今週の主な予定、イベント
8/25(月)独8月ifo景況感指数、米7月新築住宅販売、英国休場
26(火)NZ7月貿易収支、南アQ2GDP、米7月消費者信頼感、米7月耐久財受注
27(水)独9月GFK消費者信頼感
28(木)独8月雇用統計、独8月CPI、ユーロ圏8月消費者信頼感、米Q2GDP、米7月中古住宅販売件数、米国新規失業保険申請件数
29(金)日本7月雇用統計・CPI・鉱工業生産、英8月GFK消費者信頼感、ユーロ圏7月失業率、ユーロ圏8月CPI、インドQ2GDP、カナダ6月GDP、米7月個人消費・支出、米8月シカゴ購買部協会景気指数、米8月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:ウクライナ情勢-首脳会談(26日)、中東情勢、日米インフレ率、GPIF
先週は地政学的懸念は一進一退でしたが、市場の目がFOMC議事録や米国ジャクソンホール・経済シンポジュウムに移る中、世界的な金融緩和継続の思惑も株価を押し上げ、NYKダウは17,000ドル台に、また日経平均も15,500円台に再上昇しました。
注目のFOMC議事録では、タカ派・ハト派両面がありましたが市場は「雇用増で利上げが早まる可能性」という部分に反応。
またジャクソンホール・シンポジュウムにおけるイエレンFRB議長演説は、予想通りに雇用に対する慎重な判断が見られましたが、こちらでも市場はむしろ「労働市場の回復が早ければ利上げが前倒しになる可能性がある」という部分に反応。その後段の「遅ければ遅れる公算」という部分を無視したのは米ドル金利先高観に傾きつつある市場のムードを表しています。
為替市場では米ドルが全面高になっています。
係る米金融当局者の発言もありますが、今週発表された米住宅指標(7月住宅着工、建設許可、中古住宅販売など)が軒並み強い数字で、雇用と並んでFRBの懸念事項である住宅部門が回復しつつある印象です。
またドラギ総裁がシンポジュウム講演で「政策スタンスを更に調整する用意、米国との金融政策の違いによる為替レートの方向性を持続すべき」とハト派的発言あるいは間接的にユーロ下落歓迎のスタンスを示したこともユーロを押し下げました。
ドル円は1月以来の高値104円台に上昇し、ユーロは1.31台後半に、またポンドは1.65台半ばに下落しています。
今週は26日にプーチン・ロシア大統領、ポロシェンコ・ウクライナ首相・EU代表の三者会談がありますが、期待感が高まる一方、交渉が決裂すれば再びリスク回避の円買いとなる可能性があります。
またイラクやパレスチナを巡る緊張もリスク許容度と同時に原油価格の動向にも影響を与えるでしょう。
今週は金曜日に日本の7月諸指標が発表になりますが、特に7月消費者物価指数は注目されます。予想値は前月と同じ+3.3%(前年同月比)、消費税増税調整後で+1.3%と前月なみですが、Q2GDPの落ち込みに加えてインフレ率が伸び悩んでいる現状から、日銀内でも追加緩和議論が高まる可能性があるでしょう。
また同日米国の7月コア個人消費支出(PCE)が発表され予想は前月の+0.4%(前月比)から+0.2%に伸び率が低下となっており、こちらは低金利長期化の材料視される可能性があります。
先週はFOMC議事録とイエレン発言が米金利先高観、利上げ前倒し観測につながりましたが、イベント終了後市場は来月の米8月雇用統計をにらんで実体経済面での諸指標を注目することになります。
ただ景気格差、金利格差から米ドルが優位にある状況に著変はない模様です。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9238-0.9346 AUDYEN 95.24-96.87
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9400 AUDYEN 95.50-98.50
今週の豪ドルは引き続き豪ドルドル保合、豪ドル円堅調でしょう
先週はRBA議事録で「成長見通しに相当の不透明感かある」と表現され、またスティーブンスRBA総裁の議会証言では「豪ドル(高)は成長の持続に貢献していない、適切なら介入も排除しない」など比較的強い調子で豪ドル高けん制が行われました。
また金曜日に発表になった中国8月HSBC製造業PMが50.3(予想51.5)と意外に弱い数字になったこともあり、一時92セント台前半に反落しました。
ただ豪ドル円は上述のようにドル円が上放れしたことから96円台後半に上昇し、今週は97円台前半に続伸しています。
今週豪州国内では木曜日に発表されるQ2民間設備投資(CAPEX)が注目されます。予想値は-0.9%(前期比)、前回-4.2%ですが、やはり資源投資が引き続き低調であるのか注視する必要があります。
豪ドルは米ドル全面高地合にあって、米豪金利格差縮小観測や景気格差がネガティブに働く一方、世界的な株価堅調からリスク許容度が増加しており、投機資金が流入しやすく、豪ドルを下支えするでしょう。
対円ではドル円が本格的に続伸する場合には、いよいよ大きなターゲット100円を目指す動きも否定できません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。