今週の主な予定、イベント
5/25(日)ウクライナ大統領選挙―親欧米派ポロシェンコ氏勝利
26(月)日銀議事録、英国休場(Bank Holiday)、米国休場(Memorial Day)、インド、モディ氏首相に就任
27(火)米4月耐久財受注、米5月消費者信頼感、EU首脳トップ人事で会議、アトランタ連銀総裁講演
28(水)黒田日銀総裁講演、独5月雇用統計、オバマ大統領演説
29(木)米Q1GDP(改定値)、米4月中古住宅販売成約件数、新規失業保険申請件数、カンザスシティー連銀総裁講演
30(金)日本4月CPI/雇用統計、安倍首相講演、米4月個人所得収支、地区連銀総裁講演(SF、フィラデルフィア、リッチモンドFED)
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢(大統領選挙後)、6月ECB理事会追加緩和観測(ECB当局発言)、日本の機関投資家(GPIF)、日米インフレ指数
先週は週末のウクライナ大統領選挙はアジアの地政学的リスク(ベトナム・中国間の海洋権問題、タイのクーデター、ウイグル自治区での爆破テロ、北朝鮮など)から一時市場のリスク許容度が後退する局面もありましたが、週後半は主要国の株価も持ち直し結局NYKダウ引け値は16,606ドル、日経平均は14,462円など、主要国株価は前週末より上伸しました。
為替市場では円高が一服、欧州通貨(ポンド除く)は依然として軟調で、また前週大幅下落した豪ドルやNZドルは下げ止まっています。
ドル円は上記のような地政学的リスクや日銀会合における金融政策現状維持が失望を誘い一時100.80近辺まで下落しましたが、週末は102円近辺まで値を戻して越週。
またユーロはウクライナ情勢の不安定さに加えて6月のECB理事会における追加緩和を示唆するECB当局発言が相次ぎ、1.36台前半まで続落しています。
注目のウクライナ大統領選挙では親欧米派の実業家ポロシェンコ氏が当選確実としました。同氏は「最初の仕事は戦いを終わらせて国に平和をもたらすこと」と述べています。一方ロシアのプーチン大統領は「ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟することがロシアにとり最大の懸念」と述べており、「ウクライナ大統領選で親欧米派が勝利した場合はウクライナへの天然ガス供給を停止する」と述べていただけに、その言動が注目されます。
また今週は30日(金)に日本の4月消費者物価と米国の4月コア個人消費支出(PCE)が発表されますが、両国ともに金融政策に深く関わる指数であるだけに重要視されます。
日本の4月コアCPIは4月消費増税を受けて前年比+3.1%(前回は+1.3%)のジャンプアップが予想されますが消費増税の影響が+1.7%程度と言われますので、実質的には3月とあまり変わらない予想です。
一方6月12/13には日銀会合が予定されますが。2015年10月の消費税10%への判断材料は2014年Q3GDPとなることで、6月の会合において日銀が追加緩和を行う可能性が高まります。
また先週発表された日本の4月貿易収支は消費増税の影響で赤字幅が前月の1兆4,460億円から6,000億円程度に縮小するとの予想でしたが、実際は8,089億円の赤字となり、赤字基調の強さを印象付けました。
加えて6月からGPIF初め日本の機関投資家が外物投資を増加させるとの観測もあり、再び円売り圧力が高まる可能性があります。
一方30日(金)には米国4月コア個人消費支出(PCE)が発表されますが、前年比+1.4%予想と前回の+1.2%から上昇する可能性があり、強い数字が出ればFRBの利上げ時期が早まるとの観測が浮上するでしょう。
6月のECB理事会を控えて追加緩和観測が高くユーロが軟調である点も勘案して、足元米ドルが堅調推移する可能性が高いでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9208-0.9369 AUDYEN 93.04-95.14
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9150-0.9450 AUDYEN 93.00-96.00
今週の豪ドルは揉み合いつつ下値の堅い展開でしょう
先週は:
基本的に堅調地合を予想しますが、主要国の株価下落やリスク警戒が強まれば、反落に転じる可能性にも留意すべきでしょう。
と”豪ドル堅調が逆に行った場合の保険をかけた”予想をしましたが、結果的にはレンジを下限をやや割り込むレベルまで大幅に反落しました(冷や汗)。
つまり新たな悪材料がこれでもか!と噴出したのです。
・RBA議事録の内容が予想よりハト派的
・S&Pが豪州のAAA格下げの可能性を示唆
・鉄鉱石価格が2012年以降初めて100ドル(トン当たり)を割った
・デべレRBA総裁補が「資金流入が減少すれば豪ドル下落の可能性」と発言
・アボット政権支持率低下 などなど。
もちろん鉄鉱石価格の下落やアボット政権の支持率が緊縮財政を嫌気して低下したのは事実ですが、一方S&Pの格下げ観測は”豪州の財政赤字の改善が遅れる場合(労働党の反対などで)”と仮定しており、実際には来年度予算案は上院を通過するとの見方が一般的です。
またデべル総裁補の「資金流入減で豪ドル下落」発言も、同時に「日本の投資家の豪ドル債投資は増加する可能性、世界的には豪ドル債の人気は強い」などとも発言しており、一方的に発言内容が伝わった感もあります。
また鉄鉱石価格はトン当たり100ドルを割りましたが、当地のアナリストは今後底なしで下落すると言うよりは、むしろ中国の鉄鉱石需要はインフラ整備の拡張から再び増加する可能性が高いと見ています。
本来米国の出口戦略(金利の正常化)が進めば豪ドル/ドルは売り圧力を受けるでしょうが、米国の利上げ云々はまだはるかかなたです。
加えて本邦をはじめとした投資家需要を勘案すれば、やはり豪ドルの下値も限定的と言えるのではないでしょうか。
猶、今週は大きな国内指標の発表はありません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。