今週の主な予定、イベント
12/1(月)中国11月HSBC製造業PMI(確報値)、11月米ISM製造業景況指数
2(火)衆院選公示、RBA理事会、ユーロ圏10月PPI、イエレンFRB議長講演
3(水)豪州Q3GDP、中国11月非製造業PMI・HSBCサービス業PMI、米11月ADP雇用者数、FEDベージュブック、ブレイナードFRB理事・ダラス連銀総裁・フィラデルフィア連銀総裁講演
4(木)豪州10月小売売上高・貿易収支、BOE理事会、ECB理事会、米新規失業保険申請件数、ブレイナードFRB理事・クリーブランド連銀総裁講演
5(金)米国11月雇用統計、フィッシャーFRB副議長・クリーブランド連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:総選挙世論調査、米11月雇用統計、GPIF、エボラ出血熱、中東情勢(イスラム国)
先週はOPEC総会での減産見送りから原油価格が大幅下落(現在1バレル64ドル台)し、コモディティー安/ドル高が鮮明となりました。
為替相場でも引き続きドル高の流れとなりました。
ドル円は当局の円安けん制とも取れる発言に117円台前半に反落する局面もありましたが、結局118円台後半で高値引け。
本日は一時7年4カ月ぶりに119.03まで高値を更新しています。
先々週麻生財務相は「円の下がり方のスピードのテンポが速過ぎる」と述べ、また先週黒田日銀総裁は「円安は輸出を増加するプラスもあるが、一方家計の実質所得を押し下げるマイナス面もある。為替はファンダメンタルズを反映して安定推移するのが望ましい」と述べています。
今週のポイントはやはり5日に発表される11月の米雇用統計と日本の総選挙がらみの世論調査の結果、更にはECB理事会といったところです。
米雇用統計は予想値が失業率5.8%(前回5.8%)、非農業部門就業者数+22.5万人(前回21.4万人)と強めです。予想値より強い数字であれば12/16-17のFOMCにおいて、「(利上げまで)相当期間」文言が削除される可能性が更に高まります。
一方、予想を大きく下回る場合には低金利長期化観測が出るでしょう。
まあ結果次第ですが、やはり雇用の改善傾向は継続しているものと思われます。
また衆院選を巡る世論調査では、衆議院475議席中、与党が絶対安定多数(266議席)を上回る場合にはアベノミクス信任ということで株高・円安傾向が再度強まるでしょう。過半数238議席確保でもドル円の大きな崩れは予想できませんが、一方世論調査で過半数を大きく割り込む事態となれば株安・円高に傾く可能性もあります。
再びドル円はじわじわと120円を目指している感がありますが、歯止めのきかない上昇を回避するために、日銀が上昇速度をチェックするために介入(あくまでもスムージングオペレーションであり押し下げ介入ではない)に出てくる可能性も否定できません。
ただその場合にも一旦下がったところで新たな買いのチャンス(買い場)を提供することになりそうです。
因みに財務省の外為特会(外国為替資金特別勘定―政府が実施する介入のに関わる勘定)のドル円相場の持ち値は111.60近辺と言われ、現在ドル売り介入すれば益が出ることになる状況です。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8480-0.8700 AUDYEN 99.92-102.47
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8350-0.8550 AUDYEN 99.00-102.00
今週の豪ドルは引き続き軟調でしょう
先週の予想は「対ドル強保合、対円軟調」でしたが、結局は対ドルで大幅下落、対円でも一時100円割れまで下落しました。
豪ドルは対ユーロで0.68割れ、対NZドルで1.08割れですから、豪ドル全面安と言えます。
主たる理由は商品相場の大幅下落です。
金曜日引けでCRBインデックスは254台と2012年6月以来の安値まで下落しています。
OPECの減産合意失敗以来原油価格の下げが止まらず現在1バレル64ドル台まで下落。豪州の主要輸出鉱山資源である鉄鉱石もトン当たり70ドル割れ、石炭(燃料)も65ドルまで下落しています。
11月は中国の利下げを好感して商品相場が一時反発しましたがそれも一過性でした。
やはり本格的な商品相場の反発は来年~再来年の世界経済の回復を待つ必要があるようです。
RBAの政策は明らかに”「商品相場が下がる限り豪ドルも並行して下がるべき」”というもので、85セントを割ったレベルでも引き続き豪ドル安誘導的な発言が出てきそうです。
今週はRBA理事会、Q3GDP(予想前期比+0.7%(前回+0.5%)、前年比+3.1%(前回+3.1%)、10月小売売上高・貿易収支など国内指標も盛りだくさんですが、たとえ良好な数字でも豪ドル押し上げ効果はあまり期待できません。
足元豪ドルサポート材料が見当たりませんが、やはり中期的な視野からソブリンウエルスファンド(SWF)や本邦個人ならに機関投資家の押し目買いが下落速度を遅くする可能性があります。
一方的に底抜けするというよりは、特に豪ドル円は慎重に押し目買いを進めたいレベルだと思います。
尚、所要により来週は休信させていただき、12/15からまた再開いたします。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。