今週の主な予定、イベント
2/9(月)日本12月国際収支、G20 (~10日、イスタンブール)
10(火)中国1月CPI/PPI、リッチモンド連銀総裁講演
11(水)東京休場(建国記念日)、ダラス連銀総裁講演
12(木)豪州1月雇用統計、英中銀インフレ報告書、米1月小売売上高、米新規失業保険申請件数、EU首脳会議(~13日)
13(金)ユーロ圏Q4GDP(独、仏、伊、ギリシャ)、米ミシガン大学消費者信頼感(速報値)、ダラス連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ債務交渉(対トロイカ)、G20、EU首脳会議、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、日本の貿易赤字改善、GPIF
この1週間も材料豊富で金融市場はアップダウンしました。ギリシャ情勢ではギリシャのツィプラス首相、バルファキス財務相がユーロ圏首脳と債務協議を重ねましたが、結局合意を見ず、2月末のギリシャ金融支援プログラム期限に向けて依然、不透明感が漂います。
ギリシャ問題や原油価格の下落を受けて先週も一時リスク回避の動きが活発化しましたが、原油価格は週末に向けて51ドル台を回復し、主要国の株価も上海総合指数やインドCNX Index以外はむしろ前週より上げています。
RBA理事会ではサプライズの利下げがあり、ECBがギリシャ国債の適格担保としての特例除外でユーロが急落し、その後ECBがギリシャ中銀の市中銀行への特別支援枠の上限拡大で今度はユーロが買い戻されました。
また中国の預金準備率引き下げ、欧州委が2015年のユーロ圏GDP予想を+1.1%から+1.3%に上方修正などがあり、一方金曜日の米1月雇用統計は注目の平均時給や労働参加率も改善し、NFPR+25.7万人と合わせてポジティブな内容となりました。
この結果為替市場では再びドル全面高となりドル円は週初の安値116円台半ばから119円台に上昇し、逆にユーロは週中高値1.15台から一時1.13割れに値を下げています。
一方円クロスはユーロ円が134円台、ポンド円が181円台と総じて堅調推移しています。
今週はギリシャ反緊縮政権と国際支援団との交渉を見極める展開となります。
ギリシャ支援プログラムは2月末に期限となりますが、本日から始まるイスタンブールG20や12日からのEU首脳会議などを通じて見極めることになります。
ツィプラス首相は週末の議会演説において「緊縮緩和という選挙公約の完全な実行、6月までの新”つなぎ融資”合意を望む」などと発言しています。
ギリシャの反緊縮政権とトロイカ(EU、IMF、ECB)との緊縮措置緩和、債務減免などの交渉が決裂する場合には、ギリシャのデフォルトそして最悪ユーロ圏離脱の思惑が高まります。
その他今週も米地区連銀総裁の講演が相次ぎますが、先週発表された1月の雇用統計が”労働の質”でも向上しており、どの程度利上げに前向きな発言が出てくるかも注目されます。
現在6月利上げ説が有力ですが、最短4月への前倒しの可能性があり、一方今後の指標次第では6月以降への先送りの可能性も依然として残ります。
また本日と明日トルコ・イスタンブールで開催されるG2では最近の主要国の金融緩和を受けた通貨安競争や、原油安によるディスインフレ懸念への対応が協議されるものと思われます。
市場はリスク回避の円買い→リスク回避の巻き戻しと米ドル上昇による円売りの繰り返しで、ドル円は大体116-119円台レンジで動いています。
米利上げ観測が強まれば徐々に上値ブレークの可能性が高まるものと予想します。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7626-0.7876 AUDYEN 89.37-93.10
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7650-0.7950 AUDYEN 91.00-94.00
依然として売りセンチメントですが、反発の兆しもあります
先週の豪ドルはRBAによる予想外の利下げを受けて一時0.76台前半、89円台前半に急落しましたが、同日の内に下げた分を回復するなどアップダウンでした。
ただ基本的には商品相場の軟調やRBAによる追加利下げ観測、そして週末発表された中国1月貿易収支で輸出、輸入ともに前月比マイナスであったことが嫌気されて、77セント台で軟調です。
一方豪ドル円はドル円の119円台への急上昇を受けて92円台で小じっかりと推移しています。
RBAはキャッシュレートを0.25%下げて史上最低を更に更新する2.25%としました。
ただ住宅価格の上昇や豪ドル安から来る輸入物価上昇を指摘する声は強く、今後原油価格が反転したり、豪ドル安が更に進行する場合には超低金利の副作用が顕現化することが懸念されます。
過去にRBAは利下げ→利上げと短期間に方向転換した前例がありますが、果たして史上最低レベルに金利を下げる必然性があったのか?疑問に思います。
1月下旬から始まった下げ相場(大きな流れは昨年9月から始まっていますが)、が終了したという確信は持てませんが、先週の利下げの後の200ポイントの反発を見ても、徐々に底値が近付いているように思われます。
今週は木曜日の1月雇用統計(予想:就業者数-5.0千人、前回+37.4千人、失業率6.2%、前回6.2%)が注目されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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