今週の主な予定、イベント
11/17(月)日本Q3GDP、上海・香港株式市場相互取引開始、11月NY連銀製造業景況指数、消費増税点検会議(第一回)
18(火)消費増税点検会議(第二回)、独11月ZEW景況感指数、米10月PPI、ミネアポリス連銀総裁講演
19(水)日銀会合(黒田総裁会見)、英中銀議事録、米10月住宅着工件数、FOMC議事録、バーナンキ前議長講演
20(木)日本10月貿易収支、日銀月報、中国11月HSBC製造業PMI(速報値)、米10月CPI/中古住宅販売/景気先行指数、米新規失業保険申請件数、SF連銀総裁講演
21(金)ドラギ総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:衆議院解散総選挙?消費増税見送り?日米金融政策、GPIF、エボラ出血熱、中東情勢(イスラム国)
先週は日銀会合やECB理事会における強力な緩和継続姿勢を好感して世界的に株価は堅調。NYKダウは一時17,700ドル台に史上高値を伸ばし、日経平均もフォローして17,500円台を付けました。
特に日本の株価は消費増税1年半見送りと、衆議院解散総選挙の思惑が強まり、消費増税先送り=株価上昇の動きに拍車がかかりました。
この流れを受けてドル円は金曜日に発表された米10月小売売上高が強かったこともあり一時116円台後半に上昇しました。
またユーロ円は一時146円台、ポンド円184円台、豪ドル円102円近辺など”円全面安”状態でした。
一方先週2年ぶりの安値1.23台を付けたユーロは1.25台に、また豪ドルは87セント台に反発する一方、利上げ観測が更に後退したポンドは1.56台に反落するなどその他通貨は”マチマチ”の動きでした。
週末のG20では「G20全体の成長率を2%幅上乗せする」との宣言を採択して終わり、別段”円安けん制”もありませんでした。
一方今朝発表された日本のQ3GDPは前期比年率で-1.6%(予想+2.2%、前回-7.3%←-7.1%から下方修正)とサプライズな数字となり、直後は悪いGDP→消費増税見送り=株価上昇→円安の連想からドル円は7年1か月ぶりの高値107.05円まで値を飛ばしました。
しかしGDPの内容はあまりにショッキングであり、日経平均が崩れ出すと(一時500円以上下落)ドル円にも調整売りが出て117円台→115.45円近辺に急落するなど荒い展開となっています。
今週はやはり「消費増税見送り・衆院解散総選挙」がポイントですが、おそらく安倍首相はその旨発表すると思われます。
ただ個人消費の落ち込が主因となるネガティブサプライズのGDPを受けて自民党有利の見方が崩れつつあり、政局はなお流動的です。
また19日には日銀会合が予定されますが、黒田総裁は先週「ドラスティックな金融緩和は来年の消費増税を前提としている」と述べており、消費増税が先送りされる場合は”黒田バスーカ第三弾”が不発に終わることも考えられます。
更に政府が増税見送りを単独で決める場合には政府・日銀間の不協和音にも発展しかねません。
また同じく19日にはFOMC議事録が発表されますが、利上げ前倒し観測が高まる中「(利上げまで)相当期間」の文言の取り扱いに対する議論の内容が注目されます。
ドル円は9月前半の103円台から一気に今朝117円まで13%以上上昇しました。
週末G20で声高に円安懸念を表明していた韓国や中国が、目立った非難をしなかったのは驚きでしたが、今朝の非常に弱いGDPなどを見るにつけ「アベノミクスがもたらしたのは円安だけ」との印象が国際的に強まれば、従来の”アベノミクス株高=円安”の構図も変化が余儀なくされる可能性もあります。
ドル円は従来の天井であった115円割れのレベルまで調整反落する可能性があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8591-0.8773 AUDYEN 98.78-101.92
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8600-0.8800 AUDYEN 99.50-102.50
今週の豪ドルは対ドル保合、対円はアップダウンの乱高下でしょう
先週の見通しと比べて豪ドル円が大きく上昇しました。
豪ドルが87セントと堅調推移し、加えてドル円が大きく上昇したためです。
小職個人としては年初来「」00円以上への豪ドル円の上昇」を予測し、実際に100円を越えてきことは、自分の見方が正しかったわけで(他にはたくさんハズシテますが、、、??)嬉しいのですが、自分自身の豪ドル円買いポジションも100.50近辺で利食ってやめてしまいました。
やはりこれ以上は”高所恐怖症”でついていけませんでしたが、そういう見方が多い時に相場は続伸するんですね、、、、結局今朝102.40近辺と昨年4月以降の高値を付けました。
ただその後本日の日本のQ3GDPのネガティブサプライズを受けたドル円急落を受けて101.50近辺まで反落しています。
上述と重なりますが今回の非常に弱い日本のGDPでアベノミクスに対する期待感に陰りが見られれば、従来のような株高=円安の方程式にも変化が訪れる可能性があります。
商品相場は依然年初来の最安値圏であり、加えてドル高地合ですから豪ドルの88セント超えは売り圧力が高まるでしょう。
一方日本のGDP余波が続く場合には、ドル円が更に調整反落する可能性があり、その場合は豪ドル円も一旦100円を割る可能性があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。