今週の主な予定、イベント
3/2(月)2月HSBC製造業PMI(確報値)、ユーロ圏1月失業率/2月CPI、米2月ISM製造業景況指数、1月コアPCEデフレーター
3(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、中国政治協商会議開幕
4(水)豪州Q4GDP、中国2月HSBC非製造業PMI(確報値)、ユーロ圏1月小売売上高、カナダ中銀理事会、ブラジル中銀理事会、米2月ADP雇用者数、米2月ISM非製造業景況指数、FEDベージュブック、地区連銀報告(ダラス、シカゴ、カンザスシティー)
5(木)中国全国人民代表大会開幕、BOE理事会、ECB理事会、米1月製造業受注、新規失業保険申請件数
6(金)米2月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード:期末月、米2月雇用統計、日米欧金融政策、中国全人代、ギリシャ問題、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、日本の貿易赤字改善、GPIF
先週はギリシャ金融支援の4カ月延長が決まり、イエレンFRB議長の半年に1度の議会証言がありました。
ギリシャ問題では国有資産の売却や年金改革など一定の条件のもと4カ月の金融支援をEUが承認しましたが、4カ月後にギリシャの資金繰りが改善しているという保証もなく、問題の先送りに過ぎないとの見方が優勢です。
またイエレンFRB議長の議会証言では「忍耐強くいられる」の根拠として目標を下回るインフレ率や、雇用改善の余地を述べるなど、依然として利上げに慎重な姿勢が確認されました。
しかし、足元のギリシャ危機がやや遠のいたことや、米国の緩和姿勢堅持を好感してリスク選好ムードとなり、世界的に株価は史上高値(NASDAQや独DAX指数など)を更新したりNYダウも18,150ドル台、日経平均も18,830台まで上伸しています。
為替市場ではギリシャ支援延長の報を受けたユーロ反発も1.14台と一時的でその後は、むしろ3月からECBによる量的緩和(国債購入)が開始されることや、ギリシャ問題採決を控えた独議会の動きなど、ギリシャの先行き不安が払しょくされないことからユーロは1.11台半ばと年初来安値を更新しています。
一方イエレン議長のハト派的議会証言にもかかわらず、従来ハト派と目される米国の地区連銀総裁達からの利上げを正当化する発言も数多くなっています。また先週金曜日に発表された米国Q4のGDP(改定値、前期比年率)は速報値の+2.6%から+2.2%に下方修正されたものの予想値+2.0%を上回り、今週の2月米雇用統計への思惑もあってドル円は119円台後半まで上昇しています。
今週はRBA(豪州準備銀行)、カナダ中銀、ブラジル中銀、BOE、ECBなど各国中銀の理事会が開催されます。
このうち一部にはRBAの追加緩和の思惑があり、またECBは3月から国債買い取りを開始しますが、ドラギ総裁からどの程度腰の据わった緩和策が示されるか注目されます。
米国サイドでは金曜日の2月雇用統計が最重要で、失業率は1月の5.7%から再び5.6%に改善が予想されます。
非農業部門就業者数の予想値は+24万人(前月は+25.7万人)ですが先月は前月比+0.5%と強かった平均時給の伸びも注目されます。
また雇用統計以外にも本日週発表される米1月のコアPCEデフレーター(FRBが注視するインフレ指数で予想は前年比+1.3%、前回+1.3%)、2月ISM製造業PMIなども注視すべきでしょう。
3月は本邦期末であり、機関投資家のリパトリ(外貨資産売却・円転)やヘッジファンドの手仕舞い、更には日本の年金ファンド(GPIF)の外貨投資のヘッジ売り(ドル円が上昇した場合に既にドル買いした分のリスクヘッジのドル売り)の話など、ドル円の上値は限定的との見方もあります。
ただ為替は二国間通貨の優劣によって通貨の上げ下げが決まりますが、消去法的にはやはりドルに分があるのは否めず、ドルの下落局面では押し目買いが活発化するでしょう。
3月の季節要因として上記のように円買い戻しがあることは市場は周知の事実であり、逆に係る円買いが不発に終わる場合には、ドル円が高値121円台を上抜けする可能性も否定できません。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7739-0.7913 AUDYEN 92.42-93.96
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7650-0.7950 AUDYEN 92.00-95.00
今週の豪ドルは: 引き続き売り買い交錯でしょう
先週豪ドルは発表された中国2月HSBC製造業PMIが3カ月ぶりに拡大/縮小の分岐点となる50.0を上回った(50.1)ことを好感して79セント、94円近辺に上昇しましたが結局買いは続かず、木曜日に発表されたQ4民間設備投資が前期比-2.2%(予想-1.6%、前回+0.6%)と落ちたことを嫌気して77セント台、92円台に反落しました。
28日(土曜日)に中国人民銀行は金融緩和(預金金利と貸出金利)を発表しましたが、大きな豪ドルサポートとはなっていません。
市場には明日のRBA理事会での追加緩和期待が依然高く(60%先物市場は織り込み)、豪ドルの重石となっています。
明日追加緩和があれば豪ドルは75セント節目を下抜くことになり、超低金利や豪ドル安の弊害(つまり住宅バブルや輸入物価高)も聞こえる中、個人的には金利据え置きと見ています。
ただ常に行き過ぎる傾向にあるスティーブンス総裁の性癖が気になりますが、、、
また水曜日にはQ4GDPが発表されますが予想は前期比+0.7%(前回+0.3%)、前年比+2.6%(前回+2.7%)となっていますが、減速の可能性が指摘されます。
週末の中国利下げは今週木曜日に開幕する中国全国人民代表大会(全人代)を控えて可能性が指摘されていましたが、今後も新たな刺激策(金融、財政)が出れば商品相場・豪ドルをサポートすることになるでしょう。
豪ドルは利下げ→75セントを割って70セント方向に続落のシナリオもありますが、個人的には引き続き”押し目買いスタンス”で行く所存です。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。