今週の主な予定、イベント
2/23(月)中国休場(春節~24日)日銀議事録、独2月ifo景況感指数、米1月中古住宅販売件数、ギリシャ改革案提出期限
24(火)中国休場(春節)、独QGDP、ユーロ圏1月CPI、米12月S&Pケースシラ―住宅価格、ドラギECB総裁講演、イエレンFRB議長上院議会証言
25(水)豪州Q4賃金コスト指数、中国2月HSBC製造業PMI、米1月新築住宅販売、ドラギECB総裁議会証言、イエレンFRB議長下院議会証言
26(木)豪州Q4民間設備投資、独2月失業率、米1月CPI・耐久財受注、新規失業保険申請件数
27(金)日本1月雇用統計・CPI、米1月中古住宅販売件数、米Q4GDP(改定値)
マーケットの焦点
キーワード:イエレン議長議会証言、日米1月インフレ率、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、日本の貿易赤字改善、GPIF
―先週はタイの方に行っており、休配信とさせていただきました―
この1週間はギリシャ債務協議の行方が市場の焦点となり、また日米の金融政策にも関心が集まりました。
そのギリシャ債務協議はギリシャとトロイカ(EU、ECB、IMF)間で連日協議され、協議難航との見方も一時強まりました。
ただ19日にはギリシャが基本合意文書の6カ月延長を要請し、結局20日にトロイカ側は支援策の4カ月延長で合意し、週末に向けてリスク回避の動きは緩和されました。
結局世界的に株価は堅調に推移し、特にナスダックは4,957ドル、独DAXは11,081に史上高値を更新しています。
前週日銀関係者の追加緩和に否定的かつ円安をけん制した発言にドル円が一時118円台に急落し、また先週も発表されたFOMC議事録が声明そのものよりハト派な内容で、しかも“ドル高が米国の輸出を抑制”とまで言及されたことからドル円を押し下げる局面もありました。ただ先週の日銀会合後の黒田総裁会見では「目標達成に必要なら躊躇なく調整する、10月の追加緩和で何かマイナスの効果があったとは思わない」との発言からドル円が119円台を回復するなどアップ&ダウンを繰り返しました。
またユーロも一時ギリシャ情勢の悲観的見方で1.13割れに下落しましたが、結局ギリシャ支援策の延長で合意を見たことから1.14台に戻すなど行って来いでした。
今週の焦点はギリシャ問題も一服で再び日米の金融政策、特に24/25日に上下院で行われるイエレンFRB議長の半年に一度の議会証言が注目されます。
特に1月末のFOMCでは平均時給の伸びの鈍化から労働の質問題がクローズアップされましたが、1月の雇用統計では同数字は改善が見られました。
このところ発表された米指標はまだら模様でありインフレ指数の低迷から同議長が利上げ開始の市場のコンセンサスである6月から先送りするとの思惑が強く、もしタカ派的発言が出る場合にはサプライズとなるでしょう。
また26日には米国の1月インフレ率が、27日には日本の1月インフィレ率が発表されます。
米国CPIは前年比+1.6%(前回+1.6%)と長らくFRBのターゲット2%を割り込んでいますが、更に原油安、賃金上昇率の低迷、ドル高の影響から低インフレが長期化する恐れがあり、FRBによる利上げ先送りの根拠となることが考えられます。
一方日本の1月CPIは前年比+2.3%(前回+2.5%)ですが消費増税の影響+2.0%を排除すると+0.3%で、今後原油価格が更に低下すれば、インフレ率がマイナスになる可能性もあり、こちらも日銀の追加緩和論議が再び高まる可能性もあります。
日銀が足元の追加緩和に否定的なこと及び、米国の利上げ先送り観測がつい先日まで市場のコンセンサスでしたが、今週のイエレン証言と日米インフレ指数を見て、再度日米金融政策の行方を占う週となりそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7742-0.7848 AUDYEN 91.60-93.45
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7700-0.7950 AUDYEN 92.00-95.00
今週の豪ドルは: 押し目買いと利食い売りの交錯
2月初のRBAによる予想外の利下げに加えて、ギリシャ不安、商品相場の軟調、アボット政権の信任低下、弱い1月雇用統計、RBA理事録における低金利肯定と豪ドル高けん制など売り材料に事欠かない豪ドルですが、むしろ2月に入ってからは下値圧力に耐えて下げ渋っているように見えます。
この76-78セント、90-93円のレンジトレードを”中段保合”として再度続落するのか、あるいは底値を確認して徐々に切り返すのか?
商品相場が依然と低迷しており、またRBAの追加緩和観測も消えてはおらず、まだ底値確認とは言えませんが、一方昨年年央から続く下げ相場で悪材料も市場はかなり織り込んでいるのも確かでしょう。
今後は特に春節明けの中国の景況(25日2月HSBC製造業PMなど)、並びに新しい金融・財政政策の出方には気をつけたいところです。
スティーブンスRBA総裁は「75セントが望ましい」と昨年末に述べていますが、そろそろ豪ドルもボトム圏に近付いているように思います。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。