今週の主な予定、イベント
1/26(月)豪州休場(オーストラリアデー)、日本通常国会(麻生財務相演説)、日銀議事録、日本12月貿易収支、独1月ifo景況感指数、ユーロ圏財務相会合
27(火)豪州1月NAB企業信頼感・景況感、英Q4GDP、米12月耐久財受注、新築住宅販売、EU財務省理事会
28(水)豪州Q4CPI、米FOMC、NZ中銀理事会
29(木)イタリア大統領選挙、米12月中古住宅販売、米新規失業保険申請件数
ウクライナQ4GDP
30(金)日本12月雇用統計・消費者物価指数、ユーロ圏12月失業率・1月CPI、スペインQ4GDP、ロシア中銀政策会議、米Q4GDP、ボストンFED総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ選挙後、ECB理事会で量的緩和決定、米FOMC、米Q4GDP、日本12月CPI、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、日本の貿易赤字改善、GPIF
先週は前週のスイス中銀によるスイスフラン上限撤廃(対ユーロ)の混乱もやや収まり、相変わらず原油安(45ドル台)などの不安要因はあるものの、ECBの大規模量的緩和実施決定(3月から毎月600億ユーロの資産買い入れ)も好感され主要国の株価は再び堅調に転じました。(急激に上昇していた上海株は小休止)
一方IMFが今年の世界経済成長率を10月時点の3.8%から3.5%に下方修正し、加えて原油安も重石となって商品相場(CRB INDEX)は217と年初来安値を更新しています。
為替市場ではユーロ安、資源通貨安が顕著となりました。
またドル円は前週はリスク回避の動きから一時115円台に下落していましたが、かかるリスク回避が収まったこと及び日銀会合における追加緩和期待(一部には日銀付利金利引下げ観測も)から一時118円台後半に上昇しましたが、結局日銀会合で政策据え置きが発表され117円台前半に反落するなどアップダウン。
ユーロはECB理事会における強力な量的緩和の実施や週末のギリシャ総選挙を警戒して週末には1.11台半ばに大幅下落。
週明けはギリシャ総選挙における野党急進左派連合(SYRIZA)の躍進を受けて一時1.11割れまで続落後、現在1.11台後半に小反発しています。
このユーロ安の流れを受けてユーロ円も今朝のFar Eastでは130円前半まで急落した後、現在131円台前半といったところです。
ただ問題は今後新政権となる野党連合が債務再編をEU側に要求する可能性が高くユーロ圏の波乱要因となることが予想される点です。
独連銀のバイトマン総裁は「いかなる債務軽減交渉も拒絶する」と述べており、依然として債務交渉不調→ギリシャのユーロ圏離脱の可能性が残ります。
ECBの強力な量的緩和が少なくとも2016年9月まで継続することやかかるギリシャ不安もあり、ユーロの底打ちはまだ先のようです。
先週のECB理事会、ギリシャ総選挙といった欧州材料もとりあえず終えて今週は米FOMC、米Q4GDPなどの米国発の材料がメインとなります。
FOMCでは前回のイエレン総裁の発言から利上げが”4月以降”ということが確認できましたが、実際の利上げが年央以降にずれ込むのか、あるいは最短4月に実施されるのか?今週発表されるQ4GDPなど足元の米国指標から占うことになります。
また金曜日には日本の12月消費者物価が発表されますが、予想は前年比+2.6%と前月の+2.7%からやや低下します。ただこの数字には消費増税分の影響+2.0%が含まれますので、それを排除すると+0.6%と2015年のインフレ目標+1.0%を大きく下回ります。原油安が今後も続く場合政府目標達成はより困難になるため、再び日銀追加緩和圧力が強まることになります。
一方今朝発表された12月の日本の貿易収支は-6,607億円と予想-7,352億円、前回の-8,935億円から改善傾向が顕著ですが、やはりエネルギー輸入コストの軽減が効いており、これは円売り圧力の後退を意味します。
ただドル円下落局面では日本の年金ファンドの円売り需要が控えるなど、ドル円は足元、ヘッジファンドの円キャリートレードポジション巻き戻しやリスク回避主体円買いと、ファンド筋や実需の円売り需要の綱引き状態が続きそうです。
大きなレンジとして暫く115-120が崩れそうにありません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7881-0.8243 AUDYEN 93.05-97.39
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7700-0.8000 AUDYEN 91.50-94.50
今週の豪ドルは引き続き売りセンチメントでしょう
先週の豪ドルは”売り買い交錯”と予想しましたが実際は”大幅下落”でメジャーサポート80セントを大きく割り込みました。
読み違いの大きな原因はIMFが今年、来年の中国成長見通しを下方修正したこと、そしてカナダ中銀が予想外の利下げを行ったことからRBAの利下げ観測が高まったことで、原油価格が相変わらず回復しないことなどから商品相場が冴えないことも嫌気されました。
言わば豪ドル悪材料が総結集しての80セント割れでした。
78セント台は2009年7月以来の安値であり、また今週になってからの豪ドル円の安値92円台は昨年10月以来ということになります。
RBAは昨年2月に緩和バイアスをニュートラルに戻しており、ここ数ヶ月のRBA理事会では一貫して”金利の安定期が必要”と述べて金融政策の現状維持を明言してきました。
ただ最近の原油安からインフレ率が低下していることは明白です。
今週水曜日にはQ4CPIが発表されますが、結果がRBAターゲットの2-3%の2%に近い数字であれば、再び2月のRBA理事会における利下げ観測が高まり豪ドルを押し下げるでしょう。
豪ドルは商品通貨、高金利通貨として投機・投資の対象となる代表的な通貨です。
市場心理で動く面が強く、心理的レベル80セントを完全に割り込んだだけに、暫くは戻り売りに上値が押さえれる展開とならざるを得ないでしょう。
ただRBAが「現在の原油価格の下落は一時的であり金利は据え置き」とのスタンスを取れば、これは驚きであり豪ドルの反発を見る可能性があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。