今週の主な予定、イベント
5/12(月)日本3月国際収支、インド下院選挙(投票最終日)、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
13(火)豪州2014/15連邦予算案(夜)、中国4月鉱工業生産・小売売上高、独5月ZEW景況感、米4月小売売上高、FED発言(アトランタFED、リッチモンドFED)
14(水)BOE四半期インフレ報告、英3月ILO基準失業率、ユーロ圏3月鉱工業生産
15(木)日本Q1GDP(一次速報値)、黒田総裁会見、ユーロ圏・独・仏Q1GDP、ユーロ圏4月CPI、5月NY連銀製造業景気指数、米4月CPI、米4月鉱工業生産/設備稼働率、米5月フィラデルフィア連銀景気指数、ダドリーNY連銀総裁講演
16(金)ユーロ圏3月貿易収支、イエレンFRB議長講演、米4月住宅着工件数/建設許可件数、米5月ミシガン大学消費者信頼感、セントルイス連銀総裁講演、インド下院総選挙(開票)
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢(5/11東部住民投票―5/25大統領選挙)、イエレン議長緩和維持、ECB6月追加緩和観測、日本の国際収支、GPIF
先週は日本のゴールデンウイーク週でしたが、ウクライナ情勢や前週の強い米4月雇用統計後のイエレンFRB議長の議会証言などが主な材料でした。
主要国の株式市場は大きな崩れもないが頭の重い展開で為替市場では一時米ドル全面安となりました。
前週の強い米国4月雇用統計後のドルの上昇も一時的でした。(ドル円103.00ワンタッチ、ユーロ1.38前半まで)
イエレン議長は議会証言において労働参加率の低下傾向や長期失業率の高止まりなど依然として労働市場に対する懸念を述べ、労働市場の低迷や低インフレ懸念から「高水準の金融緩和策を継続」する旨強調しており、米長期債利回りは低下してドル売りを誘いました。
ユーロは1.40台手前、ポンドは1.70台まで上昇しましたが、ECB理事会後にドラギECB総裁が”ユーロ高懸念”を表明し、次回6月のECB理事会における追加緩和の可能性を示唆したこと(非常に例外的)からユーロは1.37台前半まで大幅反落しています。
先週金曜日にはプーチン・ロシア大統領がクリミア入りし、またウクライナ東南部州で住民投票が強行されたことから再びリスク回避の動きが強まりました。
5/25のウクライナ大統領選挙に向けて依然としてロシアの軍事介入や内戦勃発の可能性もあり、また親欧米派が大統領選で勝利した場合はロシアが天然ガス供給停止を警告しています。
また米国が報復措置に出ればロシアが米国債売却をチラつかせるなど依然としてウクライナ情勢は流動的で、リスク回避の原因となりえます。
今朝発表された日本の3月経常収支は+1,164億円(予想+3,477億円、前回’+6,127億円)、また貿易収支は-11,306億円(予想-11,254億円、前回-5,334億円)でした。
2013年度通年の経常赤字化は免れましたが、通年で+7,899億年は3年連続の黒字縮小で、黒字幅も過去最少です。
依然として拡大傾向にある貿易赤字と併せて、需給面では円売り需要が今後とも強そうです。
一方日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が6月以降外貨建て投資を増額する可能性が指摘され、この傾向は他の本邦機関投資家の運用方針にも影響を与えることが予想され、こちらは潜在的な円売り材料と言えます。
先週はドル全面安が顕著となりましたが、今朝の日本の国際収支を受けてドル円が102円台まで上昇し、またユーロ高に調整が入っているなど、今週はドル安の流れに変化が現れることが考えられます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9252-0.9394 AUDYEN 94.26-95.66
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9500 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは利食い売りをこなしつつ、堅調維持でしょう
先週豪ドルは”やや軟調予想”に反して堅調推移しました。
理由はいくつかありますが:
1.RBA理事会で”暫く金利安定期が必要”としてニュートラルバイアス継続が明らかにされ、一方豪ドル高けん制がトーンダウンしたこと。
また発表されたRBAの”四半期金融報告書”で今年半ばまでのGDPを上昇修正。
2.4月雇用統計が強かったこと―失業率5.8%(予想5.9%、前回5.8%)、就業者数+14.2千人(予想+8.8千人、前回+21.9千人←+18.1千人から上方修正)
3.中国4月貿易収支が改善したこと。
これに加えて米ドルの軟調が豪ドルをサポートした面もありました。
今週の豪州国内でのメインイベントは5/13(火)夜に発表される2014/15連邦予算案です。
現在アボット政権は”10年以内での財政黒字転換”を予定していますが、黒字転換を前倒しする可能性があり、また財政赤字対策として富裕層などへの増税も検討しています。
厳しい赤字削減策が出れば、その分RBAによる金融政策の緩和再開を求める可能性があります。
豪州では住宅バブルの可能性や労働市場の改善からRBAの引き締め観測が浮上する一方、財政赤字削減という政策的課題を抱えており、RBAは難しい金融政策の舵取りを要求されそうです。
豪ドルは3月の大幅上昇に対して4月は調整反落地合でしたが調整も一巡しており、足元下値が投資家需要にサポートされる展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。