今週の主な予定、イベント
6/9(月)豪州休場(クイーンズバースデー)、日本Q1GDP改定値、日本4月国際収支、地区連銀総裁講演(セントルイス、ボストン)、独・英・オランダ・スウエーデン首相会談
10(火)中国5月CPI/PPI、英4月鉱工業生産
11(水)英5月失業率
12(木)NZ政策金利、豪州5月雇用統計、ECB月報、米5月小売売上高、オバマ大統領・アボット豪首相会談、ブラジルワールドカップ開幕、米新規失業保険申請件数
13(金)日銀金融政策決定会合(黒田総裁会見)、中国5月小売売上高・鉱工業生産、米5月PPI、米6月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:世界株高、日銀会合、ウクライナ情勢
前週は木曜日のECB理事会と金曜日の 米5月雇用統計が二大イベントでした。ECB理事会における追加緩和が確実視される中、世界的に株価は上昇し、NYダウは17,000ドル直前に、また独 DAXも10,000台に史上高値を更新。出遅れ感の強かった日経平均も15,000円台を回復しました。
注目のECB理事会では金利引下げ(政策金利を0.25%から0.10%に引き下げ、中銀預金金利(市中銀行の)を史上初-0.10%に引き下げてマイナス金利とする)、量的緩和に関する示唆もあり、また必要であれば緩和継続の可能性が示されました。この結果ユーロは発表直度1.3500近辺まで急落しましたが、さすがに売りポジションが溜まっていたのでしょう、その後1.36台半ばまで買い戻されました。
一 方、欧州経済はECBスタッフ予想に見られるように今年のGDPが前回の+1.2%から+1.0%に引き下げられ、雇用悪化が続くなど依然厳しい状況です。 今後もECBは追加緩和の可能性を示唆していますし、またデフレ懸念からユーロ高牽制を行っており、足元ユーロ相場の上値は限定的でしょう。
ただ目線を更に先に伸ばせば来年再来年と景気は拡大予想となっており、加えて巨額の貿易黒字を有することから、一方的なユーロの下落も予想できません。
一 方金曜日に発表された米5月雇用統計は失業率6.3%(予想6.4%、前回6.3%)、非農業部門就業者数(NFPR)+21.7万人(予想+21.5万 人、前回+28.2万人)とほぼ予想の範囲内でしたが、事前に発表されたその他の雇用指数(ADP雇用者数など)が不冴えであったことから、むしろ堅調な イメージを与えました。発表後ドルは振幅しましたが、結局発表前とあまり変わりのない102円台半ば、ユーロ1.36台半ばで越週しています。
今週は先週の大きなイベント終了でやや材料不足感はありますが、注目されるのは12/13日の日銀会合における追加緩和の有無、発表される中国諸指標、そしてウクライナ情勢当たりとなります。
また欧米中心に史上高値更新が続く株価が高値を維持できるかも焦点となります。
日 銀会合とあわせて今月末発表される安倍政権の新成長戦略では法人実効税率減税が打ち出される可能性がありますが、2015年10月の消費増税(→10%)の 判断材料が2014年7-9月期のGDPとなることから、日銀が今月異次元の量的緩和第二弾を放つことが期待され、もし現実となればドル円をサポートするでしょう。
大統領選挙後もウクライナ情勢は依然として混沌としていますが、7日にはポロシェンコ新政権が発足しており、今後ウクライナ軍と親ロ武装集団との武力衝突やロシア軍の介入があればリスク回避の動きとなりドル円売り圧力となるでしょう。
先週はECB理事会や米雇用統計というビックイベントがあったにもかかわらずドル円はここ半年ほど続く100-103円のレンジをブレークできませんでした。
個人的にはドル円は中期的に110円方向を見ていますが、現在のレンジをブレークするには株価堅調、米国金利先高感、日銀異次元緩和第二弾、日本の貿易赤字拡大などの複合要因が同時に作用する必要があるようです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9229-0.9358 AUDYEN 92.28-95.80
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9250-0.9450 AUDYEN 93.50-96.50
今週の豪ドルは概ね堅調な動きを予想します
先週はECB理事会や米雇用統計というイベントがありましたが、その中で豪ドルは世界的な株価の堅調によるリスク選好の買いにサポートされて93セント台半ば、95円台後半まで上伸しました。
発表されたQ1GDPは前期比+1.1%(予想+0.9%、前回+0.87%)、前年同期比+3.5%(予想+3.2%、前回+2.8%)の強い数字となり豪ドル押し上げ要因となりましたが、強い数字の原因が内需と言うよりはむしろ鉄鉱石と石炭輸出の好調にあったことが判明しました。豪州資源産業に対するRBAや政府筋の悲観的な見方もやや行き過ぎであったように思えます。逆に内需、特に個人消費がやや不冴えであったことが懸念されますが、いずれにしても前年同期比+3.5%は先進国中最強であり、この結果は今後予想される日本からの機関投資家の豪ドル投資にも好影響を与えるでしょう。
豪ドルは米ドルが堅調であることもあり、今年の高値圏94セント台~95セント台のブレークはしんどいように思えます。
一方豪ドル円は投資家需要もありますので、ドル円が現在のレンジ100-103円を上抜く場合には一段高となる可能性があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。