今週の主な予定、イベント
3/9(月)メルケル独首相来日・日独首脳会議、日本Q4GDP(改定値)、日本1月国際収支、中国全人代(~15日)、ECB量的緩和開始、ユーロ圏財務相会合、地区連銀総裁講演(クリーブランド、ダラス、ミネアポリス)
10(火)2月NAB企業信頼感/景況感、中国2月CPI/PPI、EU財務相理事会
11(水)3月WESTPAC消費者信頼感、中国2月小売売上高・鉱工業生産、FRB銀行の資本計画の審査結果公表
12(木)NZ準備銀行政策金利、豪2月雇用統計、米2月小売売上高、新規失業保険申請件数
6(金)米2月PPI、米3月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード:期末月、3月FOMC(17/18)、ドル高けん制(米議会、安倍政権)中国全人代、ギリシャ問題、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、GPIF
先週は市場の目が2月の米雇用統計に集まりましたが、結果は予想より強い数字となり、市場では米債利回り上昇、株下落、ドル高の様相です。
2月米雇用統計では失業率が5.5%と6年9か月ぶりの低水準となり、NON-FARM-PAYROLLが+295千人(予想+235千人)、また平均時給も+0.1%(予想+0.2%)とまずまずで、6月利上げ観測が高まり米ドル買いが活発化しました。
ドル円は一時121円台前半に上昇し、ユーロは1.08台前半、ポンドは1.50台前半と”ドル全面高”となりました。
過去いずれも米雇用統計で上昇した米ドルは翌週”利食い反落する”のがここまでの米雇用統計とドル円相場の相関関係ですが、従来のパターンを踏襲するのか?あるいは、120円台を固めて昨年12月の高値121円台後半を上抜くのか?注目されます。
3月17/18日のFOMCで「忍耐強く」という文言が削除される可能性可能性が今回の米雇用統計で強くなり、基本的に今週も米ドルの堅調地合いが予想されます。
ただ逆のシナリオになるとしたら、日米当局の”ドル高、円安けん制”が考えられます。
すなわち、米国議会では通貨安に伴う損害賠償請求を企業に認める法案が審議されています。
また環太平洋経済連携協定(TTP)などの通商協定に為替条項を付随する動きが強まっています。
一方安倍政権も4月の統一地方選挙に向け原材料の輸入価格高騰に苦しむ地方企業への配慮から過度の円安をけん制するスタンスを取りつつあります。
また3月期末を控えた本邦機関投資家のリパトリやヘッジファンドのドル円買いポジション手仕舞いの動きもドル円の上値をチェックするでしょう。
また今週は本日の米国2月労働市場情勢指数や10日の1月求人労働異動調査(JOLT)、更には11日の米2月小売売上高なども3月の米FOMCの動向を占う上で重要でしょう。
本日3/9からはECBによる量的緩和がいよいよスタートします。またポンドは5月の総選挙の結果いかんではEU離脱にかかわる国民投票が実施される可能性もあります。
本日発表された1月の日本の貿易収支は再び-8,642億円の赤字と前月から倍増以上に増えています。
この様に基本的には「消去法的な米ドル高地合」が予想されますが、一方上記のようなドル下げ要因も混在する市場環境が足元継続しそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7706-0.7860 AUDYEN 92.98-94.23
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7550-0.7850 AUDYEN 91.50-94.50
今週の豪ドルは: 対ドル軟調、対円保合でしょう
先週豪ドルは予想外のRBAの金利据え置きを受けて一時78セント台半ば、94円台に上昇しましたが、その後発表されたQ4GDP(前期比+0.5%、予想+0.6%、前回+0.3%)、(前年比+2.5%、予想+2.6%、前回+2.7%)や1月小売売上高(前月比+0.4%、予想+0.4%、前回+0.2%)、1月貿易収支(-$980mio、予想-925mio、前回-436mio)と総じて不冴えであり、加えて雇用統計を受けた米ドル高から、77セント前半に反落。
ただ豪ドル円はドル円上昇と相殺し合って93円台近辺での保合いとなっています。
RBA理事会では金利据え置きとなりましたが、声明文では
①成長はトレンドを下回る
②豪ドルは依然として基礎的価値の予想の大半を上回る水準
③更なる緩和が適切となる可能性 などとハト派色が強い内容でした。
5月の予算案発表では財政赤字予想を更に下振れ(赤字拡大)させる可能性が強く、4月のRBA理事会では3月以上に利下げ観測が高まることでしょう。
加えてドル高地合ですから、豪ドル/米ドルは年初来安値(76セント台前半)をブレークする可能性があります。
一方対円ではドル円の上昇が継続する場合にはむしろ底堅い動きが予想されます。
この様に商品相場の軟調も含めて豪ドル先安観が強い状況に著変はありませんが、全人代後の中国景気刺激策などが出てくる場合には、商品相場も含めてポジティブサプライズとなる可能性があります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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