今週の主な予定、イベント
6/23(月)中国6月HSBC製造業PMI、黒田日銀総裁講演、米5月中古住宅販売件数
24(火)独ifo景況感指数、米4月S & P ケースシラー住宅指数、米5月新築住宅販売件数、米6月消費者信頼感指数
25(水)独・ユーロ圏6月製造業PMI、米5月耐久財受注、米Q1GDP確報値
26(木)カーニー英中銀総裁講演、地区連銀総裁講演(セントルイス、リッチモンド)、EU首脳会議、米5月PCEコア、米新規失業保険申請件数
27(金)日本5月雇用統計/全国消費者物価指数、英Q1GDP確報値、米6月ミシガン大学消費者信頼感・確報値
マーケットの焦点
キーワード:日米インフレ指数、世界的株高、地政学的リスク(ウクライナ、イラク)、安部政権の新成長戦略
先週は注目のFOMCがありましたが、結果は大方の予想通りに「慎重な緩和縮小」となりました。
債権買い取り額が月間350億ドルに減額されましたが、一方「QE終了後も当面は現在の金利水準維持が適切」と緩和継続が明記されました。
ただスタッフの金利予想では利上げ期が前倒しされる傾向も見られ、米経済の回復基調を確認した格好です。
係るFRBの慎重な姿勢を評価してNYKダウは再度17,000近辺の史上高値をうかがう動きであり、独DAX指数が10,000乗せ、また日経平均も15,300円台と世界的に株価は堅調です。
また金価格は前週までの1,270ドル(1オンス)近辺から1,320近辺で急反発しましたが、原因はFOMCのハト派色及び、ウクライナやイラクの地政学的懸念の高まりから逃避買いが入っているようです。
為替相場ではFOMCのハト派色を受けて米債利回りが低下し、ドルが全般的に軟化しています。
ドル円は地政学的リスクもあり102円台を割り込み頭が重い展開です。
一方月初のECB理事会後1.3500近辺まで下落したユーロは、FOMCの結果を受けてショートカバーが強まり一時1.36台半ばに、またBOE理事会において利上げ観測が従来より強まったポンドは約5年8か月ぶりの高値1.70半ばまで値を上げています。
今週は26日と27日に米国と日本のインフレ関連指数が発表になりますが、米国の予想値(コアPCE)は前年比+1.6%と前回の+1.4%から上昇予想であり、イラク情勢で更に原油価格が上がる場合には米国のインフレリスク警戒が高まる可能性があります。
一方25日には米Q1GDPの確報値が発表され、前回の-1.0%(前期比年率)から-1.7%--1.8%程度への下方修正予想となっていますが、こちらは原因が”悪天候”と明白で、しかもすでに過去のことであり、相場への影響は軽微であると考えます。
また27日に発表される日本の5月消費者物価(コアインフレ率)は予想値が前年比+3.4%と前回、消費増税が行われた4月の+3.2%から更に上昇予想です。
消費増税の影響が+1.7%程度と試算されるために、その影響を除外すると+1.7%程度と2%目標に向けて順調に上昇しおり、日銀の追加緩和の可能性が遠ざかる可能性があり、これは円買い要因となります。
ただ6月には安部政権の新成長戦略が明らかになることが予想され、その内容は法人実効税率の引き下げと年金改革(GPIFの株式・外物投資増加など)となることが予想され、アベノミクス第一弾で見られた株高・円安の再来となるか注目されます。
地政学的懸念という意味ではウクライナの停戦協議が難航しており、またイラクにおけるアルカイダ系武装組織とマリキ・イラク政権との内戦勃発の可能性など、「リスク回避の円買い」が高まる可能性もありますが、イラク内紛の拡大は原油価格を押し上げるため、円売り材料ともなるため判断が難しい面があります。
特にドル円は4月以降100円台から103円台のBOX相場になっていますが、上記のように材料も円売り・円買いに特定できず、もうしばらくはレンジ取引が継続しそうです。
市場の関心はすでにECB理事会と7/4(金)が米独立記念日休場のため前日7/3(木)に発表日が前倒しされる米6月雇用統計が重なる7/3(木)に移りつつあります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9321-0.9431 AUDYEN 95.19-95.97
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9300-0.9500 AUDYEN 94.50-97.50
今週の豪ドルは利食いをこなしつつ堅調推移でしょう
先週の豪ドルは火曜日に発表された6月のRBA議事録が当初の声明文よりハト派的ニュアンスであったことや鉄鉱石価格が一時89ドル台まで続落したことを嫌気して93セント台前半、95円台前半まで下落しました。
RBA議事録では「当面緩和が継続する可能性」と述べ、「低金利が資源投資、財政引き締めの影響を十分相殺できるか不透明」と述べました。
ただ週後半に向けては鉄鉱石価格もやや持ち直し、加えてFOMCのハト派的内容から米ドルが軟調になり、かつ世界的な株高を好感して豪ドルは94セント台を回復しました。
またドル軟調の中米ドル円の下値は限定的であったことから豪ドル円は96円手前まで上昇。
本日発表された6月の中国HSBC製造業PMIが予想を上回る50.8(予想は49.7)であったこともサポート要因となり94セント台半ば、96円台前半に続伸しています。
また週末の世論調査(二大政党間)で保守自由連合の支持率が5月の44%から47%に(労働党支持率は56%から53%に下落)やや挽回したことも豪ドル押し上げに働いているようです。
今週豪州国内では大きな指標はなく、主に日欧米の金融政策や地政学的リスク、更には鉄鉱石をはじめとする商品相場を眺めた展開となります。
安部政権の成長戦略で年金関連機など本邦関投資家の海外投資が増加する可能性が高まれば、豪ドル円相場を更に押し上げる可能性があります。
一方米豪金利差に起因する豪ドルの対米ドル上昇は95セント近辺で頭打ちとなる可能性がありますが、円のみならずユーロなどの低金利通貨から豪ドルへの資金シフトが底流にあることから、豪ドル自体も節目の95セントを上抜く可能性が出てきました。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。