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シドニー発豪ドル見通し(24 November 2014)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)
(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

11/24(月)日本休場(勤労感謝の日振替)、独11月ifo景況感指数

25(火)黒田総裁講演、日銀議事録、米Q3GDP、米S&Pケースシラ―住宅価格、米11月消費者信頼感、OECD半期経済見通し

26(水)米11月耐久財受注・個人消費支出・新規住宅販売件数・新規失業保険申請件数、11月ミシガン大学消費者信頼感

27(木)豪州Q3民間設備投資、独11月失業率、OPEC総会、米休場(感謝祭)

28(金)日本10月雇用統計・CPI、ユーロ圏10月失業率

 

マーケットの焦点

キーワード:衆議院解散総選挙、消費増税見送り、米Q3GDP、日本10月CPI、日米金融政策、GPIF、エボラ出血熱、中東情勢(イスラム国)

先週は月曜日に発表された日本のQ3GDPが前期比年率で-1.6%(予想+2.2%)とショッキングな数字となりました。

前期が消費増税の影響で-7.3%でしたから、これで”二期連続のマイナス”であり定義上は”リセッション入り”ということになります。

ただ日銀会合では引き続き緩和姿勢が確認され、一方ドラギECB総裁も再三”追加緩和”を示唆するなど、世界的な金融緩和傾向にあって主要国の株価は高値圏で推移しており、特にNYKダウは17,894ドルまで史上高値を更新し、日経平均も悪いGDPにもかかわらず17,800円台まで上昇しています。

為替市場では再びドル高が顕著となりつつあります。

ドル円は消費増税見送り(18カ月間)と衆議院解散総選挙をはやして一時2007年8月以来の119円台に迫りましたが、金曜日に麻生財務相が「円の下がり方のスピードのテンポが速過ぎる」と発言したことから117円台半ばに反落。

一方ドラギ総裁の追加緩和を匂わす発言を受けて、ユーロは2012年8月以来の安値1.23台まで下落しています。

今週は本日日本が休場、木曜日米国が休場で、市場参加者が減りますが、ドル高が継続するか、あるいは調整が入るのかがポイントです。

総選挙では有力対抗政党不在から安倍内閣優勢が予想され、アベノミクス第2幕となれば、再び”株高・円安”の連想が働きます。

一方野党協力が実現したり、アベノミクスへの評価が下がる場合には案外自民党が苦戦する可能性もあり、自民敗退ともなればドル円はかなり反落となるでしょう。

また25日には米国Q3GDP(改定値)が発表されますが+3.3%と速報値の+3.5%からやや低下予想です。

26日には米国の10月コア個人消費支出(PCE)が発表され予想は9月と同じ+1.5%ですが、振れ方によってドルは上下動するでしょう。

28日には日本の10月消費者物価指数が発表されますが予想値は前年比+2.9%。もし予想通りであれば4月の消費増税の影響を政府は+2.0%と読んでいますから、その影響を排除したインフレ率は前年比+0.9%となり黒田総裁のインフレターゲット+2.0%から程遠い状態です。

また10月末にサプライズな追加緩和をした日銀ですが、黒田総裁は2015年10月の10%への消費増税を前提に緩和を実行した旨述べており、増税が先送りとなった今”黒田バスーカ第三弾”の可能性は後退したと言えます。

日本の年金ファンド(GPIF)の外物投資がドル円をここまで押し上げた一因と考えられますが、年金基金の枯渇が言われる中、たとえば1兆円(約100億ドル)を外債・外株投資する場合、1円円高になれば仕入れコストが100億円安くなります。

年金政策上はドル円を一旦110円程度に、介入(急激なドル高を防ぐスムージングオペレーション)やけん制で押し下げて、年金ファンドに有利な水準に持っていくことも考慮すべきではないでしょうか。

ドル円上昇の環境に著変はありませんが、115円を下回る水準に調整反落してもおかしくないと思います。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.8566-0.8795  AUDYEN 101.25-102.85

今週の予想レンジ AUDUSD 0.8550-0.8750  AUDYEN 100.50-103.50

今週の豪ドルは対ドル強保合、対円は高値から反落の可能性があります

先週の豪ドルは前半商品相場の下落やドル高に押され、木曜日には中国の11月HSBC製造業PMIが6カ月ぶりの50.0に下落したことから85セント台に値を下げましたが、週末に向けては中国の利下げを好感して86セント台を回復し、本日は87セント近辺まで続伸しています。

対円では週初101円台で揉んだ後、中国利下げを受けた豪ドル反発を受けて102円台と今年の高値圏まで上昇しています。

豪ドルは対ユーロで0.70台、対NZドルで1.10台など全般的に強含んでいます。

今週も米ドルや円の動きが主要変動要因となりますが、ドルに調整が入る場合には、対ドル堅調、対円軟調と、従来とは逆のパターンになる可能性もあります。

また木曜日にはQ3の民間設備投資(CAPEX)が発表になりますが、予想は-1.7%と前回(+1.1%)から悪化が予想されています。

このところ鉄鉱石価格がトン当たり70ドルに下落するなど商品相場の軟調が止まらず、更なる資源投資の後退が懸念されます。

豪ドル悪材料が多い中で、先週は中国の利下げが久しぶりに明るい話題でした。

ただ足元の豪ドルの動きは引き続き米ドルや円の動向に影響されると言えます。

特に豪ドル円は昨年4月の高値105円台以降の高値に来ており、ターゲットは再び105円台ですが、ドル円に調整が入る場合には豪ドル円も連れ安になる可能性があります。

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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