今週の主な予定、イベント
10/13(月)東京休場、中国9月貿易収支、シカゴ連銀総裁講演、ユーロ圏財務相会合
14(火)独10月ZEW景況感指数、EU財務相理事会、NAB9月企業信頼感/景況感
15(水)10月WESTPAC消費者信頼感指数、中国9月CPI/PPI、米9月小売売上高/PPI、10月NYK連銀製造業景況指数、地区連銀経済報告、ドラギECB総裁講
16(木)ユーロ圏9月CPI、米9月鉱工業生産/設備稼働率、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、セントルイス、アトランタ、ミネアポリス)、新規失業保険請件数
17(金)黒田日銀総裁講演、日銀金融システムレポート、米9月住宅着工件数/建設許可件数、米10月ミシガン大学消費者信頼感、イエレンFRB議長講演
マーケットの焦点
キーワード:FRBの出口戦略(ベージュブック、地連銀総裁講演)、地政学的懸念(ウクライナ、中東、香港)、中国貿易収支/CPI、ドラギ/イエレン講演GPIF
先週は地政学的懸念(中東、ウクライナ、香港、北朝鮮)やエボラ熱に加えて、IMFが今年と来年の世界経済見通しを下方修正したこともリスク要因とみなされ、主要国の株価は下落しました。
本日は東京休場ですが、日経フューチャーは15,000円を割り込み、NYKダウも16,500を割っています。
為替市場ではかかるリスク回避の円買い・ドル買いが優勢となり、先週107円台半ばまで下落したドル円は、本日は107円台前半まで続落しています。
円クロスではユーロ円が135円台半ば、ポンド円が1723円台半ばといずれも軟調です。
また先週末のG20、IMF/世銀総会では、世界経済の減速懸念が議題となり、G20の掲げる5年間でGDPを2%以上引き上げるという目標達成を危ぶむ声が聞かれました。
また「金融緩和のターゲットを通貨切り下げにしない」ことを再確認しており、早朝のドル円下落を誘った可能性があります。
また黒田日銀総裁は「為替レートが経済ファンダメンタルズを反映する限り円安は日本経済にとって有利」、「主要国間の金融政策の乖離は正当化される」と述べています。
今週の為替市場のポイントは現在調整局面にあるドル高・円安の調整が更に続くかという点です。
ドル反落の要因としてFRBの利上げ観測後退があります。
週末もフィッシャーFRB副議長は「FRBは経済が利上げに耐えられると確信した時に利上げを行う」と述べて利上げ観測の独り歩きをけん制しています。
その意味で15日(水)発表になるFRBの”ベージュブック”における地区連銀の景況判断が10/28-29のFOMCに影響を与えるとして注目されます。
10月にはいよいよFRBによるQE第三弾が終了する予定です。
また今週はドラギECB総裁/イエレンFRB議長の講演も予定されています。金融緩和と引き締め観測の両端に位置する両中銀トップの言動が注目されます。
先週IMFの世界経済見通しで中国経済成長見通し2014年7.4%、2015年7.1%を据え置きましたが、今週発表される9月の中国貿易収支・CPI・PPIを注視する必要があります。
9月から一方的に進んだドル高の流れがここにきて調整局面を迎えています。
日本の政財界から円安懸念が聞こえ、またFRBの理事/地区連銀総裁の中にもドル高のデメリットを指摘する声が聞こえるなど、日米両サイドからドル円上昇をけん制する見方があるのも事実です。
ただドル高調整が一巡すれば、景気格差、金利格差、財政改善に勝る米ドルが再び買われる地合が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8653-0.8898 AUDYEN 93.44-95.84
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8600-0.8800 AUDYEN 92.50-95.50
今週の豪ドルは揉み合い、豪ドル円は軟調でしょう
先週のRBA理事会の声明文では豪ドルが年初来の安値圏(86-87セント台)にあるにもかかわらず、「商品相場の下落を考えると豪ドルは歴史的に依然として割高」と述べらました。
その後木曜日早朝に発表されたFOMC議事録で予想外の”ドル高けん制”が見られ、ドルが主要通貨に対して急落したことから、一時89セント近辺、95円台後半まで上昇しました。
しかし木曜日に発表された8月の雇用統計で失業率は6.1%と予想をやや下回ったものの就業者数が-29.7千人、8月分も驚きの+121千人から+32.1千人に下方修正されたことから再び軟調に転じました。
さらに金曜日には世界的にリスク回避の動きが活発化して主要国の株価は続落し、豪ドルも86セント台半ば、93円台半ばに下落しました。
週末の流れを受けて今朝のFAR EAST市場でも、86セント台半ば、更にドル円では92円台後半まで続落しました。
現在リスク回避の動きや米国の金融引き締め観測、更には中国経済減速懸念など逆風にさらされている豪ドルで、86セント台半ばの年初来安値、対円でも3月以来の安値93円台まで続落しています。
既にかなり売られ過ぎで、中期的には底値圏に位置すると考えられますが、自律反転するには足元のリスク回避の動き(株価の下落)が収まることが先決問題と言えます。
”行き過ぎるまで止まらない”豪ドルの特性を考えると、下値は85セント、90円程度まで考えておいた方がいいかもしれません。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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