今週の主な予定、イベント
9/29(月)臨時国会召集、独9月CPI、米8月個人消費支出、米8月中古住宅販売
30(火)日本8月雇用統計、中国HSBC製造業PMI、独9月失業率、ユーロ圏8月失業率、米7月S&Pケースシラ―住宅価格
10/1(水)9月日銀短観、豪州8月小売売上高、上海・香港国慶節休場、中国9月製造業PMI、米9月ADP雇用者数、米9月ISM製造業景況指数
2(木)豪州8月建設許可件数・貿易収支、香港重陽節休場、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米8月製造業新規受注、米国新規失業保険申請件数
3(金)中国9月非製造業PMIM、ユーロ圏8月小売売上高、米9月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:FRBの出口戦略、地政学的懸念(ウクライナ、中東)、日銀短観、米9月雇用統計、GPIF
先週ウクライナ情勢では欧米の対ロ制裁に対してロシアが資産凍結の報復措置に出るなど不安感残り、また中東情勢では米国が戦争長期化を予想するなど、依然として地政学的リスクもくすぶっており、世界的に株価はやや軟調でした。
為替市場ではドル高が継続し、米ドルインデックスは85.77と2010年7月以来のレベルに上昇しています。
米国の利上げ前倒し観測が主たる原因ですが、その他主要通貨の弱材料が米ドル高を後押ししています。
ドル円は安倍首相が”円安の地方経済への影響”に言及するなど政財界からも円安に関する懸念が表明されており、また米FRB当局からも“過度のドル高”に対する懸念が聞こえてきます。
これらを意識してドル円も一旦は108円台前半に反落しましたが、下がったところでは実需の円売り(貿易赤字+外貨資産投資)が活発化し、再びドル円を押し上げる展開です。
米国がインバージョン規制(M&Aなどを通して米企業の本社が低税率の国に移転することを規制)導入を発表したり、塩崎厚労相がGPIF改革に前向きな発言をしたこともドル円をサポートしています。
またユーロはドラギECB総裁が国債買い入れを含も追加緩和に前向きな姿勢を示したこともあり1.27割れに下落。9月に入り下落基調の豪ドルに加えて、NZドルもNZ中銀声明で強いNZドル高けん制をしたことや8月に5億ドル超のNZドル売り実施―介入ではない)から節目の80セントを割り込んで77セント台に下落するなど、引き続き”ドル全面高”の様相です。
今週は10/1に発表される9月日銀短観が注目されます。予想値は大企業DIが10(前回12)、大企業先行き12(前回15)、大企業設備投資7.0%(前回7.4%)といずれも前回を下回っています。
また消費者物価(消費増税調整後)が再び1%を割り込むとの観測もあり、弱い景況や消費者物価が現実のものとなれば、再び日銀追加緩和観測が高まり、ドル円をサポートするでしょう。
また金曜日には米9月雇用統計が発表されますが、予想値は失業率6.1%(前回6.1%)、非農業部門就業者数(NFPR)+21.5千人(前回+14.2千人)ですが、一部に+30千人という強い予想もあります。
7月、8月とNFPRの伸び悩みが見られましたが、最近の失業保険申請件数は改善傾向にあり、強い数字が出る可能性もあります。
金曜日に実際に数字が出るまでは”強い数字の織り込み期間”としてドル円が110円の大台をトライする可能性があるでしょう。
110円には仕組み債に絡むドル買い戻しや、本邦機関投資家の円高ヘッジポジション(つまりドル円売りポジション)の解消に伴うストップロスのドル円買いオーダーも溜まっているようです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8748-0.8949 AUDYEN 95.37-97.47
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8650-0.8850 AUDYEN 94.50-97.50
今週の豪ドルは引き続き下値模索でしょう
先週の予想は”下値圏ででやや軟調”予想としましたが、結果的には”続落”で、年初以来の安値87セント台前半、95円台前半まで値を下げました。
”投資家需要が下値をサポート”と読みましたが、さすがに9月以来のクリアなダウントレンドを警戒して、投資家も買い控えから”様子見”に回ったようです。
米ドル全面高地合にあって、米豪金利格差の縮小観測が最大の原因です。
また中国経済減速懸念から鉄鉱石が78ドル台、石炭(燃料炭)が66ドル台まで続落するなど、商品相場が依然軟調なことも豪ドルの上値を重くしています。
元NY大学教授のルービニ氏が「豪ドルが75セント近辺まで20%下落する可能性」と発言したことも豪ドル下落に拍車をかけました。
今週は8月の小売売上・建設許可件数・貿易収支などの国内重要指標が発表になります。
上記ルービニ氏の豪ドル下落予想はさておき、豪ドルの特性として「一旦トレンドできると行き過ぎる(オーバーラン)まで止まらない」というのがあります。
豪ドルドルの今年1月の安値0.8660までもう70-80ポイントですが、取り敢えずはこのレベルをターゲットしているのでしょう。
豪ドル円はドル円が110円を目指す勢いですのでさすがに下落速度は遅くなるでしょう。
豪ドル反転には中国経済のソフトランディング予想が出て商品相場が下げ止まることが必要でしょうが、RBAの利上観測(早くて来年前半でしょうか、、)が聞こえ出せば、これまた状況は変わります。
ただこれらの要因なしで”自律反転”を待つとすれば、まだしばらく先のこととなりそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。