今週の主な予定、イベント
9/1(月)中国8月製造業PMI、独Q2GDP(確報値)、米国レイバーデー休場
2(火)RBA理事会(据え置き予想)、ユーロ圏7月PPI、米8月ISM製造業景況指数
3(水)豪州Q2GDP、政府内閣改造、中国8月非製造業PMI、ユーロ圏7月小売売上高、カナダ中銀理事会、米7月製造業新規受注、FRBベージュブック
4(木)豪州7月小売売上高/貿易収支、日銀会合、ECB/BOE理事会、米8月ADP雇用者数、米8月ISM非雇用統計、米国新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(パウエル理事、ダラスFED、クリーブランドFED、ミネアポリスFED)
5(金)日銀月報、ボストンFED総裁講演、米8月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:地政学的懸念(ウクライナ、中東)、米8月雇用統計、各国中銀理事会(RBA、カナダ、ECB、BOE、日銀)、GPIF
先週も地政学的懸念(ウクライナ、中東)は一進一退でしたが、世界的に株価は堅調でNYKダウは一時17,153.80に史上高値を更新しています。
為替市場では前週のFOMC議事録やイエレンFRB議長のジャクソンホール演説で利上げ時期の前倒しの可能性が示唆されたことからドル高が進行しています。
ドル円は週初シドニー市場で104.49と1月以来の高値を付け、その後プーチンロシア大統領が「ロシアは停戦を協議する立場にない」と発言してリスク回避の動きが強まり、一旦103円台半ばまで反落しましたが、週末には再度104円台に乗せています。
またユーロは米国の利上げ前倒し観測や、全般的に不冴えな欧州景況を反映して1.31台前半まで年間安値を更新しています。
今週は材料満載です。
豪州、カナダ、日本、欧州、英国などの各国中銀の理事会が開催されますが、特に注目されるのは日銀会合とECB理事会です。
日本はQ2GDPの落ち込みとインフレ率低迷という問題を抱えています。
来年10月に予定される消費増税の可否の判断が年末に発表されるQ3GDPであると政府は表明しているため、政治的にも追加緩和の圧力が高まる可能性があります。
一方ECB理事会では6月に実施された大規模緩和策の効果を見極めるスタンスでしょうが、最近の欧州の不冴えな景況から、ドラギ総裁は「必要とあれば追加緩和」発言を繰り返すでしょう。
この様に景気格差・金利格差からの米ドル堅調地合に大きな変化はない模様ですが、一方市場のドルロング(ドル買い)ポジションの積み上がりも進行しています。
ウクライナや中東の地政学的懸念が強まればリスク回避の円買い戻しが活発化するでしょう。
もっとも米軍の派遣なき中東紛争の拡大は、原油価格の上昇を伴い、原発稼働停止で原油輸入に頼る日本経済にとりダメージを与えるばかりか、貿易赤字を拡大させるために円売り材料と判断される点にも留意が必要です。
米国の利上げ時期が前倒しされるとしてもそれは来年の話であり、ドルが一本調子で上昇するわけではなく、調整を交えながらのドル上昇局面となるでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9271-0.9374 AUDYEN 95.47-97.27
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9200-0.9400 AUDYEN 95.50-98.50
今週の豪ドルは国内イベント多い中、豪ドルドル保合、豪ドル円堅調でしょう。Q2GDPは一部マイナス予想もあり要注意
先週の豪ドルは発表されたQ2民間設備投資が前期比+1.1%(予想-0.9%)と強く、週央のドル反落局面では一時93セント台後半まで上昇しました。
特に豪ドルはクロス取引で堅調で対円97円台前半、対ユーロ0.71台、対NZドル1.11台など軒並み年初来高値を更新しました。
今週はRBA理事会が開催されますが、金利は据え置き予想です。
しばらくはRBA声明にみられる”金利の安定期”が継続する見込みです。
また今週はQ2GDP、7月小売売上・貿易収支などの各指標が発表されますが、Q2GDP予想値は前期比が+0.3%(前回+1.1%)、前年同月比+3.0(前回+3.5%)と5月に発表された政府の緊縮予算案を嫌気してややスローダウンとなっています。一部には前期比マイナス成長の予想もあり要注意でしょう。
全般的にはドル堅調地合にあって対米ドルの上値は限定的となり、一方日欧との景気格差・金利格差からクロス取引が堅調な状況が続くでしょう。
クロス取引は資金の移動を伴った中期的なトレンドを形成するパターンが時としてあるものです。
地政学的懸念が大きく悪化する事態とならなければ、世界的な株価堅調からリスク選好的な資金が豪ドルに流入する傾向があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。