今週の主な予定、イベント
9/15(月)日本休場(敬老の日)、米国8月鉱工業生産/設備稼働率、米9月NY連銀製造業景況指数
16(火)黒田日銀総裁講演、英8月CPI/PPI、独9月ZEW景況感指数、米8月PPI、米国務長官イスラム国に関する戦略で議会証言
17(水)英8月失業率、英中銀議事録、ユーロ圏8月CPI、米8月CPI、米FOMC(経済予測、議長会見)
18(木)黒田日銀総裁挨拶、日本8月貿易収支、NZQ2GDP、中国8月新築住宅価格、米8月住宅着工件数/建設許可件数、米国新規失業保険申請件数、ウクライナ大統領訪米、スコットランド独立の是非を問う住民投票
19(金)米8月景気先行指数
20(土)-21(日)ケアンズG20
マーケットの焦点
キーワード:FOMC(9/16-17)、地政学的懸念(ウクライナ、中東)、G20、GPIF
先週はウクライナ情勢、イラク情勢も不透明感強く、加えてスコットランドの独立問題なども影響して主要国の株価は軟調推移し、また商品相場も下落しました。
為替相場ではドルが対円で6年ぶりの高値107円台に上昇する一方、対ユーロでは1.28台まで上昇後、またポンドでは1.60台まで上昇後、やや調整反落しています。
ドル円上昇の背景としてはQ2GDP下方修正を受けて日銀の追加緩和期待が高まったことや、日銀の円安容認姿勢も影響しているようです。
予想外のECBによる追加緩和を受けて1.28台まで急落したユーロですが、先週は利下げ打ち止め感や無条件の量的緩和に対する慎重論も聞かれ1.29台に反発しました。
一方前週末のスコットランド独立住民投票(9/18)の世論調査で独立支持派優勢の結果を受けて1.60台まで下落したポンドですが、先週は独立反対派優勢の結果も聞かれ、1.62台まで値を戻しています。
今週は16-17日のFOMCが注目されます。
100億ドルのテーパリング(緩和縮小)と10月の緩和終了の表明が予想されますが、加えて常套文言”(QE縮小完了から利上げまで)相当期間”の文言が削除されるのではとの思惑があり、削除されればドル買い要因となるでしょう。
週末(9/20-21)にはケアンズG20が開催されますが”各国の金融政策のかい離”が議題となるでしょう。
また地政学的リスクではウクライナ政府と親ロシア分離派の停戦合意がなされましたが、欧米は再びロシアに対して懲罰的制裁を実施しており、再び緊張が高まる可能性があります。
またオバマ大統領がシリアとイスラム国への空爆を決意したことから中東リスクが高まっていますが、リスク回避のドル売りと同時に原油価格が再び急上昇すれば、日本にとっての悪材料として円売り材料にもなりえますので、その判断が難しいところです。
この様に今週もFOMCを中心に材料満載です。
ドル高トレンドは基本的に継続と見ますが、一方上記材料から思わぬ波乱が起きる可能性もあり、気の抜けない相場展開となりそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9030-0.9374 AUDYEN 96.92-98.65
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8900-0.9100 AUDYEN 95.50-98.50
今週の豪ドルは下値模索から反転の機会をうかがう動きでしょう
先週の予想は”豪ドルは対ドル保合、対円堅調地合を予想”としましたが結果として予想はハズレて大きく値を下げ、今週初も90セント割れ、96円台前半に続落しています。
要因はドル高に加えて景況感の不冴え(NAB企業景況感、WESTPAC消費者信頼感)、鉄鉱石価格が5年ぶりの安値(83ドル台)に下落、週末に発表された中国の8月鉱工業生産・小売売上高の不冴えなどです。
また政府与党の支持率低下やテロ警戒レベル引き上げのニュースもネガティブに働いています。
先週発表された8月雇用統計の非常に強い数字(就業者数+121千人と過去最大の伸び、失業率は前月の6.4%から6.1%に改善)は市場懐疑的で、早くも来月に下方修正されるとの意見が聞かれます。
今回の豪ドル下落は対ドルでの下落が遅れていた豪ドルがその他通貨にキャッチアップしたとの見方もできますが、やはりこれだけの悪材料が出れば下落もいたしかたないというところです。
豪ドルドルはサポートレベル0.9200を抜いており、テクニカルには1月の安値86-87セント台がターゲットとなります。
また豪ドル円は取り敢えず上昇トレンドを維持していますが、サポートレベル95.00近辺をブレークすればこれまた下降トレンド入りします。
対ドルでは金利格差、景気格差、中国景気減速懸念があるために、足元上値は限定的でしょう。
一方豪ドル円もかなりの”買われ過ぎ状態”であっただけに現在2円超反落していますが、ドル円が更に続伸する場合には、豪ドルドルの下落を相殺しながら底堅い展開となることが予想されます。
足元豪ドル軟調ですが、底割れリスクよりは、やはり90セント以下では投資家の押し目買いでサポートされる展開を予想します。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。