今週の主な予定、イベント
3/16(月)米2月鉱工業生産、3月NY連銀製造業景況指数、ドラギ総裁講演
17(火)日銀金融会合(黒田総裁会見)、独3月ZEW景況指数、ユーロ圏2月CPI、米2月住宅着工件数
18(水)3月日銀短観、日本2月貿易収支、中国2月新築住宅価格、英2月失業率、英中銀議事録、米FOMC(経済予測発表、イエレン議長記者会見)
19(木)スイス中銀政策金利、ECB経済報告、EU首脳会議、米2月景気先行指数、米新規失業保険申請件数、3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、ダラス連銀総裁講演、米アップルダウ工業株30種平均構成銘柄として取引開始
20(金)日銀議事録、黒田日銀総裁講演、EU首脳会議、地区連銀総裁講演(シカゴ、アトランタ)
マーケットの焦点
キーワード:期末月、日銀会合(3/17)、3月FOMC(17/18)、ドル高けん制(米議会、安倍政権)、ギリシャ問題、ウクライナ情勢とロシア経済(リセッション入りか)、GPIF
先週は前週の強い米国2月雇用統計を受けて6月の米利上げ観測が強まり、世界的に株価は調整反落、また商品相場も原油価格が44ドル台まで、金価格が1,152ドルまで値を下げCRBインデックスが211台に下落するなど、市場のリスク許容度も低下しました。
為替市場では米ドル高・円高が顕著となっています。
米国の強い2月雇用統計とユーロ圏の悪材料が主因です。
先週からECBが量的緩和(国債買い取り)を開始し、独など欧州債券利回りが低下していることに加えて、くすぶるギリシャ懸念からユーロは2003年1月以来の安値1.04台半ばに下落しました。
ドル円は週初122円台と2007年7月以来の高値を付けましたが、その後はユーロやポンドなどの円クロスが大幅下落(ユーロ円は一時2013年6月以来の127円割れ、ポンド円も今年2月以来の178円台に下落)に引きずられて121円台中心の揉み合いとなっています。
今週の焦点は17日(火)の日銀会合と18日(水―発表は19日早朝)の米FOMCです。
日本のコアインフレ率は4月から消費増税の影響(約+2.0%)がなくなるため、今後原油価格が続落する場合にはマイナスに落ち込む可能性があります。黒田総裁も「必要なら躊躇なく調整」と言っており、今週の日銀会合で黒田バズーカ第二弾(追加の量的・質的緩和)の可能性があるでしょう。
一方19日(木)早朝に発表されるFOMCでは、今回イエレン議長の会見が予定され、なんらかの政策変更の可能性が指摘されます。
大方の読みは声明文から「忍耐強く」の文言が削除され、利上げに一歩前進した姿勢を示すというもの。
また欧州サイドでもドラギECB総裁の講演が予定されますが、ギリシャ情勢と合わせて、依然としてユーロ売り材料が絶えません。
以上より米国と日欧の景気格差/金利格差は引き続き「ドル堅調地合」を示唆します。
一方リスク要因としては3月期末を控えた本邦機関投資家のリパトリ(外貨資産売却・円買い)やギリシャの債務問題に絡むリスク回避の円買いの動きでしょう。
また米議会にできつつあるドル高けん制の動きや、TPP(環太平洋経済連携協定)に為替条項を盛り込もうとする動きにも注意を要します。
また日本サイドでも4月の統一地方選挙を控えて原材料価格の高騰に苦しむ地方企業への配慮や難航するTPP交渉からドル高円安を抑制する動きが政府から出てくる可能性があります。
ただ日経平均2006年4月以来の19,000円に乗ったのも安倍政権の大きなポイント獲得であり、金融緩和・円安の流れを大きく変えるものとはならないでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7560-0.7731 AUDYEN 91.80-93.59
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7500-0.7800 AUDYEN 91.50-94.50
今週の豪ドルは: 引き続き軟調でしょう
先週豪ドルは2009年5月以来の安値75セント台半ばを付け、対円でも一時91円D内に軟調推移しました。
これでスティーブンスRBA総裁が満足するか見物です。
ただユーロに対しては2月の安値0.67台から0.72台に上昇しています。
鉄鉱石価格は中国の輸入減少予想もありトン当たり58ドルまで下落し、原油価格も一時43ドル台まで下落し、商品相場(CBR Index)は211台と年初来安値を更新し、豪ドルの重石となりました。
また発表された2月の雇用統計は失業率が前月の6.4%から6.3%に改善し就業者数は前月の-14.6千人から+15.6千人に増えましたが、元々月ごとの変動幅が大きく、あまり参考になりません。
むしろ2月利下げにもかかわらず2月のNAB企業信頼感/景況感は冴えず、3月のWESTPAC消費者信頼感は2月の上昇から再度下落に転じており、豪州景況の弱さを示しました。
今週は上記のように日銀会合や米FOMCが焦点ですが、ドル高地合が継続するようであれば豪ドルドルは再度下値75セントをテストするでしょう。
全人代後の中国から新規の景気刺激策が出るなど、新たな豪ドルサポート材料が出てこない限り、底離れは難しい状況です。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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