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シドニー発豪ドル見通し(22 September 2014)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

9/22(月)安倍首相訪米、ユーロ圏9月消費者信頼感、米8月中古住宅販売、NY FED総裁講演、ドラギECB総裁経済金融委員会で証言

23(火)日本休場(秋分の日)、中国9月HSBC製造業PMI、独/ユーロ圏9月製造業/非製造業PMI、仏Q2GDP(確報値)、地区連銀総裁講演(カンザスシティー、セントルイス)

24(水)RBA金融安定化報告、独9月ifo景況感、米8月新規住宅販売、地区連銀総裁講演(クリーブランド、シカゴ)

25(木)独10月GFK消費者信頼感、米8月耐久財受注、アトランタ連銀総裁講演、米国新規失業保険申請件数

26(金)日本9月CPI、米Q2GDP(確報値)、9月ミシガン大学消費者信頼感

 

マーケットの焦点

キーワード:FRBの出口戦略、米Q2GDP(確報値)、日本8月CPI、地政学的懸念(ウクライナ、中東)、GPIF

先週は米FOMCとスコットランド独立の住民投票の二大イベントが市場の焦点となりました。

FOMCではいわゆる「相当期間文言」―量的緩和終了後「相当期間」低金利が続く―が削除されずに緩和継続姿勢が示されましたが、一方委員らの”金利見通し”が引き上げられたこと、並びに出口戦略に向けた”新たな指針”が示されたことが市場には“出口戦略に前向き”と評価されドルが全面高になりました。

ドル円は6年ぶりの高値を更新して一時109円台半ばに上昇。

一方ユーロは2013年7月以来の1.28台前半に下落しました。

ポンドはスコットランド独立支持派が優勢との報もあり、一時2013年11月以来の1.60台に下落しましたが、結局住民投票の結果独立反対派が勝利し、一時1.65台に反発後、イベント終了に伴う”SELL ON FACT”の売りで1.62台に反落するなど乱高下。

今回FOMC後に米国のルー財務長官が「強いドルが常に米国の最大の利益」と発言したこともドル高に拍車をかけました。

今週は引き続き米国の金融政策と地政学的懸念(ウクライナ、中東)という注目材料がありますが、その他にも26日に発表される日本の8月コアインフレ率(予想前年比+3.2%、前回+3.3%)と同夜発表の米国Q2GDP(確報値)(前期比年率、予想+4.6%、前回+4.2%)が重要です。

予想通りであれば日米の金利差拡大の思惑からドル堅調地合が継続するでしょう。

また日本はQ2GDPの下振れと、インフレ上昇率の鈍化から日銀の追加緩和観測が高まるでしょう。

加えてGPIFなど機関投資家の外物投資増額観測がドル円をサポートするでしょう。

一方ウクライナでは停戦同意したものの、欧米がロシアに追加制裁を加えたため、ロシアの報復措置の可能性もあり、こちらはリスク回避の円買いを誘う可能性があります。

また中東情勢でも、オバマ大統領がシリアとイラク北部の「イスラム国」への空爆を決定したことでテロリストの報復を含め地政学的リスクが高まります。

一方原油価格が再度上昇すれば日本経済にとってマイナスであり、円売り材料視される面もあります。

基本的に景気格差、金利格差からドル円は依然上値余地あり、心理的レベル110円を目指す可能性も指摘されます。

ただ9月に入ってからのドル円の上昇速度が速すぎることや、本邦財界、政府筋からも「過度の相場変動」をけん制する動きも見られるため、調整が入る可能性にも留意したいところです。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.8920-0.9112  AUDYEN 96.36-92-98.65

今週の予想レンジ AUDUSD 0.8850-0.9050  AUDYEN 96.00-99.00

今週の豪ドルは下値圏でやや軟調推移でしょう

先週の予想は”下値模索から反転をうかがう”としましたが、特に対ドルではFOMC前に91セント台に反発したものの、結局FOMCを受けて再び89セント台前半に下落。

対円ではドル円上昇を受けて一時98円近辺をテストしましたが、今週はドル円の伸び悩みと豪ドルドルの軟調を受けて97円台前半に値を下げています。

今週国内では大きな指標がなく、引き続き米国金融政策/経済や中国経済動向がメインテーマとなります。

中国関連では23日に9月HSBC製造業PMIが発表されますが、8月は51.1と不冴えであったため、分岐点50.0を割る可能性があるのか注目したいところです。

また中国経済減速懸念を主因として豪州の二大輸出口資源、鉄鉱石と石炭の価格が低迷していますが、こちらも底入れするのか注視したいところです。

米国との金利格差縮小・ドル全面高に加えて、中国景況なども冴えず、国内テロ警戒レベル引き上げなども豪ドルにネガティブな材料とみられています。

年初の安値86セント台を目指す動きも指摘されますが、一方ソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)や主要国中央銀行の”BUY ON DIPS”需要や、豪ドル円の押し目買い需要が下値をサポートするでしょう。

豪ドル円は100円到達前に96-98円台で一旦揉んでエネルギーを蓄える必要があるようです。

 

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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