今週の主な予定、イベント
11/10(月)10月中国CPI・PPI、APEC首脳会議(安倍首相出席)、ボストンFED総裁講演
11(火)日本9月国際収支・10月景気ウオッチャー調査、豪州11月NAB企業信頼感/景況感・Q3住宅価格指数、米債券市場休場(ベテランズデー)
12(水)英10月失業率、英中銀四半期インフレ報告、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、ミネアポリス)
13(木)中国10月小売売上高・鉱工業生産、ECB月報、ECB四半期経済予測発表
14(金)Q3GDP(ユーロ圏、独・仏・伊)、米10月小売売上高、米11月ミシガン大学消費者信頼感、セントルイス連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:G20(15/16ブリスベン)、日米金融政策、GPIF、エボラ出血熱、中東情勢(イスラム国)
先週は10月末の日銀会合におけるサプライズな追加緩和に加えてECB理事会でも全員一致で”必要とあれば追加緩和”が確認されたことから、引き続き主要国の緩和姿勢が株価をサポートしました。
米国はいち早く量的緩和の終了を決定しましたが、依然として緩和継続姿勢に変わりはありません。
NYKダウは17,500ドル台に史上高値を更新し、日経平均も一時17,000円台を回復しました。
為替市場では再び「ドル全面高」の様相で、ドル円は一時115円台半ばに上昇し、ユーロは1.24割れ、ポンドも1.59割れに下落しました。
ただ先週金曜日の10月米国雇用統計は失業率こそ5.8%と6年ぶりの低水準となりましたが、NFPRは+214千人と予想をやや下回り、平均時給も前月比+0.1%(予想+0.2%)とやや冴えない内容で、週末に向けてはドル円が114円台前半に反落するなど、ややドル高調整色を強めています。
今週は指標的には中国関連(10日の10月CPI・PPI、13日の10月小売売上高、鉱工業生産)や14日の欧州Q3GDP(独・仏・伊など)、米10月の小売売上高が注目されます。
また週末(10/15-16)にはブリスベンでG20が開催されます。
巨大銀行の自己資本比率を高める必要性が確認されると予想され、安全な米債などドル資産需要が増えてドルが堅調となる可能性があります。
一方日銀追加緩和による円全面安が円安誘導による「近隣窮乏政策」との非難も聞かれます。(特に韓国、中国から)
確かに9月以降の各通貨上昇(下落率)は、ドル円↑11.0%、ユーロ↓6.5%、ポンド↓5.1%、豪ドル↓10.0%などで、やはりドル円の上昇が1位であり、円クロスもそれに準じて上昇しています。
したがってG20で何らかの形で”円安けん制”が表明されれば、「日銀がスムージングオペレーションとして市場介入の可能性がある」と指摘する向きもあります。
日本の外貨準備約1.2兆ドルのドルコストは111.60近辺と推計され、現レベルで介入を行えば(ドル売り)収益が出ること、更にGPIFの外貨建て投資実施までにドル円のレベル(発射台)を低く保った方が年金の収益に貢献するなど、”経済的合理性”を指摘する向きもあります。
また10月初めのに高まったFRB内部からの”ドル高が米経済のリスク”発言のレベルから更にドルが上昇しており、米国サイドからの言動にも注意をしたいところ。
日欧米三極を見ても景気格差、金利格差からドルの優位は明らかですが、やは”行き過ぎ感”があるのも事実で、ある程度のドル高調整が入っても不思議ではありません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8540-0.8761 AUDYEN 98.06-99.71
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8550-0.8750 AUDYEN 97.00-100.00
今週の豪ドルは対ドル強保合、対円揉み合いでしょう
先週はRBA理事会や豪州10月雇用統計などの国内イベントがありましたが、豪ドル相場はやはり日欧米の金融政策の影響を受けた米ドル・円・ユーロなど主要通貨の動きに引っ張られました。
RBA理事会では引き続き「金利安定期となる見通し」、「商品相場の下落を勘案すれば依然豪ドル割高」と述べられました。
また10月雇用統計は失業率6.2%(予想、前回ともに6.2%)、就業者数+24.1千人(予想+10千人、前回-23.7千人)と予想を上回りましたが、8月のサプライズな”就業者数+121千人!!”以来、同データに対する信頼性が低下しているようです。
豪ドルはドル全面高や商品相場の軟調(CRBは268と年初来安値)の影響から一時85セント台前半と年初来安値を付けた後、ドル反落にしたがって現在86セント台半ばに反発しています。
またドル円急伸を受けて100円手前まで値を飛ばした豪ドル円は、その後のドル円急落から一時98円台前半に反落しましたが、豪ドルドルの反発にサポートされて再び99円台に上昇するなど不安定な展開です。
今週末にはブリスベンでG20が開催されますがその他は11日にNAB企業信頼感/景況感が発表される以外大きな国内イベントはありません。
また13日には中国の10月小売売上げ高/鉱工業生産が発表されますが、中国経済は商品相場動向に大きな影響があり注目です。
週末に発表された中国10月の貿易収支は+$45bioと予想を上回った半面、輸入の伸びが+4.6%(予想+5.0%、前回+7.0%)と今一でした。
今週ドル全面高が調整される場合には豪ドルドルは強含みとなりそうです。
ドル円の調整が予想外に大きくなる場合には豪ドル円の100円がやや遠のくでしょう。
ただし中期的には依然として100円上の展開を予想しています。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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