今週の主な予定、イベント
4/28(月)欧州委員会、米3月中古住宅販売成約
29(火)日本祝日(昭和の日)、英Q1GDP
30(水)日銀展望リポート、日銀会合(黒田総裁会見)、独4月失業率、スペインQ1GDP、ユーロ圏4月CPI、米4月ADP雇用者数
5/1(木)上海・香港休場(労働節)、米FOMC、中国4月製造業PMI、米3月個人所得収支、米4月ISM製造業景況指数、独・仏など欧州市場休場(レイバーデー)、イエレンFRB議長講演、米新規失業保険申請件数
2(金)日本3月雇用統計、ユーロ圏3月失業率、米4月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢(対ロ追加制裁―5/25大統領選挙)、日米金融政策(4/29-30FOMC、4/30日銀会合)、米4月雇用統計、GPIF
先週はイースター休暇を挟んだ薄商いの中、ウクライナ情勢ではウクライナ軍と親ロシア派との抗争が激化するなど緊張が高まったことなどからリスク回避的な動きが目立ち、株価はカナダ、イギリス、豪州などを除き総じて軟調推移しました。
為替市場では訪日したオバマ米大統領との首脳会談でもTPP交渉が大筋でまとまらなかった失望感や地政学的懸念からドル円が一時102円割れに下落。
またユーロは4月の独ifo景況感指数が強い一方、ユーロ当局からのユーロ高懸念発言も根強く1.38台前半中心に膠着状態でした。
今週は日本がゴールデンウイークに突入しますが、材料が一杯です。
まず日米金融政策が注目されます。
黒田日銀総裁は「日銀が掲げる2%の物価安定目標達成の道筋を着実に歩んでいる」としながらも「道筋から外れる場合には躊躇なく調整」すると発言しています。先週政府は4月の月例経済報告で景気の基調判断を下方修正しており、今週発表される経済・物価情勢の展望リポートへの影響が警戒され、30日の日銀会合で追加緩和が発表される可能性があります。
一方29/30の米FOMCでは最近の景気回復基調から100億ドルのテーパリング(緩和縮小)の継続が予想され、日米金利格差の拡大傾向はドル円をサポートするでしょう。
また5/2発表される米国4月雇用統計の事前予想値、失業率’6.6%(前回6.7%)、非農業部門就業者数が+210千人(前回+192千人)の範囲内であれば、更なる緩和縮小が継続されるでしょう。
ウクライナ情勢では5/25の大統領選挙の向けてロシア軍事介入や内戦勃発の可能性も懸念されます。これに関連して欧米の追加制裁や、ロシアの米国債売却や天然ガス供給停止の対抗措置の可能性もあり、引き続き注意が怠れません。
また日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の外貨建て資産投資増額決定の動きが日本の機関投資家の外国資産投資増額を促す可能性があります。
このように材料満載ですがドル円、ユーロ共に方向性決定には至らず、現在のこう着状態がブレークするのは日本のゴールデンウイーク明けになる可能性があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9252-0.9378 AUDYEN 94.52-96.24
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9400 AUDYEN 93.50-96.50
今週の豪ドルは92-93セント台、94-95円台中心の揉み合いでしょう
先週豪ドルは強い数字が予想されるQ1GDP発表に向けて93セント台後半、96円台に強含みましたが、結果が予想を下回り早期利上げ観測が後退して反落しました。
ウクライナ情勢の緊迫化や中国の株価軟調なども売り材料視されました。
RBAが2月の理事会で金融政策を緩和バイアスからニュートラルに変更したことに対して、財政再建を主要課題と掲げる政府筋は、「緩和終了から再び豪ドル高が懸念される」として難色を示しています。
アボット首相は5月の連邦予算案発表で一時的な所得増税を示唆しており、これに対して産業界は”景気回復の芽を摘むもの”として反発しています。
政府は財政支出の困難な状況下でRBAの金融緩和継続による景気刺激を望んでいますが、一方住宅バブル懸念やインフレ上昇傾向を受けてRBAは中立バイアスを選択しており、両者の軋轢が暫く深まる可能性があります。
米豪共に金利先高観がありますが、豪ドルの対米ドル相場は今後の両国の利上げ観測の強さにかかっています。
一方豪ドルの対円相場は引き続き下落局面は投資家需要でサポートされ、中期的には再び100円を目指す動きが予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。