at_money_service
マネー

シドニー発豪ドル見通し(2014年4月21)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

FX 口座 比較FX ブログ

今週の主な予定、イベント

4/21(月)日本3月貿易収支、イースターマンデー(欧州、オセアニア)

22(火)米3月中古住宅販売件数、バーナンキ前議長講演

23(水)オバマ大統領来日(~25日)、中国4月HSBC製造業PMI、豪州Q1CPI、ユーロ圏・独4月製造業PMI、米3月新規住宅販売件数、英中銀議事録、ドラギECB総裁講演

24(木)NZ準備銀行理事会、独4月ifo景況感指数、米3月耐久財受注、米新規失業保険申請件数

25(金)日本3月CPI、米4月ミシガン大学消費者信頼感、豪州ANZAC DAY休場

 

マーケットの焦点

キーワード:ウクライナ情勢(5/25大統領選挙)、日米金融政策(4/29-30FOMC、4/30日銀会合)、日本の3月貿易収支・CPI、本邦機関投資家、オバマ来日とTTP

先週は景気スローダウンが懸念された中国のQ1GDPも前年比+7.4%と予想をやや上回り、ウクライナ情勢でも四者会談(米・ロ・ウクライナ・EU)で暴力抑制で合意を見たことから市場のリスク許容度が増加し、日米中心に株価は反発に転じました。

為替市場でもリスク選好の円売りがやや戻ってきてドル円は前週の101円台前半から102円台半ばに反発し、ユーロ円141円台後半、ポンド円172円台前半と総じて円クロスも堅調です。

先週金曜日と本日は欧米中心にイースター休場で市場閑散ですが相変わらず今週もリスク許容度に左右される相場展開となりそうです。

ウクライナ情勢では先週は四者会談でやや事態が好転しましたが、オバマ大統領はあまりロシアに期待していない様子。

5/25のウクライナ大統領選挙に向けてウクライナ東南部のロシア系住民はロシア編入を求める住民投票を要請しており相変わらず不安定な状況です。

最悪の場合には欧米が再度対ロ制裁を強化し、これに対してロシアが報復措置として米債売却や天然ガス供給停止に出る場合で、その場合には再びリスク回避の動きとなるでしょう。

今朝発表された日本の3月貿易収支は-14,463億円と過去最大の赤字を計上し、3月の経常収支や2013年度通年の経常収支も赤字転落の可能性があり、これは円安要因。

25日発表される3月CPIは前年比+1.6%(前月は+1.5%)と予想されますが、消費者物価の上昇も円安要因です。

また少し先ですが4/29-30のFOMCでは100億ドル程度の緩和縮小が、一方4/30の日銀会合では逆に追加緩和観測があり、日米金利差は拡大傾向で、こちらもドル円をサポートするでしょう。

更に年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の外貨建て資産投資増額決定を受け本邦機関投資家の新規外貨建て資産投資も予想されるなど、足元ドル円上昇要因が多いようです。

この1-2週間102円台半ば以降にアジア中銀(中国人民銀行など)の大口売りオーダーが囁かれていますが、はたしてそれらを吸収して103円台を目指すのか?注目されます。

一方ユーロは先週ウクライナ情勢好転にもかかわらず上値の重い展開。

ドラギECB総裁、メルシュ理事、ノワイエ仏中銀総裁などからユーロ高懸念発言が聞こえています。ユーロ圏外の主要国にもユーロ高が低インフレの一因との認識があり、今後もユーロ高牽制発言が続くことが予想され、ユーロの大幅上昇を阻止するでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9321-0.9425  AUDYEN 94.83-96.01

今週の予想レンジ AUDUSD 0.9250-0.9450  AUDYEN 94.00-97.00

今週の豪ドルはQ1CPIが焦点。基本堅調地合維持でしょう。

先週一旦94セント台半ば、96円台半ばから93セント台前半、95円割れに調整反落した豪ドルですが、中国のGDPが予想をやや上回ったことや、ウクライナ情勢の緊張緩和を受けて下げ止まりを見せました。

ただ米ドルが総じて堅調であることから対ドルでは引き続き93セント台前半でやや軟調、一方対円ではドル円の反発にサポートされて95円台後半に値を上げています。

今週は23日に発表されるQ1消費者物価指数が注目されます。

予想値はヘッドライン・インフレーション(全項目)が前期比+0.8%(前回+0.8%)、前年比+3.2%(前回+2.7%)、RBAが注目するより平均化されたアンダーライイング・インフレーションは前期比が+0.7%(前回+0.9%)、前年比+2.9%(前回+2.6%)となっています。

前回は2年ぶりのレベルに上昇しましたが、今回は特に前年比で更に上昇が予想されます。RBAのインフレターゲット2-3%の上限を抜くようであれば、RBAによる引き締め政策への転換の思惑が高まり、豪ドルをサポートするでしょう。

ただ引き続きリスク回避ムードもあり、加えてドルが堅調である場合には95セント台は容易ではない一方、ドル円が上昇すれば豪ドル円は今年の高値96.50近辺をテストする可能性があるでしょう。

下値は本邦投資家の新規投資欲でサポートされるでしょう。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「11 July_2012.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら