落しています。

欧州経済は独の一人勝ち状態で、仏ですら今なお失業率は史上最悪を更新し、ギリシャはまだ支援が必要な状況で、暫くはECBの追加緩和観測が消えないでしょう。

地続きのウクライナの緊張などもあり1.40接近場面では売り圧力が強まるでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9049-0.9295  AUDYEN 92.60-95.24

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9050-0.9350  AUDYEN 93.00-96.00

今週の豪ドルは堅調ながらも売り買い交錯でしょう

先週の豪ドルは予想の”揉み合い”と言うよりはむしろ”上げ相場”で、今年の高値圏である93セント近辺、95円台まで上昇しました。

国内景況感が改善しRBAが金融緩和バイアスをニュートラルに戻したとの思惑が下支えしました。

また中国当局が何らかの景気刺激策や預金準備率引き下げなどの追加緩和措置を取ると思惑が商品相場を支えました。

先週香港で行われた講演でスティーブンス総裁は「豪ドルは歴史的に高水準、交易条件が悪化しても豪ドルが下がらないのであれば驚き」と述べると同時に「最終的に豪ドルの方向性はファンダメンタルズの見通し次第」と述べて、年初に見られた「不快なほど高い」などのけん制文言は聞かれませんでした。

むしろ、「資源産業から非資源産業へのシフトが始まり出している」との前向きな姿勢を示したことも豪ドルをサポートしました。

今週のRBA理事会では引き続き”金利据え置き”となりそうですが、RBAはたとえニュートラルバイアスに戻したとしても、暫くは慎重姿勢を崩さないでしょう。

また豪ドル買いポジションがかなり溜まりつつあり、依然としてリスク材料が多い中、足元はむしろネガティブ材料に反応しやすくなる可能性には注意したいです。

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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