今週の主な予定、イベント
8/11(月)日本6月第三次産業活動指数
12(火)日本7月国内企業物価指数
13(水)日本Q2GDP、中国7月小売売上高/鉱工業生産、独7月CPI、英7月雇用統計、米7月小売売上高、日銀議事録、英中銀四半期インフレ報告、地区連銀総裁講演(NYK連銀、ボストン連銀)
14(木)日本6月機械受注、韓国中銀政策金利、Q2GDP(独、仏、欧州)、ユーロ圏7月CPI、米国新規失業保険申請件数
15(金)英Q2GDP、米8月NY連銀製造業景気指数、米7月PPI、米7月鉱工業生産、米8月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:地政学的懸念(ウクライナ、イラク、パレスチナ)、日本Q2GDP、欧州Q2GDP、8月金融危機説?GPIF
先週は地政学的懸念が全般に強く世界的に株価は軟調推移しました。
欧米の対ロシア追加制裁に対してロシアは制裁実施国からの農産物輸入禁止措置を発表し、またオバマ大統領がイラクへの限定的空爆を承認し、実際に空爆が実施されたことからリスク回避色が強まりました。
先週は豪、欧州、英国、日本の金融政策が発表されましたが、いずれも予想通り現状維持でした。
ロシア国防省は8日「ウクライナ国境付近での軍事訓練は終了した」と述べ、部隊を基地に帰還させると発表したことから週末にはウクライナ情勢の緊張緩和期待も見られました。
また米国がイラクのアリカイダ系武装勢力への限定的な空爆を承認したことからオバマ政権の中東からの撤退シナリオが逆戻りするとの懸念が高まっており、またイスラエルとハマスが再び72時間停戦に合意しましたがこちらも根本解決から程遠い状況。
今週も係る地政学的リスクの展開が主要材料となりますが、米国が部分的空爆を開始したことにより事態は更に複雑化しています。
”米国の軍事介入なき中東紛争は原油高や有事のドル買い材料”と言ってきましたが、地上部隊派兵には否定的とはいえ今後軍事介入が拡大するればドル売り材料視されるでしょう。
一方中東紛争から原油価格上昇となれば日本経済にとってマイナス要因であり円売り材料となります。
13日には日本のQ2GDPが発表されます。予想は消費増税を受けてQ1の+6.7%(前期比年率)から-7.1%への大幅減速となっています。
2015年10月に予定される追加消費増実施の前提として今年Q3のGDPを重要視する旨政府は述べていますが、景気減速に加えて最近の消費者物価伸び率低下や株価軟調などへの対抗措置として再び金融緩和観測が高まる可能性があります。
米国の7月雇用統計が予想を下回り金利先高館がやや低下する一方、地政学的懸念や日欧のQ2GDP発表、更に日銀の追加緩和観測などで為替相場も一方方向へのトレンドが見えない状況です。
ただ先週の日経平均大幅下落(15,523→14,778)にもかかわらず、ドル円相場が
再び102円台を回復してきており、やはり巨額の貿易赤字に起因する需給面での円売り需要やGPIFなど本邦機関投資家の外貨建て資産への投資増額の動きがドル円を下支えする展開が継続しそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.92391-0.9357 AUDYEN 93.93-95.83
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9400 AUDYEN 93.50-96.50
今週の豪ドルは下値固めで底堅い展開でしょう
先週の豪ドルは木曜日に7月の雇用統計の弱い内容(失業率6.4%、就業者数-300人)で92セント台半ば、94台半ばに下落し、翌金曜日に東京市場で米国のイラクへの空爆が議会承認されたことから一気にリスク回避色が強まり一時92セント台前半、94円割れに続落しました。
しかし金曜日ニューヨーク市場では米国が地上部隊派兵には否定的な見解を述べたことや、ロシア軍がウクライナ国境付近から帰還するとの報道もあり、リスク回避ムードが後退して92セント台後半、94円台後半に反発しています。
今週は豪州国内で大きなイベントはなく、引き続き係る地政学的懸念に振り回される展開が予想されますが、その他では水曜日に発表される中国の7月小売売上高/鉱工業生産にも注目したいところです。
豪ドルの習性として、普段投資資金が集まり豪ドル買いポジションに傾きやすいため、何かリスク回避材料が出ますと”ドスン”と下落します。
しかしよほどのデザスターでもない限り、市場が落ち着けば再び投資資金が戻ってくるというパターンです。
先週の弱い雇用統計以来、RBAの金融引き締めが当初の市場予想である来年上半期から更にずれ込むとの観測がある一方、米国は着々と出口戦略に向かっており、先行き金利格差縮小の思惑から豪ドルの対ドル相場は上値が重い展開でしょう。
一方豪ドル円相場は先週一旦落とされましたが、市場が落ち着けば再び上値をテストする展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。