今週の主な予定、イベント
12/15(月)Q4日銀短観、米11月鉱工業生産、12月米NY連銀製造業景況指数
16(火)12月HSBC製造業PMI(速報)、12月独ZEW景況感指数、12月独ユーロ圏製造業PMI、11月米住宅着工件数
17(水)11月日本貿易収支、英中銀議事録、11月米CPI、FOMC結果発表(イエレン議長会見、経済予測公表―発表は木曜日早朝)、ギリシャ議会―大統領選のための第一回投票
18(木)独12月ifo景況感指数、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議
19(金)日銀会合(黒田総裁会見)、連銀総裁講演(シカゴ連銀、リッチモンド連銀)
マーケットの焦点
キーワード:総選挙与党勝利―アベノミクス継続、原油安、FOMC、ギリシャ大統領選挙、GPIF、エボラ出血熱、中東情勢(イスラム国)
ご無沙汰しております。
復帰第一日目に弊社のビルから1kmほど離れたシドニー中心地Martin Placeのカフェでイスラミックによると思われる”人質立てこもりj事件”が発生しており、ビックリしました。
同地区にはRBAはじめ金融機関、テレビ局、ショッピングセンターなどがひしめくシドニーの中心地です。
今回の事件が単発ではなく、豪州同様にイスラム国に空爆を加えている有志国での同時テロとならないことを祈るのみです。
さて2週間ばかり留守をしている間に世の中変わりましたね、、、、
原油が1バレル60ドル割れ、そしてドル円も121円台まで上昇後一時117円台に下落するなど、ドル全面高がやや修正されています。
先週などは原油安に加えてギリシャ大統領選挙前倒しから政治的混乱が生じ、ギリシャ危機の再来まで先読むする向きもあるようです。
また中国でレポ取引(中銀による債権担保の資金供給)でリスク資産が担保からはずされたことで中国金融危機論も聞かれます。
原油安からの石油関連企業の株価大幅下落や、原油取引での損失を株式売却で補てんしようとするヘッジファンドの加えて、これら不安要因がリスク回避の動きを誘い株価調整、円高に市場が反応しているようです。
週末の日本の総選挙で自公連立は衆議院定数475人中、326人と改選前の議席数を確保しましたが、今朝のドル円は逆に”SELL ON FACT”の動きが活発化し一時117円台後半まで反落しています。
今週はイベント的には18日(木曜日)早朝のFOMC結果発表が注目されます。
焦点は”(利上げまで)相当期間”の文言の撤廃の有無ですが、今回はFOMC後イエレン議長の会見が予定されていますが、次回の会見は来年3月であることを勘案すれば”文言撤廃”があると考えるべきでしょう。
ただ実際に文言が撤廃されても、これは事実の後追いであり、大きなインパクトはないでしょう。
またOPECが減産合意しなかったことから60ドル割れまで下落している原油価格ですが、国民経済にとって有利と思われる一方、ディスインフレ懸念から日銀の追加緩和圧力が高まるりドル円を押し上げる可能性があります。またエネルギー価格の下落は日本の貿易赤字縮小に作用しますから、原油価格のドル円相場への影響も複雑なものとなりそうです。
また今週17日(水曜日)にはギリシャの大統領選のための第1回投票が実施されますが、反緊縮財政を主張する急進左派連合(SYRIZA)優勢との見方もあり、与党が敗れる場合には政治的混乱からギリシャ危機再燃を予想する向きもいます。
12月上旬まで大きく進んだドル高の流れですが、クリスマス休暇シーズンを控えて、ドル高の流れも一服と言う感じです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8215-0.8375 AUDYEN 97.45-101.14
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8150-8.8350 AUDYEN 96.00-99.00
今週の豪ドルは引き続き軟調でしょう
2週間いない間に豪ドルドル、豪ドル円ともに大きく値を崩しています。
その背景はドル高であったこと、商品相場の大幅下落、そして中国の金融不安などと考えられます。
商品相場CRB INDEXは年初277でしたが先週末は244まで値を落としています。原油価格が今年の高値102ドル台から57ドル程度に急落しているほか、豪州主要輸出品の鉄鉱石はトン当たり年初の高値128ドルから60ドル割れに、また石炭(燃料炭)も年初の高値87ドルから62ドル程度まで値を下げています。
足元豪ドルサポート要因に乏しく、しいて挙げればドルの反落程度で、チャート(テクニカル)的には80セント、95円という下方ターゲットが意識されます。
一方目を少し先に向ければ、今年3%台前半と考えられる世界経済成長率は来年は3%台後半に拡大するとの見方が一般的です。
また中国人民銀行の予想である来年の成長率7.1%が達成できる、つまりハードランディングが回避される限り、商品相場も底なし沼のように沈下していく可能性は少ないのでないでしょうか。
また米FRBの来年の利上げ観測のみがクローズアップされていますが、当地のエコノミストの大半はRBAの次の一手は利上げであり、時期は来年後半、つまりFRBと同様な金融政策を見越しています。
豪ドル下げ局面での投資家需要もあり、金融政策面からも豪ドルが一方的に下げる可能性は少ないと考えます。
ただ足元はやはり”資源通貨”全体が弱い”地合が暫く継続しそうです。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。