今週の主な予定、イベント
2/2(月)中国1月HSBC製造業PMI(確報値)、ロシア2014年GDP、米12月個人消費支出、米1月ISM製造業景況指数、オバマ大統領2016年予算教書
3(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、インド中銀政策会議、ユーロ圏12月PPI、米12月製造業新規受注、米1月自動車販売、地区連銀総裁講演(セントルイス、ミネアポリス)
4(水)中国1月HSBCサービス業PMI、ユーロ12月小売売上高、米1月ADP雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数、クリーブランド連銀総裁講演
5(木)英中銀理事会、ECB経済報告書、欧州委員会経済見通し発表、米新規失業保険申請件数、ボストン中銀総裁講演
6(金)米1月雇用統計、アトランタ連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ債務交渉(対トロイカ)、米1月雇用統計、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、日本の貿易赤字改善、GPIF
先週は週初のギリシャ総選挙、米FOMC、米Q4GDP発表などのイベントがありました。ギリシャ総選挙では反緊縮の急進左派連合が勝利し、またFOMCでは景気判断が上方修正される一方、インフレ判断は下方修正となり、年央の利上げ観測を大きく変更させる内容ではありませんでした。
米Q4GDP(速報値・前期比年率)は+2.6%(予想+3.0%、前回+5.0%)と予想を下回っています。また原油価格は週中44ドル台まで値を下げていましたが週末には中東不安もあり48セント台に反発しています。
為替相場ではリスク回避の動きが消えず、引き続きドル高・円高の流れでした。
ドル円は118円台後半で頭を押さえられ、金曜日の弱い米Q4GDPを受けて117円台前半に下落し、週末の弱い中国1月製造業PMI(49.8)の影響もあって今朝のシドニー市場では一時117円割れまで下落した後、現在は再び117円台半ばといったところ。
ユーロ円も今朝は一時132円台を割り込んで現在は133円近辺、豪ドル円も90円台半ばまで続落して現在91円台半ばです。
今週の焦点はやはり金曜日の米1月雇用統計(予想:失業率12月と同じ5.6%、NFPR +23.1万人、12月+25.2万人)と、ギリシャ新政府(反緊縮派)とトロイカ(欧州連合、IMF、欧州中央銀行(ECB))との債務交渉となります。
米雇用統計では数字の良し悪しの他にも平均時給の伸びなど”労働の質”問題にも留意すべきでしょう。
一方ギリシャ問題では2月ギリシャ金融支援プログラム期限に向けて緊縮措置の緩和や債務減免交渉などが注目されますが、最悪交渉決裂の場合のギリシャのデフォルトやユーロ離脱の思惑が再浮上する可能性があります。
また本日ロシアの2014年GDPが発表されますが、ロシア国債は既に「シャンク債」に格下げされており、最近のウクライナ情勢の悪化から欧米の対ロシア制裁が更に強化される可能性や、原油価格の大幅下落からロシアのリセッション入りやデフォルトの可能性が指摘されます。
世界的な金融緩和(米国以外)環境でユーロや資源通貨など、ほとんどの通貨の売り材料が目立つ中、一体どの通貨を買うか???が問題となります。
係る中、米国フェイバー、つまり米景気に対するグッドニュースや利上げ時期の前倒しは米ドル買い材料となる半面、リスク回避材料が表面化する場合には円が買い戻される展開となるでしょう。
ギリシャやロシアなどの不安材料、米国経済も万全ではないこと、更には3月末を控えた本邦機関投資家のリパトリ(外貨資産売却、円転)などから、足元円買い圧力が高まる可能性があるものと思います。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7720-0.8025 AUDYEN 90.86-94.62
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7700-0.8000 AUDYEN 90.00-93.00
今週の豪ドルも引き続き売りセンチメントでしょう
先週の豪ドルは予想を上回るQ4CPI(RBAの注視するアンダーライイング・インフレーションが前期比.+0.7%、前年比+2.25%と予想を上回る)を受けて、CPI発表後には一時80セント台、84円台を回復しましたが、買い続かずに反落。
引き続き今週のRBA理事会における利下げ観測が強く、加えて週末に発表された中国の1月製造業PMI(政府発表)が49.8(予想50.2、前回50.1)と予想を下回ったことから今朝のシドニー市場では一時77セント台半ば、90円台半ばに反落しています。
明日のRBA理事会については、原油・鉄鉱石など商品相場が年初来安値を更新する中、利下げ観測が強い状況です。
ただ1月休会後の今年最初の理事会で即利下げとなるか?
RBAは昨年2月に金融バイアスを緩和からニュートラルに戻し、ここ数カ月の理事会で”金融政策の安定期が望ましい”と述べています。
また、住宅産業の好調や失業率悪化傾向が止まっていること、更には大幅な豪ドル安による輸入物価上昇圧力の増大などを勘案すると、年初の第一回総会での利下げの可能性は少ないように思います。
もし、単発的に利下げがあったとしても、継続的な緩和への逆戻りの可能性は少ないでしょうし、しかも市場はかなり利下げを織り込み済みであり、”豪ドルの買い場”と見なすべきかも知れません。
しかしながら商品相場軟調地合が継続し、中国や米国経済にも再び陰りが見えるなど、豪ドルを取り巻く環境は一朝一夕に改善する状況にはなく、足元豪ドルの反発はあっても調整の域を出ないものと思われます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。