今週の主な予定、イベント
8/4(月)豪州6月小売売上高、ユーロ圏6月PPI
5(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、豪州6月貿易収支、中国7月HSBC製造業PMI、インド政策金利、ユーロ圏6月小売売上高、米国7月ISM非製造業景況指数、米6月製造業新規受注
6(水)NZQ2失業率、英国6月鉱工業生産、米6月貿易収支
7(木)豪州7月雇用統計、BOE理事会、ECB理事会、米国新規失業保険申請件数
8(金)日銀会合(黒田日銀総裁会見)、日本6月国際収支、中国7月貿易収支、カナダ7月雇用統計、米6月卸売在庫
マーケットの焦点
キーワード:地政学的懸念(ウクライナ、イラク、パレスチナ)、BOE/ECB理事会、日銀会合、8月金融危機説?GPIF
先週は世界的に株価に調整が入りました。NYKダウは週初の17,000近辺から16,500を割る水準に、また独DAXも9,600から9,200に大幅下落しています。
その中で日経平均はむしろ15,500近辺と小じっかり、また住宅購入規制緩和を受けて中国上海総合指数だけは堅調推移しています。
年央に史上高値圏を付けた欧米株式市場に高値警戒感が出つつある所に、地政学的懸念、アルゼンチンの一部債務不履行、ポルトガル大手銀行株の急落などの悪材料が重なりました。
また商品相場も先物インデックスCRBが293台に落ちるなど軟調でした。
為替市場ではドル高が顕著となりました。
従来からの”リスク回避のドル買い”に加えて発表された米国Q2GDPが前期比年率で+4.0%(予想+3.0%、前期-2.9%)と非常に強い数字となり、またFOMCでインフレ判断が上方修正されたこともFRBの利上げ前倒し観測につながりドルを押し上げました。
ドル円は4カ月ぶりの高値103円台を付け、ユーロは1.33台と年初来安値を更新しました。
ただ金曜日に発表された米7月雇用統計は久しぶりに予想をやや下回り、週末に向けては利食いのドル売りが見られました。
そろそろ北半球では夏休みシーズンとなりますが今週の焦点は引き続きウクライナ、中東などの地政学的リスクと木曜日のECB/BOE理事会、金曜日の日銀会合などの各国金融政策になります。
地政学的リスクでは中東のラマダン(断食月)明けで戦闘激化が懸念されます。
イラクのアルカイダ系武装組織”イスラム国”とイラク、イラン、シリア、サウジアラビア諸国との紛争が懸念され、またパレスチナではイスラエルのガザ地区への地上侵攻で中東全体の緊張が高まる可能性がありますが、”米軍派遣なき中東紛争”は原油高などを通じて”有事のドル買い”に働く可能性もあります。
一方ポロシェンコ・ウクライナ政権と親ロシア武装勢力との武力衝突が激化しつつあり、欧米の対ロ制裁と合わせてリスク回避の円買いにつながる可能性があります。
各国金融政策では時にECB理事会において追加緩和策として量的緩和導入に踏み込んだ決断がなされるか注目されます。
一方日本では最近株高・円安も小康状態で安倍内閣支持率も5割を切っています。
来年10月の消費増税実施の判断は今年Q3GDPを参考にすることで、日銀が今週の金融会合で追加策に言及するのかも焦点です。
歴史的にも8月は金融危機が多発しています(ロシアの債務不履行、米国格下げ、米サブプライムローン危機など)。市場活性度落ちる中で金融市場が不安定な動きとなる可能性にも留意したいところです。
ドル堅調地合が夏場にかけて継続するのかがポイントですが、上記のように不安材料も混在します。しかしながら日米金融政策のかい離傾向や、本邦機関投資家(GPIFなど)の外貨資産投資需要などを勘案すると、ドル円の下値も限定的と考えます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.92751-0.9416 AUDYEN 95.29-96.12
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9400 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは引き続き上値の重い一方、下値は押し目買いにサポートされる展開でしょう
先週の豪ドルは対ドルで93セント割れまで軟調、対円ではやや軟調も95円台を維持しました。
今週はRBA理事会はじめ各種指標が発表されます。
RBA理事会では金利据え置きが予想されますが、Q2CPIが高かったことや、このところの豪ドルの反落(94セント台→92セント台)を勘案するとスティーブンス総裁による豪ドル高けん制もトーンダウンするのではないでしょうか。
今朝発表された6月小売売上高は前月比+0.6%(予想+0.3%、前回-0.5%)とやや強い数字でしたが、今週はその他にも6月貿易収支や7月雇用統計が発表されます。
特に一旦5.8%まで落ちた失業率が6月は6.0%まで再度悪化しており、7月の数字が注目されます。
最近の中国指標は総じて堅調である半面、鉄鉱石や石炭を含めて商銀相場は軟調であり豪ドル相場を取り巻く材料も好悪両面があります。
6月以降のレンジ92セント台~95セント台、94円台~96円台を抜けるには材料不足の感が否めませんが、リスク許容度が大幅減少するような突発的事件が起きない限り、下値は投資家需要でサポートされる展開が足元続きそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。