今週の主な予定、イベント
10/6(月)シドニー休場(レイバーデー)、上海休場(国慶節)、カンザスシティー連銀総裁講演
7(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、日本9月景気動向指数、日銀会合(黒田総裁記者会見)、地区連銀総裁講演(NYK、ミネアポリス)、IMF世界経済見通し
8(水)日本8月国際収支、日銀月報、中国9月サービス業PMI、FOMC議事録、バーナンキ8前議長講演、IMF国際金融安定化報告書
9(木)豪州9月雇用統計、BOE理事会、ECB月報、ドラギ総裁講演、地区連銀総裁講演(セントルイス、SF)、米国新規失業保険申請件数、G20(ワシントン)
10(金)日銀議事録、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、カンザスシティー、リッチモンド)、独中首脳会談、世銀・IMF総会
マーケットの焦点
キーワード:FRBの出口戦略、地政学的懸念(ウクライナ、中東、香港)、日銀会合、G20・IMF世銀総会、GPIF
最近世界的に株価は軟調で商品相場も年初の安値圏(CRB INDEXは277レベル)に下落しています。
背景には根強い地政学的リスク(ウクライナや中東に加えて先週は香港の民主化デモもクローズアップ)や中国経済減速懸念があります。
為替市場では”ドル高”が進行しました。
ドル円は9月日銀短観が予想を上回ったにもかかわらず、水曜日には2008年8月25日以来の高値110.09まで上昇しましたが、買い続かず一旦108.00近辺に下落しました。
背景は木曜日のECB理事会や金曜日の米国9月雇用統計を控えたポジション調整ですが、香港の民主化運動の激化や、米国でエボラ熱患者が発見されたことなども材料視され、「NYKダウ下落、米最利回り低下、日経フューチャー下落」の三点セットがドル売り戻しを誘いました。
注目のECB理事会ではカバードボンドやABS証券(住宅ローン証券のように資産の裏付けのある証券)買取のスケジュール(量的緩和策)が明示されましたが、市場が注目する国債買取については特にヒントはなく、結果は想定内として一時ユーロは1.2700近辺に反発しています。
しかし金曜日の米9月雇用統計は失業率5.9%(予想、前回ともに6.1%)、非農業部門就業者数+248千人(予想+215千人、前回+180千人←+142千人から上方修正)を受けて、ドル円は110円一歩手前、ユーロ1.25台前半、ポンド1.60割れと、再び”ドル全面高”の様相です。
今週は日銀会合、BOE理事会、ワシントンG20とIMF・世銀総会などのイベントがあり、またFOMC議事録や地区連銀総裁講演も多くあります。
再び上昇してきた米ドルが堅調地合を維持できるか、あるいは再度反落か注目されます。
日銀会合では最近のインフレ率の低迷と景況感悪化から日銀が追加緩和を行うのかがポイントです。
一部には最近のドル円上昇を受けて、追加緩和は当分見送ると読む向きもいます。
また予定されるG20、IMF・世銀総会では主要国の”金融政策の乖離”がひとつのテーマとなるでしょうが、特定国の通貨安(たとえば円安に言及されるか、もちろん現在は”円安”と言うより”ドル高”ですが、、)も大きな焦点となります。
先週見られたように、ドル円は上昇→調整反落を繰り返しながら、中期的な上昇トレンドを築いていく展開でしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8642-0.8826 AUDYEN 94.88-96.03
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8600-0.8800 AUDYEN 94.00-97.00
今週の豪ドルは徐々に底入れでしょう
先週の予想は”下値模索”と予想としましたが、結果的には一旦88セント台、96円近辺まで反発しましたが、結局は87セント割れ、95円台前半の安値圏に反落してます。
発表された8月小売売上高が+0.1%(予想、前回ともに+0.4%)と冴えずに豪ドルは下落しますが、木曜日に発表された8月住宅建設許可件数が+3.0%(予想+1.0%、前回+2.5%)と予想を上回り、また8月貿易赤字が-787mioと予想-850mio、前回-1,075mio)と赤字幅が減少したことも豪ドル買戻しを誘いました。特に中国向け輸出が前月の67億ドルから83億ドルに増加したことも好感されました。
しかし結局は米雇用統計を受けたドルの急反発で再び83セント台に反落。対円ではドル円の再上昇と相殺し合いながら95円台前半での揉みとなっています。
今週国内イベントでは火曜日のRBA理事会と木曜日の9月雇用統計が焦点です。
RBA理事会は引き続き金利据え置きでしょうが、年初からの安値圏にある豪ドルの評価に関して、引き続き”歴史的高値圏”という文言が使われるのか、あるいは今回は言及しないか注目です。
また9月の雇用統計では8月の驚くべき数字(就業者数+121千人、失業率6.1%)にどの程度下方修正が加えられるか、あるいは9月の数字に反動が表れるかもポイントです。因みに市場予想は失業率が6.2%に悪化、就業者数が-30千人と弱い数字になっています。
米国の利上げコンセンサスが2015年6月近辺とされる中、米豪金利格差縮小観測が豪ドルの重石となっているのは事実です。
加えて中国景気減速懸念から商品相場(特に鉄鉱石と石炭価格)が軟調推移していることも豪ドルの足かせです。
最近の上昇はポジション調整による反発に過ぎないわけで、中期的に豪ドルが再び上昇トレンドに戻るには中国経済ソフトランディングシナリオがメインとなって商品相場が下げ止まること、更には豪州国内景気回復や住宅バブル懸念からRBAが金融引き締めを示唆することが必要で、それはまだ暫く先のこととなりそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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