今週の主な予定、イベント
1/12(月)東京市場休場、アトランタ連銀総裁講演、ダイセルブルーム・ユーログループ議長来日
13(火)日本11月国際収支、中国12月貿易収支、ミネアポリス連銀総裁講演、ダイセルブルーム・ユーログループ議長講演
14(水)日本15年度予算閣議決定(麻生財務相会見)、米12月小売売上高、米ベージュブック、フィラデルフィア連銀総裁講演
15(木)黒田日銀総裁挨拶(地域経済報告公表)、豪州12月雇用統計、独2014年GDP、米12月PPI、米1月NYK連銀製造業景況指数、ダイセンブルーム・ユーログループ議長講演
16(金)ユーロ圏12月CPI、米12月CPI・鉱工業生産、1月ミシガン大学消費者信頼感、地区連銀総裁講演(セントルイス、ミネアポリス)
マーケットの焦点
キーワード:米12月インフレ率・FEDベージュブック、原油安、ギリシャ不安(1/25総選挙)、イスラム国のテロ、第三次安倍内閣発足とアベノミクスの行方、原油安、ロシア経済(ルーブル下落)、GPIF、エボラ出血熱
先週も原油安、フランスにおけるイスラム国関連と思われるテロ、ギリシャ不安などのリスク要因が根強く、一旦盛り返した主要国の株価も再び軟調推移しています。
金曜日に発表された注目の米12月雇用統計では、非農業部門就業者数や失業率の改善は予想を上回ったものの、同時に発表された平均時給が前月比-0.2%となったことから、再び”労働の質”への疑問がフォーカスされ、ドル円は発表後の高値119円台後半で頭打ちとなり120円を回復できませんでした。
むしろ上記の平均時給の悪化やNYKダウの反落、フランスのテロ事件、更には原油価格が再び47ドル台に下落したことなどからリスク回避の円買いが活発化してドル円は118円台半ばまで値を下げて越週しました。
週末のイスラム国のテロ継続声明もあり本日のシドニー市場では118円台前半に続落です。
ドル円の動きのみならず、金曜日の米雇用統計の後はドル売り・金利低下・株安のトリプル安で、ユーロは1.18台半ば、豪ドルは0.82台に反発するなど、総じて米ドルが下落しました。
今週も原油動向、ギリシャ問題、イスラム国関連のテロ懸念などの不安材料を抱えますが、加えて米国のFRBベージュブック(地区連銀経済報告)、12月の米消費者物価指数なども注目されます。
上記のように平均時給の悪化にはシカゴ連銀総裁やアトランタ連銀総裁などのハト派がすかさず反応しています。
エバンス・シカゴ連銀総裁―「賃金の数字が低インフレ示唆、利上げに対して辛抱強い姿勢維持、2016年まで利上げ見送るべき」。
ロックハート・アトランタ連銀総裁―「賃金の伸び悩みが雇用市場に残るスラック示唆」
また原油価格に関してはヌアイミ・サウジ石油鉱物資源相は「20ドルに下落しても減産に踏み切らない」と発言し、更にOPECの臨時総会も予定されていないところから、更なる続落が予想されます。
ロシアでは原油価格60ドル割れが続くと今年Q1にはリセッション(景気後退)に突入し、債務不履行に陥る可能性も指摘されています。
この様に年始はリスク回避色が強い相場展開となっており、加えて米雇用における”労働の質”が疑問視される状況などで、ドル高も一服といったところです。
ドル円はリスク回避の円買いと、GPIFなどの投資家の円売り需要の綱引き状態です。13日(木)に発表される日本の11月国際収支はまだ原油急落前の数字ですが、12月以降の原油急落から日本の貿易収支が改善すれば、一時的にせよ円売り圧力が低下する可能性があります。
足元ドル円は上値が重い展開でしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8032-0.8208 AUDYEN 95.66-97.65
今週の予想レンジ AUDUSD 0.8100-0.8300 AUDYEN 96.00-99.00
今週の豪ドルは戻り売りの
先週は”上値の重い展開”を予想しました。
発表された11月の貿易収支や住宅建設許可件数は予想を上回りましたが、小売売上高は予想を下回るなどマチマチの結果でした。
商品相場(CRB INDEX)は年初も続落して一時225台まで下落し、原油価格も47ドル台に続落です。
ただし豪ドルはむしろ先週82セント台、97円台まで反発しています。
これはメジャーサポート0.7950-0.8000をブレークできなかったためのショートカバーも一因ですが、”米ドル反落”が主因と言えます。
大幅に売り超であった豪ドルドルの売りポジション巻き戻しが強かったために、ドル円の下げにもかかわらず豪ドル円も堅調を維持しました。
今週木曜日には12月の国内雇用統計が発表されます。予想は失業率6.3%(前回6.3%)、就業者数+5千人(前回+42千人)とやや低調ですが、むしろ前回の非常に強い数字の反動が懸念されます。
米ドル軟調から反発した豪ドルですが、原油など商品相場が依然軟調であり加えて上記のようなリスク回避の動きも根強いために、ショートカバー一巡後は再び軟調地合に戻る可能性があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。